4月, 2019年
歯並びが悪いと頭痛になりますか? [2019年04月15日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「歯並びと身体の健康について」です。
歯並びが悪いと口元の見た目が悪くなる…それは誰もが想像できるでしょう。
実際、口元の見た目を美しくするために矯正治療を希望する人は多く、
矯正治療を希望する人のほとんどは言わば審美目的ですからね。
しかし、歯並びの悪さは審美面だけでなく健康面においても悪い影響をもたらします。
このため、身体の健康において何らかの悩みがある人は、
もしかするとその原因の根本には歯並びの悪さが関係しているのかもしれません。
そこで、ここでは歯並びの悪さが身体の健康にどう影響するのかについて説明していきます。
歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなる
噛み合わせとは、上の歯と下の歯の噛み合う具合を示しており、歯並びが悪ければ噛み合わせは悪くなります。
凸凹した歯並びではうまく噛み合わないため、「歯並びが悪い=噛み合わせも悪い」は当然のことですが、
その当然のことを発想することで、歯並びの悪さが身体の健康に与える問題の数々が見えてきます。
問題1. 虫歯
そもそも歯並びが悪ければ、歯磨きがしづらくなります。凸凹した歯並びでは歯磨きの精度が落ちますし、
歯と歯が重なっていればそこは磨きたくても磨けません。
そうなると歯磨き時の磨き残しが増えるため、歯並びが良い人に比べて虫歯にかかりやすくなります。
問題2. 歯周病
噛み合わせが悪いと口呼吸になり、呼吸するたびに乾燥した空気を口の中に取り込みます。
このため口の中が乾いた環境になり、唾液が蒸発して分泌量も低下します。
そうすると、歯周病菌である嫌気性菌の働きが活発になって歯周病にかかりやすくなります。
問題3. 頭痛
今回のテーマにもなっていますが、噛み合わせが悪いと噛む筋肉である側頭筋に悪い影響を与えます。
側頭筋は噛む筋肉であるものの、この筋肉は顎関節から頭の横にかけてつながっていますから、
側頭筋に悪い影響を与えることで頭痛…それも慢性的な頭痛を引き起こします。
問題4. 肩こり
肩こりは噛み合わせの悪さで起こり、その理由は頭痛と似ています。
噛み合わせが悪いと噛む筋肉である広頸筋に悪い影響を与え、
広頸筋は首から肩にかけてつながっていますから、やはり慢性的な肩こりを引き起こします。
問題5. 顎関節症
噛み合わせが悪いと顎関節に常に負担をかけていることになり、
そのため噛み合わせが正常な人に比べて顎関節症にかかりやすくなります。
また、発症しやすくなるだけでなく重症化もしやすくなる傾向があります。
問題6. 細菌感染
鼻呼吸の場合、呼吸時に取り込んだ空気は鼻の粘膜を通過しますが、
空気中に混ざっている細菌は鼻の粘膜によってろ過されます。
しかし噛み合わせが悪いと口呼吸になるため、取り込んだ細菌を直接喉に送り込んでしまいます。
…このように、噛み合わせが悪いと身体の健康に様々な問題をもたらします。
そして、歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなるため、
それはつまり「歯並びが悪ければ身体の健康に様々な問題をもたらす」ということになるのです。
矯正による歯並びの改善
歯並びを改善には矯正することですが、ただ矯正は治療期間が長く、治療の費用も高くなります。
このため、例え歯並びの改善をしたくても気軽に決断できる治療ではありません。
実際には歯科医と相談して検討する流れになるでしょうが、
矯正について知っておいた方が良いことや、誰もが気になるであろうことをお伝えしておきます。
矯正の費用について
矯正は自由診療になるため、健康保険が適用されません。
また自由診療は歯科医院ごとで費用を設定できるため、一概に費用を断言することはできません。
ですから歯科医院ごとで費用は異なりますし、矯正方法によっても異なります。
このため、正確な費用を知りたい場合は治療を受けようと考えている歯科医院に直接確認してください。
また、歯科医院によって費用の支払いのシステムにも違いがあり、
治療前に全額支払う総額制、その都度費用を支払う処置別払い制があります。
矯正方法について
矯正では矯正装置を装着しますが、最近では特にマウスピース矯正が人気です。
これは、マウスピース矯正は目立たないため矯正装置としての審美性が高く、
さらに自分で取り外しできる点が人気の理由になっていると考えられます。
ただし、マウスピース矯正は対応できる症例が限られており、装着も1日20時間が目安となります。
あまり凸凹した歯並びだとマウスピース矯正では対応できないですし、
「自分で取り外しできる=好きな時に好きなだけ矯正装置を外せる」と捉えるのは間違いです。
矯正の治療期間について
矯正の治療期間は矯正方法によって異なりますし、もちろん個人差による違いもあります。
ですから一般論での説明になりますが、まず従来の表側矯正の場合は2年~3年が目安です。
矯正装置が目立たない裏側矯正はこれより少し長くなり、3年ほどが目安です。
また、マウスピース矯正は難しい症例に対応していない分、1年~2年が目安となります。
さらに、歯列全体ではなく一部の箇所だけを矯正する部分矯正の場合、
治療期間は一般的に半年~1年ほどが目安です。
抜歯の必要性
歯を綺麗に並べるためには、そもそもそれができるだけのスペースが必要です。
スペースが確保できなければ歯を並べること自体が不可能になるため、抜歯にて対処します。
つまり、抜歯をすることで歯を並べるスペースを確保するという意味です。
最も、大人の矯正では抜歯が必要な可能性が高いものの、あくまでそれは歯並びとスペース次第です。
歯を削るだけで充分なスペースを確保できる場合はもちろん非抜歯にて矯正できますし、
子供の矯正では骨の正常な成長を促しつつ治療できるため、むしろ非抜歯で矯正できる確率が高くなります。
歯科医院の選び方
虫歯治療などの場合は、通院の距離だけで歯科医院を選ぶ人が多いですが、
矯正の場合は難易度の高い治療になるため、歯科医の腕を最優先して歯科医院を選ぶべきでしょう。
最も、長期間定期的な通院が必要になるため、通院の距離もある程度は考える必要はあります。
さて、歯科医の腕を判断するには口コミによる評判や医療設備に注目するのも良いですが、
確実なのは日本矯正歯科学会の専門医の資格を持つ歯科医です。
専門医の在籍する歯科医院は、日本矯正歯科学会のWEBサイトで検索できます。
矯正のメリット
矯正して歯並びが改善できれば口元の見た目が美しくなります。
しかしメリットはそれだけでなく、矯正には他にも次のメリットがあります。
噛み合わせを改善できる
歯並びを改善すれば噛み合わせも改善できます。
ただし、これは噛み合わせの悪さの原因が歯並びの悪さにある場合です。
例えば、被せ物の高さなどが原因で噛み合わせが悪い場合はその調整も必要です。
虫歯や歯周病を予防しやすくなる
歯並びを改善すれば歯磨きがしやすくなり、歯磨きの精度が高まります。
歯磨きの精度が高まれば、磨き残しも減るため虫歯や歯周病を予防しやすくなりますし、
噛み合わせの改善によって歯肉に負担がかからなくなれば、それも歯周病の予防につながります。
歯にダメージを与えなくなる
噛み合わせが悪いと、噛み合わせ時に特定の歯に過剰な力がかかります。
それは歯にとってダメージとなり、歯を痛める、もしくは歯が擦り減る原因になります。
矯正によって歯並びと噛み合わせが改善できれば、このようなダメージを歯に与える心配がありません。
発音しやすくなる
歯並びの悪さは発音のしづらさを招き、
例えば歯と歯の間に隙間があると「サ行」や「タ行」が発音しづらくなります。
矯正で歯並びを改善すれば発音しやすくなり、会話することへのコンプレックスの解消にもなります。
食事が快適になる
歯並びを改善すれば噛むことが快適になり、噛むことが快適になれば食事が快適になります。
食べ物が歯に詰まることもないですし、食材問わず食事を楽しめますからね。
また、食べ物が歯に詰まらないことは虫歯や歯周病の予防にもつながります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯並びと身体の健康についてまとめます。
1. 歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなる :歯並びや噛み合わせの悪さによって以下の問題が起こる
・虫歯 :歯並びが悪いと歯磨きがしづらく、磨き残しが増えるため虫歯にかかりやすくなる
・歯周病 :噛み合わせの悪さによって口呼吸になると、歯周病菌である嫌気性菌の働きが活発になる
・頭痛 :噛み合わせの悪さが側頭筋に悪い影響を与え、慢性的な頭痛を引き起こす
・肩こり :噛み合わせの悪さが広頸筋に悪い影響を与え、慢性的な肩こりを引き起こす
・顎関節症 :噛み合わせが悪いと顎関節に常に負担をかけているため、顎関節症にかかりやすくなる
・細菌感染 :噛み合わせの悪さによって口呼吸になると、空気中の細菌を喉に送り込んでしまう
2. 矯正による歯並びの改善 :矯正において以下のことは知っておくと良い
・矯正の費用について :歯科医院ごとで費用の設定は異なり、矯正方法によっても異なる
・矯正方法について :マウスピース矯正は人気だが、対応できる症例に限りがある
・矯正の治療期間について :一般的に表側矯正なら2年~3年、マウスピース矯正なら1年~2年が目安
・抜歯の必要性 :歯を並べるためのスペース確保のため、抜歯が必要になることがある
・歯科医院の選び方 :歯科医の腕の判断には、日本矯正歯科学会の専門医の資格を注目すると確実
3. 矯正のメリット :口元の見た目を美しくする以外にも、矯正には以下のメリットがある
・噛み合わせを改善できる :歯並びの悪さが原因で噛み合わせが悪い場合、噛み合わせも改善できる
・虫歯や歯周病を予防しやすくなる :歯磨きがしやすくなるため、歯磨きの精度が高まる
・歯にダメージを与えなくなる :噛み合わせた時に過剰な力をかけることがなくなる
・発音しやすくなる :歯並びを改善すれば歯と歯の間の隙間がなくなり、会話時に発音しやすくなる
・食事が快適になる :歯並びを改善すれば噛みやすくなり、食べ物が歯に詰まることもなくなる
これらのことから、歯並びと身体の健康について分かります。
歯並びの悪さは審美面だけでなく健康面にも悪い影響をもたらします。
歯並びが悪くても矯正に興味のない人の中には、「歯並びの悪さは病気ではないため治療する必要はない」と答える人もいます。
確かに、歯並びの悪さは病気ではありませんが、病気を引き起こす原因にはなるのです。
歯周病と口が臭いのは関係ありますか? [2019年04月01日]
江東区門前仲町の歯医者、良修会 原澤歯科です。今回のテーマは「歯周病と口臭の関係」です。
身体に何らかの症状が起こった時、それは身体が異常を伝えるためのSOSのサインです。
例えばお腹を壊した時、それは腹痛という症状でSOSを伝えます。また虫歯は痛みという症状でSOSを伝え、その意味でサインとして最も多いのは「痛み」でしょう。しかし、時に身体は「臭い」によってSOSのサインを伝えることもあります。
例えば歯周病…歯周病は目立った自覚症状がなく、そのため「静かなる病気」とも呼ばれます。しかし歯周病にも実はいくつかの自覚症状があり、口臭はその中の一つです。そこで、ここでは歯周病と口臭をテーマにしたお話をしていきます。
歯周病で口臭が発生する理由
歯周病になると口臭が発生するのは、歯周病菌の働きが原因です。歯周病菌には多くの種類がありますが、代表的なのは嫌気性菌と呼ばれる空気を嫌う細菌です。嫌気性菌は歯周ポケットに棲みつき、主にタンパクをエサとしています。
そして、タンパク質を吸収して代謝によって出される物質が口臭の原因となります。その物質とは揮発性硫化物と呼ばれる種類の物質で、主に硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどがあります。
ただ、これは歯周病によって口臭が発生するケースの一例にしか過ぎません。なぜなら歯周病菌の種類によって揮発性硫化物の割合などが変化するからです。また、歯周病による膿みや歯肉からの出血、歯石などが原因でも口臭が発生します。
「口臭=歯周病」とは限らない
歯周病になると口臭が発生します。では、仮にあなたが口臭を自覚しているとして、それは歯周病であることを示すサインなのでしょうか?
確かにその可能性は高いですが「口臭=歯周病」とは限らず、他のことが原因でも口臭は発生します。
虫歯
歯周病と並んで口腔内の代表的な病気である虫歯でも口臭は発生します。虫歯になると歯に穴があきますが、穴の深さによってはそこに食べ物が詰まってしまいます。その状態が続くと食べ物はやがて腐るため、口の中で腐敗臭がするようになります。
胃炎
胃炎になると胃の中で食べた物が正常に消化されずに胃の中で残ります。その場合、腸で行われる発酵が胃の中で起こって発酵臭が発生します。その発酵臭が肺に入り込むことで呼吸時に発酵臭を感じるようになり、それが口臭となります。
胃がん
胃がんになると、がんの壊死が起こった時に腐敗臭のする臭い成分が発生します。この成分が血液に吸収され、肺のガス交換によって排出されると口臭が起こります。また、がん細胞の増殖時に発生する化学物質によっても口臭が起こると言われています。
十二指腸潰瘍
口臭が起こるメカニズムとしては胃炎と同じで、十二指腸潰瘍による消化不良が口臭を招きます。食べた物が正常に消化されないことで胃の中でそれが停滞してしまい、胃の中で発酵することで発生する発酵臭が肺に回ると呼吸時に口臭が起こります。
逆流性食道炎
聞き慣れない病気だと思いますが、逆流性食道炎とは胃液が食道に逆流する病気です。まず胃液が食道に逆流する際、喉の方まで上がってくるため胃液の酸っぱい臭いが口臭として発生し、さらにそこに胃の臭いも混ざるため、口臭の中でも相当なきつい臭いがします。
便秘
便秘になると排泄物が腸に溜まり、やがて腐敗して有害物質が発生します。便秘で排泄が起こらないことでこの有害物質は依然残り、やがて腸壁に吸収されて血液に溶け出します。そして血管から全身に回り、肺にまで回ってしまうことで呼吸時に口臭が起こります。
…これらの原因でも口臭が発生するため、「口臭=歯周病」とは限りません。それぞれの口臭には特徴があるものの、臭いの特徴だけで原因を特定するのは困難です。とはいえ、確率だけで考えれば口臭が起こっている場合の原因として最も可能性が高いのは歯周病です。
口臭の原因を特定するには
口臭は口から発生するものですから、原因を特定するには歯科医院に行くのが一般的です。
しかし、さらに専門的に考えるなら口臭外来で検査を受けてみても良いでしょう。口臭外来とは、文字どおり口臭治療を専門とした機関です。
口臭外来なら口臭の検査、原因の特定、さらに治療まで行えます。原因によっては専門の医療機関を紹介し、本格的な治療はそこで行うことになります。
ちなみに、口臭外来の検査は自由診療になるため健康保険が適用されません。
しかし治療が必要になった場合、その治療が保険診療であれば治療費に健康保険が適用されます。例えば、口臭の原因が歯周病だった場合、そのための検査費用には健康保険が適用されませんが、歯周病の治療費おいては健康保険が適用されるという意味です。
歯周病のその他の自覚症状
歯周病の自覚症状は口臭だけではありません。その他にも次のような自覚症状があり、中には進行することで起こる自覚症状もあります。
歯肉の腫れ、変色
歯周病になると歯肉に炎症が起こり、歯肉の見た目にも腫れや変色などの変化が起こります。また、歯肉に触れると普段の張りを感じなくなり、プヨプヨとしたやわらかい感触になります。
歯肉からの出血
歯周病になると歯肉に炎症が起こる上、細菌を駆除するため患部に血液が集まります。この状態になると少しの刺激で出血しやすくなり、食事や歯磨き時に歯肉から出血することがあります。
歯が伸びて見える
実際には歯が伸びたわけではないですが、歯周病の進行によって歯肉退縮が起こった場合、歯肉の高さが下がって歯の根が露出するため、一見歯が伸びたように見えます。
冷たいものがしみる
これは知覚過敏による症状です。歯肉退縮よって歯の根が露出した場合、露出した歯の根にはエナメル質が存在しないため、温度差などの刺激によって知覚過敏が起こります。
噛み合わせると痛む
歯周病が進行して歯槽骨が溶かされると、歯は支えを失います。不安定に歯が傾いた場合、その状態で噛み合わせると強い痛みを感じます。
歯が動く
歯周病が進行して歯槽骨が溶かされた歯は、やがて指で触れると動くほど不安定になります。ここまでの自覚症状が起こると歯周病は重症化しており、治療しても歯を残せない可能性があります。
歯周病を予防するための歯磨き
歯周病予防の基本は毎日の歯磨きですが、予防効果は歯磨きの仕方によって大きく変わります。歯磨きに求められるのは精度であり、つまり丁寧で精密な歯磨きをしてこそ歯周病を予防できるのです。
一方、いくら頻繁に歯磨きしてもその歯磨きの精度が低ければ、歯周病の予防効果として不充分です。そこで気になるのが歯磨きの精度を高める方法ですが、それは以下の方法が効果的です。
デンタルフロスや歯間ブラシの使用
ブラッシングだけで歯磨きをした場合、プラークの除去率は6割ほどとされていますが、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すればそれを8割以上まで高められます。両方使用すればより効果は高くなるものの、実際にはどちらか一方の使用でも充分です。
ブラッシング指導を受ける
予防歯科や定期検診を受診すると、治療メニューの一つとしてブラッシング指導を受けられます。これは正しい歯磨きの仕方を覚えるためもので、歯並びに合った効率の良い歯磨きの仕方を学べます。学んだ歯磨きの仕方をマスターして実践すれば、歯磨きの精度が確実に高まります。
プラークテスターを使う
プラークチェッカー、歯垢染色剤などと呼ばれることもあります。プラークテスターはプラークを染め出す…つまり染色する効果があるため、歯磨き後に使用すれば磨き残しを目で確認でき、残ったプラークを確実に除去できます。
まとめ
最後に、歯周病と口臭の関係についてまとめます。
1. 歯周病で口臭が発生する理由 :歯周病菌の出す揮発性硫化物、歯肉から出た膿みや血液、歯石など
2. 「口臭=歯周病」とは限らない :可能性としては歯周病が最も高いが、以下の原因でも口臭が起こる
・虫歯 :虫歯の穴に食べ物が詰まり、時間の経過でそれが腐ると腐敗臭が起こる
・胃炎 :食べた物が消化されずに胃の中で停滞することで胃の中で発酵が起こり、発酵臭が口臭となる
・胃がん :がんの壊死によって臭い成分が発生すると、血液に吸収されて肺のガス交換時に口臭となる
・十二指腸潰瘍 :メカニズムは胃炎と同じ。胃の中で食べた物が発酵して、その時の発酵臭が口臭となる
・逆流性食道炎 :胃液が喉の方まで上がってくるため胃液の酸っぱい臭いや胃の臭いが口臭となる
・便秘 :腸に溜まって腐敗した排泄物から発生した有害物質が肺に回ることで口臭となる
3. 口臭の原因を特定するには :歯科医院で診察してもらう。口臭を専門とした口臭外来で検査するのも良い
4. 歯周病のその他の自覚症状:口臭以外にも以下の自覚症状が起こる
・歯肉の腫れ、変色 :歯肉が炎症を起こすことが原因。触れた感触も歯肉ならではの張りがなくなる
・歯肉からの出血 :炎症を起こした歯肉に血液が集まることで、少しの刺激で歯肉から出血する
・歯が伸びて見える :実際に伸びたわけではなく、歯肉退縮によって歯の根が露出するためそう見える
・冷たいものがしみる :歯の根はエナメル質が存在しないため、露出することで知覚過敏が起こる
・噛み合わせると痛む :歯槽骨が溶けて歯が傾いている場合、その状態で噛み合わせると歯が痛む
・歯が動く :歯槽骨が溶けて歯が支えを失うと、指で触れただけでも歯が動く
5. 歯周病を予防するための歯磨き :歯周病を予防するには、以下の方法で歯磨きの精度を高める
・デンタルフロスや歯間ブラシの使用 :プラーク除去率がさらに2割高まる。どちらを使っても良い
・ブラッシング指導を受ける :自分の歯並びに合った正しい歯の磨き方をマスターできる
・プラークテスターを使う :プラークを染色することで、磨き残しが目で確認できるようになる
これらのことから、歯周病と口臭の関係について分かります。実際には口臭を単にエチケットの問題だけと捉える人が多く、口臭をガムやサプリメントで安易に解消しようとしてしまいがちです。
しかしそれは食材などによる一時的口臭の場合にしか効果がなく、歯周病などの病的口臭の場合は何の解決にもなりません。口臭は身体が発するSOSのサインの可能性がありますので、気になる方は歯医者に行かれることをお勧めします。