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歯並びが悪いと頭痛になりますか? [2019年04月15日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「歯並びと身体の健康について」です。
歯並びが悪いと口元の見た目が悪くなる…それは誰もが想像できるでしょう。
実際、口元の見た目を美しくするために矯正治療を希望する人は多く、
矯正治療を希望する人のほとんどは言わば審美目的ですからね。
しかし、歯並びの悪さは審美面だけでなく健康面においても悪い影響をもたらします。
このため、身体の健康において何らかの悩みがある人は、
もしかするとその原因の根本には歯並びの悪さが関係しているのかもしれません。
そこで、ここでは歯並びの悪さが身体の健康にどう影響するのかについて説明していきます。
歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなる
噛み合わせとは、上の歯と下の歯の噛み合う具合を示しており、歯並びが悪ければ噛み合わせは悪くなります。
凸凹した歯並びではうまく噛み合わないため、「歯並びが悪い=噛み合わせも悪い」は当然のことですが、
その当然のことを発想することで、歯並びの悪さが身体の健康に与える問題の数々が見えてきます。
問題1. 虫歯
そもそも歯並びが悪ければ、歯磨きがしづらくなります。凸凹した歯並びでは歯磨きの精度が落ちますし、
歯と歯が重なっていればそこは磨きたくても磨けません。
そうなると歯磨き時の磨き残しが増えるため、歯並びが良い人に比べて虫歯にかかりやすくなります。
問題2. 歯周病
噛み合わせが悪いと口呼吸になり、呼吸するたびに乾燥した空気を口の中に取り込みます。
このため口の中が乾いた環境になり、唾液が蒸発して分泌量も低下します。
そうすると、歯周病菌である嫌気性菌の働きが活発になって歯周病にかかりやすくなります。
問題3. 頭痛
今回のテーマにもなっていますが、噛み合わせが悪いと噛む筋肉である側頭筋に悪い影響を与えます。
側頭筋は噛む筋肉であるものの、この筋肉は顎関節から頭の横にかけてつながっていますから、
側頭筋に悪い影響を与えることで頭痛…それも慢性的な頭痛を引き起こします。
問題4. 肩こり
肩こりは噛み合わせの悪さで起こり、その理由は頭痛と似ています。
噛み合わせが悪いと噛む筋肉である広頸筋に悪い影響を与え、
広頸筋は首から肩にかけてつながっていますから、やはり慢性的な肩こりを引き起こします。
問題5. 顎関節症
噛み合わせが悪いと顎関節に常に負担をかけていることになり、
そのため噛み合わせが正常な人に比べて顎関節症にかかりやすくなります。
また、発症しやすくなるだけでなく重症化もしやすくなる傾向があります。
問題6. 細菌感染
鼻呼吸の場合、呼吸時に取り込んだ空気は鼻の粘膜を通過しますが、
空気中に混ざっている細菌は鼻の粘膜によってろ過されます。
しかし噛み合わせが悪いと口呼吸になるため、取り込んだ細菌を直接喉に送り込んでしまいます。
…このように、噛み合わせが悪いと身体の健康に様々な問題をもたらします。
そして、歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなるため、
それはつまり「歯並びが悪ければ身体の健康に様々な問題をもたらす」ということになるのです。
矯正による歯並びの改善
歯並びを改善には矯正することですが、ただ矯正は治療期間が長く、治療の費用も高くなります。
このため、例え歯並びの改善をしたくても気軽に決断できる治療ではありません。
実際には歯科医と相談して検討する流れになるでしょうが、
矯正について知っておいた方が良いことや、誰もが気になるであろうことをお伝えしておきます。
矯正の費用について
矯正は自由診療になるため、健康保険が適用されません。
また自由診療は歯科医院ごとで費用を設定できるため、一概に費用を断言することはできません。
ですから歯科医院ごとで費用は異なりますし、矯正方法によっても異なります。
このため、正確な費用を知りたい場合は治療を受けようと考えている歯科医院に直接確認してください。
また、歯科医院によって費用の支払いのシステムにも違いがあり、
治療前に全額支払う総額制、その都度費用を支払う処置別払い制があります。
矯正方法について
矯正では矯正装置を装着しますが、最近では特にマウスピース矯正が人気です。
これは、マウスピース矯正は目立たないため矯正装置としての審美性が高く、
さらに自分で取り外しできる点が人気の理由になっていると考えられます。
ただし、マウスピース矯正は対応できる症例が限られており、装着も1日20時間が目安となります。
あまり凸凹した歯並びだとマウスピース矯正では対応できないですし、
「自分で取り外しできる=好きな時に好きなだけ矯正装置を外せる」と捉えるのは間違いです。
矯正の治療期間について
矯正の治療期間は矯正方法によって異なりますし、もちろん個人差による違いもあります。
ですから一般論での説明になりますが、まず従来の表側矯正の場合は2年~3年が目安です。
矯正装置が目立たない裏側矯正はこれより少し長くなり、3年ほどが目安です。
また、マウスピース矯正は難しい症例に対応していない分、1年~2年が目安となります。
さらに、歯列全体ではなく一部の箇所だけを矯正する部分矯正の場合、
治療期間は一般的に半年~1年ほどが目安です。
抜歯の必要性
歯を綺麗に並べるためには、そもそもそれができるだけのスペースが必要です。
スペースが確保できなければ歯を並べること自体が不可能になるため、抜歯にて対処します。
つまり、抜歯をすることで歯を並べるスペースを確保するという意味です。
最も、大人の矯正では抜歯が必要な可能性が高いものの、あくまでそれは歯並びとスペース次第です。
歯を削るだけで充分なスペースを確保できる場合はもちろん非抜歯にて矯正できますし、
子供の矯正では骨の正常な成長を促しつつ治療できるため、むしろ非抜歯で矯正できる確率が高くなります。
歯科医院の選び方
虫歯治療などの場合は、通院の距離だけで歯科医院を選ぶ人が多いですが、
矯正の場合は難易度の高い治療になるため、歯科医の腕を最優先して歯科医院を選ぶべきでしょう。
最も、長期間定期的な通院が必要になるため、通院の距離もある程度は考える必要はあります。
さて、歯科医の腕を判断するには口コミによる評判や医療設備に注目するのも良いですが、
確実なのは日本矯正歯科学会の専門医の資格を持つ歯科医です。
専門医の在籍する歯科医院は、日本矯正歯科学会のWEBサイトで検索できます。
矯正のメリット
矯正して歯並びが改善できれば口元の見た目が美しくなります。
しかしメリットはそれだけでなく、矯正には他にも次のメリットがあります。
噛み合わせを改善できる
歯並びを改善すれば噛み合わせも改善できます。
ただし、これは噛み合わせの悪さの原因が歯並びの悪さにある場合です。
例えば、被せ物の高さなどが原因で噛み合わせが悪い場合はその調整も必要です。
虫歯や歯周病を予防しやすくなる
歯並びを改善すれば歯磨きがしやすくなり、歯磨きの精度が高まります。
歯磨きの精度が高まれば、磨き残しも減るため虫歯や歯周病を予防しやすくなりますし、
噛み合わせの改善によって歯肉に負担がかからなくなれば、それも歯周病の予防につながります。
歯にダメージを与えなくなる
噛み合わせが悪いと、噛み合わせ時に特定の歯に過剰な力がかかります。
それは歯にとってダメージとなり、歯を痛める、もしくは歯が擦り減る原因になります。
矯正によって歯並びと噛み合わせが改善できれば、このようなダメージを歯に与える心配がありません。
発音しやすくなる
歯並びの悪さは発音のしづらさを招き、
例えば歯と歯の間に隙間があると「サ行」や「タ行」が発音しづらくなります。
矯正で歯並びを改善すれば発音しやすくなり、会話することへのコンプレックスの解消にもなります。
食事が快適になる
歯並びを改善すれば噛むことが快適になり、噛むことが快適になれば食事が快適になります。
食べ物が歯に詰まることもないですし、食材問わず食事を楽しめますからね。
また、食べ物が歯に詰まらないことは虫歯や歯周病の予防にもつながります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯並びと身体の健康についてまとめます。
1. 歯並びが悪いと噛み合わせも悪くなる :歯並びや噛み合わせの悪さによって以下の問題が起こる
・虫歯 :歯並びが悪いと歯磨きがしづらく、磨き残しが増えるため虫歯にかかりやすくなる
・歯周病 :噛み合わせの悪さによって口呼吸になると、歯周病菌である嫌気性菌の働きが活発になる
・頭痛 :噛み合わせの悪さが側頭筋に悪い影響を与え、慢性的な頭痛を引き起こす
・肩こり :噛み合わせの悪さが広頸筋に悪い影響を与え、慢性的な肩こりを引き起こす
・顎関節症 :噛み合わせが悪いと顎関節に常に負担をかけているため、顎関節症にかかりやすくなる
・細菌感染 :噛み合わせの悪さによって口呼吸になると、空気中の細菌を喉に送り込んでしまう
2. 矯正による歯並びの改善 :矯正において以下のことは知っておくと良い
・矯正の費用について :歯科医院ごとで費用の設定は異なり、矯正方法によっても異なる
・矯正方法について :マウスピース矯正は人気だが、対応できる症例に限りがある
・矯正の治療期間について :一般的に表側矯正なら2年~3年、マウスピース矯正なら1年~2年が目安
・抜歯の必要性 :歯を並べるためのスペース確保のため、抜歯が必要になることがある
・歯科医院の選び方 :歯科医の腕の判断には、日本矯正歯科学会の専門医の資格を注目すると確実
3. 矯正のメリット :口元の見た目を美しくする以外にも、矯正には以下のメリットがある
・噛み合わせを改善できる :歯並びの悪さが原因で噛み合わせが悪い場合、噛み合わせも改善できる
・虫歯や歯周病を予防しやすくなる :歯磨きがしやすくなるため、歯磨きの精度が高まる
・歯にダメージを与えなくなる :噛み合わせた時に過剰な力をかけることがなくなる
・発音しやすくなる :歯並びを改善すれば歯と歯の間の隙間がなくなり、会話時に発音しやすくなる
・食事が快適になる :歯並びを改善すれば噛みやすくなり、食べ物が歯に詰まることもなくなる
これらのことから、歯並びと身体の健康について分かります。
歯並びの悪さは審美面だけでなく健康面にも悪い影響をもたらします。
歯並びが悪くても矯正に興味のない人の中には、「歯並びの悪さは病気ではないため治療する必要はない」と答える人もいます。
確かに、歯並びの悪さは病気ではありませんが、病気を引き起こす原因にはなるのです。
歯周病と口が臭いのは関係ありますか? [2019年04月01日]
江東区門前仲町の歯医者、良修会 原澤歯科です。今回のテーマは「歯周病と口臭の関係」です。
身体に何らかの症状が起こった時、それは身体が異常を伝えるためのSOSのサインです。
例えばお腹を壊した時、それは腹痛という症状でSOSを伝えます。また虫歯は痛みという症状でSOSを伝え、その意味でサインとして最も多いのは「痛み」でしょう。しかし、時に身体は「臭い」によってSOSのサインを伝えることもあります。
例えば歯周病…歯周病は目立った自覚症状がなく、そのため「静かなる病気」とも呼ばれます。しかし歯周病にも実はいくつかの自覚症状があり、口臭はその中の一つです。そこで、ここでは歯周病と口臭をテーマにしたお話をしていきます。
歯周病で口臭が発生する理由
歯周病になると口臭が発生するのは、歯周病菌の働きが原因です。歯周病菌には多くの種類がありますが、代表的なのは嫌気性菌と呼ばれる空気を嫌う細菌です。嫌気性菌は歯周ポケットに棲みつき、主にタンパクをエサとしています。
そして、タンパク質を吸収して代謝によって出される物質が口臭の原因となります。その物質とは揮発性硫化物と呼ばれる種類の物質で、主に硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドなどがあります。
ただ、これは歯周病によって口臭が発生するケースの一例にしか過ぎません。なぜなら歯周病菌の種類によって揮発性硫化物の割合などが変化するからです。また、歯周病による膿みや歯肉からの出血、歯石などが原因でも口臭が発生します。
「口臭=歯周病」とは限らない
歯周病になると口臭が発生します。では、仮にあなたが口臭を自覚しているとして、それは歯周病であることを示すサインなのでしょうか?
確かにその可能性は高いですが「口臭=歯周病」とは限らず、他のことが原因でも口臭は発生します。
虫歯
歯周病と並んで口腔内の代表的な病気である虫歯でも口臭は発生します。虫歯になると歯に穴があきますが、穴の深さによってはそこに食べ物が詰まってしまいます。その状態が続くと食べ物はやがて腐るため、口の中で腐敗臭がするようになります。
胃炎
胃炎になると胃の中で食べた物が正常に消化されずに胃の中で残ります。その場合、腸で行われる発酵が胃の中で起こって発酵臭が発生します。その発酵臭が肺に入り込むことで呼吸時に発酵臭を感じるようになり、それが口臭となります。
胃がん
胃がんになると、がんの壊死が起こった時に腐敗臭のする臭い成分が発生します。この成分が血液に吸収され、肺のガス交換によって排出されると口臭が起こります。また、がん細胞の増殖時に発生する化学物質によっても口臭が起こると言われています。
十二指腸潰瘍
口臭が起こるメカニズムとしては胃炎と同じで、十二指腸潰瘍による消化不良が口臭を招きます。食べた物が正常に消化されないことで胃の中でそれが停滞してしまい、胃の中で発酵することで発生する発酵臭が肺に回ると呼吸時に口臭が起こります。
逆流性食道炎
聞き慣れない病気だと思いますが、逆流性食道炎とは胃液が食道に逆流する病気です。まず胃液が食道に逆流する際、喉の方まで上がってくるため胃液の酸っぱい臭いが口臭として発生し、さらにそこに胃の臭いも混ざるため、口臭の中でも相当なきつい臭いがします。
便秘
便秘になると排泄物が腸に溜まり、やがて腐敗して有害物質が発生します。便秘で排泄が起こらないことでこの有害物質は依然残り、やがて腸壁に吸収されて血液に溶け出します。そして血管から全身に回り、肺にまで回ってしまうことで呼吸時に口臭が起こります。
…これらの原因でも口臭が発生するため、「口臭=歯周病」とは限りません。それぞれの口臭には特徴があるものの、臭いの特徴だけで原因を特定するのは困難です。とはいえ、確率だけで考えれば口臭が起こっている場合の原因として最も可能性が高いのは歯周病です。
口臭の原因を特定するには
口臭は口から発生するものですから、原因を特定するには歯科医院に行くのが一般的です。
しかし、さらに専門的に考えるなら口臭外来で検査を受けてみても良いでしょう。口臭外来とは、文字どおり口臭治療を専門とした機関です。
口臭外来なら口臭の検査、原因の特定、さらに治療まで行えます。原因によっては専門の医療機関を紹介し、本格的な治療はそこで行うことになります。
ちなみに、口臭外来の検査は自由診療になるため健康保険が適用されません。
しかし治療が必要になった場合、その治療が保険診療であれば治療費に健康保険が適用されます。例えば、口臭の原因が歯周病だった場合、そのための検査費用には健康保険が適用されませんが、歯周病の治療費おいては健康保険が適用されるという意味です。
歯周病のその他の自覚症状
歯周病の自覚症状は口臭だけではありません。その他にも次のような自覚症状があり、中には進行することで起こる自覚症状もあります。
歯肉の腫れ、変色
歯周病になると歯肉に炎症が起こり、歯肉の見た目にも腫れや変色などの変化が起こります。また、歯肉に触れると普段の張りを感じなくなり、プヨプヨとしたやわらかい感触になります。
歯肉からの出血
歯周病になると歯肉に炎症が起こる上、細菌を駆除するため患部に血液が集まります。この状態になると少しの刺激で出血しやすくなり、食事や歯磨き時に歯肉から出血することがあります。
歯が伸びて見える
実際には歯が伸びたわけではないですが、歯周病の進行によって歯肉退縮が起こった場合、歯肉の高さが下がって歯の根が露出するため、一見歯が伸びたように見えます。
冷たいものがしみる
これは知覚過敏による症状です。歯肉退縮よって歯の根が露出した場合、露出した歯の根にはエナメル質が存在しないため、温度差などの刺激によって知覚過敏が起こります。
噛み合わせると痛む
歯周病が進行して歯槽骨が溶かされると、歯は支えを失います。不安定に歯が傾いた場合、その状態で噛み合わせると強い痛みを感じます。
歯が動く
歯周病が進行して歯槽骨が溶かされた歯は、やがて指で触れると動くほど不安定になります。ここまでの自覚症状が起こると歯周病は重症化しており、治療しても歯を残せない可能性があります。
歯周病を予防するための歯磨き
歯周病予防の基本は毎日の歯磨きですが、予防効果は歯磨きの仕方によって大きく変わります。歯磨きに求められるのは精度であり、つまり丁寧で精密な歯磨きをしてこそ歯周病を予防できるのです。
一方、いくら頻繁に歯磨きしてもその歯磨きの精度が低ければ、歯周病の予防効果として不充分です。そこで気になるのが歯磨きの精度を高める方法ですが、それは以下の方法が効果的です。
デンタルフロスや歯間ブラシの使用
ブラッシングだけで歯磨きをした場合、プラークの除去率は6割ほどとされていますが、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すればそれを8割以上まで高められます。両方使用すればより効果は高くなるものの、実際にはどちらか一方の使用でも充分です。
ブラッシング指導を受ける
予防歯科や定期検診を受診すると、治療メニューの一つとしてブラッシング指導を受けられます。これは正しい歯磨きの仕方を覚えるためもので、歯並びに合った効率の良い歯磨きの仕方を学べます。学んだ歯磨きの仕方をマスターして実践すれば、歯磨きの精度が確実に高まります。
プラークテスターを使う
プラークチェッカー、歯垢染色剤などと呼ばれることもあります。プラークテスターはプラークを染め出す…つまり染色する効果があるため、歯磨き後に使用すれば磨き残しを目で確認でき、残ったプラークを確実に除去できます。
まとめ
最後に、歯周病と口臭の関係についてまとめます。
1. 歯周病で口臭が発生する理由 :歯周病菌の出す揮発性硫化物、歯肉から出た膿みや血液、歯石など
2. 「口臭=歯周病」とは限らない :可能性としては歯周病が最も高いが、以下の原因でも口臭が起こる
・虫歯 :虫歯の穴に食べ物が詰まり、時間の経過でそれが腐ると腐敗臭が起こる
・胃炎 :食べた物が消化されずに胃の中で停滞することで胃の中で発酵が起こり、発酵臭が口臭となる
・胃がん :がんの壊死によって臭い成分が発生すると、血液に吸収されて肺のガス交換時に口臭となる
・十二指腸潰瘍 :メカニズムは胃炎と同じ。胃の中で食べた物が発酵して、その時の発酵臭が口臭となる
・逆流性食道炎 :胃液が喉の方まで上がってくるため胃液の酸っぱい臭いや胃の臭いが口臭となる
・便秘 :腸に溜まって腐敗した排泄物から発生した有害物質が肺に回ることで口臭となる
3. 口臭の原因を特定するには :歯科医院で診察してもらう。口臭を専門とした口臭外来で検査するのも良い
4. 歯周病のその他の自覚症状:口臭以外にも以下の自覚症状が起こる
・歯肉の腫れ、変色 :歯肉が炎症を起こすことが原因。触れた感触も歯肉ならではの張りがなくなる
・歯肉からの出血 :炎症を起こした歯肉に血液が集まることで、少しの刺激で歯肉から出血する
・歯が伸びて見える :実際に伸びたわけではなく、歯肉退縮によって歯の根が露出するためそう見える
・冷たいものがしみる :歯の根はエナメル質が存在しないため、露出することで知覚過敏が起こる
・噛み合わせると痛む :歯槽骨が溶けて歯が傾いている場合、その状態で噛み合わせると歯が痛む
・歯が動く :歯槽骨が溶けて歯が支えを失うと、指で触れただけでも歯が動く
5. 歯周病を予防するための歯磨き :歯周病を予防するには、以下の方法で歯磨きの精度を高める
・デンタルフロスや歯間ブラシの使用 :プラーク除去率がさらに2割高まる。どちらを使っても良い
・ブラッシング指導を受ける :自分の歯並びに合った正しい歯の磨き方をマスターできる
・プラークテスターを使う :プラークを染色することで、磨き残しが目で確認できるようになる
これらのことから、歯周病と口臭の関係について分かります。実際には口臭を単にエチケットの問題だけと捉える人が多く、口臭をガムやサプリメントで安易に解消しようとしてしまいがちです。
しかしそれは食材などによる一時的口臭の場合にしか効果がなく、歯周病などの病的口臭の場合は何の解決にもなりません。口臭は身体が発するSOSのサインの可能性がありますので、気になる方は歯医者に行かれることをお勧めします。
歯周病は細菌によるものなのですか? [2019年03月15日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。今回のテーマは「歯周病の説明」です。まずタイトルの質問に回答すると、歯周病はその原因菌による感染で起こります。 ですから、歯周病は細菌によって起こるものであることに違いありません。しかし、風邪のように時期によって人から人にうつって流行するものではなく、元々口の中に存在する歯周病の原因菌が繁殖し、身体に悪さをすることで起こる病気です。 さて、今回お伝えするのはそんな歯周病をテーマにしたお話です。 歯周病の原因菌は歯周病菌とまとめられることが多いですが、正確には複数の種類の細菌が該当します。また、それらの中で特に病原性が高いものに限ると、ある共通点が見つかります。それは、いずれの細菌も食べカスが細菌の塊となり、それがプラークとなって歯に付着します。 そして、そこから時間の経過によって細菌が繁殖していくという点です。ここでポイントとなるのは、「時間の経過によって細菌が繁殖する」の部分であり、一定時間以内に細菌を除去すれば繁殖を防げる…つまり、歯周病を予防できるということになります。 歯に付着した細菌、その棲み処であるプラークを除去する方法は歯磨きですから、毎日の歯磨きが歯周病予防においていかに大切なのかが分かります。また、歯石ができると歯磨きでは除去できないため、歯科医院での定期的な歯石取りも大切です。 いくら予防してもすぐに歯周病になってしまう人もいれば、大した予防をしていないのに歯周病を予防できる人もいます。この差が生まれる理由として、次のことに該当する人は歯周病になりやすいので注意してください。 疲労やストレスの蓄積は身体の免疫力を低下させます。そして、身体の免疫力が低下すると細菌に感染しやすくなります。細菌に感染しやすくなるということは、歯周病の原因菌にも感染しやすくなるということになります。 噛み合わせが悪いと口呼吸になり、乾燥した空気を直接取り込んでしまいます。このため唾液が蒸発し、細菌が流れにくくなることで歯周病にかかりやすくなります。また、乾燥状態の口の中は嫌気性菌の働きが活発になり、この嫌気性菌も歯周病の原因菌に含まれます。 歯並びが悪いと、凸凹した歯並びによって歯磨きがしづらくなります。歯磨きがしづらいということは歯磨きの精度が落ちることになり、磨き残しも多くなります。また特定の箇所にプラークが溜まるため歯石もできやすく、いずれも歯周病の原因になります。 喫煙は身体に害をもたらしますが、口の中の健康においてもそれは例外ではありません。ニコチンによって身体の免疫機能が狂いますし、プラークも付着しやすくなります。また、タバコを吸うと歯肉の腫れが見た目で確認できないため、歯周病を進行させやすい問題もあります。 歯周病の原因菌の中には、女性ホルモンをエネルギー源とするものがあります。このため女性は男性に比べて歯周病にかかりやすく、特に女性ホルモンの分泌が過剰になりやすい妊娠時などは要注意です。 糖尿病と歯周病の関係は以前から指摘されており、糖尿病の人は歯周病にかかりやすくなります。糖尿病で血糖値が高くなると唾液の分泌量が低下しますが、その影響で白血球の機能まで低下して、歯周病の原因菌が繁殖してしまうのです。 歯磨きで常に全てのプラークの除去することはまず不可能で、磨き残しが確実に発生します。磨き残しプラークはやがて歯石になり、歯石になると歯磨きでは除去できなくなります。定期検診を受けない人は歯石が残ったままになり、歯石の蓄積によって歯周病にかかりやすくなります。 歯周病の原因菌は唾液を介して人から人にうつります。歯周病の症状が直接うつるわけではないですが、原因菌が移動してしまうのです。このため家族全員の歯周病の予防意識が低いと、家族の誰かの歯周病の原因菌がうつってしまいます。 歯周病予防の基本は毎日の歯磨きですが、そもそも歯磨きを欠かす人はまずいないでしょう。しかし、ただ歯を磨いているというだけでは予防できず、予防するためには精度の高い歯磨きが必要です。歯磨きの精度を高めるには、次の方法を実践すると効果的です。 歯科医院の定期検診や予防歯科を受診すると、治療メニューの一つとしてブラッシング指導を受けられます。これは、自分の歯並びに合った正しい歯の磨き方を覚えるためのもので、歯科医が歯ブラシの持ち方から磨き方まで指導するため、歯磨きの精度を高めることができます。 歯ブラシのブラッシングのみの歯磨きでは、一般的にプラークの除去率は約6割とされています。つまり、丁寧に磨いたつもりでも約4割の磨き残しが発生しているのです。デンタルフロスや歯間ブラシを使えば、プラークの除去率を約8割以上まで高められます。 プラークテスターを使えばプラークを染色して目に見える状態にできるため、磨き残しを確実に減らせます。また、連続して使えば磨き残した箇所のパターンの把握もできるため、自分の歯磨きの弱点が分かります。プラークチェッカーとも呼ばれ、インターネットやドラッグストアにて数百円で購入できる手軽さも利点です。 歯周病は静かなる病気と呼ばれており、それは目立った自覚症状がほとんどないからです。例えば虫歯の場合、歯の痛みという分かりやすい自覚症状があり、その自覚症状があるからこそみなさんは虫歯の発症に気づき、そして治療を受けます。 一方、歯周病には目立った自覚症状がなく、そのため歯周病が発症しても気づかない人が多いのです。歯周病の発症に気づかなければ治療を受けようと考えることもないため、その間に歯周病は静かに進行してしまう…それが歯周病の最も怖い部分です。 しかし、そんな歯周病も自覚症状が全くないわけではありません。歯周病にかかると進行度によって次の自覚症状が起こるため、該当する人は歯周病を疑ってみるべきです。 初期の自覚症状です。歯周病にかかると歯肉が炎症を起こすため、歯肉の見た目に変化が起こります。変色してさらに腫れあがり、触って感触も歯肉ならではの張りがなくなっています。 初期の自覚症状です。炎症を起こした歯肉は血液も集まっているため出血しやすくなります。このため、食事の時や歯磨きの時などのささいな刺激によって出血することが多くあります。 初期の自覚症状です。歯周病にかかった時点で、口の中では歯周病の原因菌が繁殖しています。このため口の中がネバつきますし、きつい臭いの口臭もするようになります。 中期の自覚症状です。実際に歯が長くなるわけではないですが、歯周病による歯肉退縮によって歯肉の高さが下がるため、歯の根が露出して歯が長くなったように見えます。 中期の自覚症状です。歯周病の進行によって歯の根が露出している場合に起こる症状です。露出した歯の根はエナメル質が存在しないため、冷たさなどの刺激によって知覚過敏が起こります。 重度の自覚症状です。指で動かすだけで歯が動くため、非常に分かりやすい自覚症状です。このため歯周病の発症を充分自覚できますが、この段階で気づくようでは遅すぎます。 いかがでしたか? 1. 歯周病の原因菌 :食べカスから細菌の塊となるものが多く、そのためプラークの除去が予防の基本 2. 歯周病にかかりやすい人 :次のことに該当する人は歯周病にかかりやすい 3. 歯周病を予防するための歯磨き :歯磨きの精度を高めるためには次のことが効果的 4. 静かなる病気の自覚症状 :歯周病は静かなる病気と呼ばれるが、次の自覚症状がある これらのことから、歯周病の説明について分かります。歯周病は細菌による感染症ですが、生活習慣病とも呼ばれています。つまり、日常生活の中に発症のリスクを高める原因がいくつも潜んでいるのです。 予防のための基本は毎日の歯磨きですが、精度の高い歯磨きを実践しなければ予防効果はないですし、定期的に検診を受けなければ完全に予防するのは難しいでしょう。また、発症時は早期治療が必要となるため、歯周病の自覚症状も知っておくと良いでしょう。歯周病の原因菌
歯周病にかかりやすい人
疲労やストレスが蓄積されている人
噛み合わせが悪い人
歯並びが悪い人
タバコを吸う人
女性
糖尿病の人
定期検診を受けない人
家族全員の歯周病の予防意識が低い人
歯周病を予防するための歯磨き
ブラッシング指導を受ける
デンタルフロスや歯間ブラシを使う
プラークテスターを使う
静かなる病気の自覚症状
歯肉が腫れる、変色する
歯肉から出血する
口臭がする
歯が長くなる
知覚過敏が起こる
歯が動く
まとめ
最後に、歯周病の説明についてまとめます。
・疲労やストレスが蓄積されている人 :身体の免疫力が低下しており、歯周病の原因菌に感染しやすい
・噛み合わせが悪い人 :口呼吸による唾液の分泌量の低下が原因で、歯周病の原因菌が繁殖しやすい
・歯並びが悪い人 :歯並びが悪いと歯磨きの精度が落ちるため、磨き残しが多くなる
・タバコを吸う人 :プラークが付着しやすくなり、ニコチンによって身体の免疫機能が狂わされる
・女性 :歯周病の原因菌の中には女性ホルモンをエネルギー源とするものがある
・糖尿病の人 :血糖値が高くなることで唾液の分泌量が低下して、歯周病の原因菌が繁殖しやすい
・定期検診を受けない人 :自分では歯石の除去ができないため、歯石が蓄積されてしまう
・家族全員の歯周病の予防意識が低い人 :歯周病の原因菌が唾液を介して人から人にうつるため
・ブラッシング指導を受ける :自分の歯並びに合った正しい歯の磨き方が分かる
・デンタルフロスや歯間ブラシを使う :プラークの除去率が約2割以上高まる
・プラークテスターを使う :プラークを染色することで、磨き残しが目で確認できる
・歯肉が腫れる、変色する :歯肉が炎症を起こすことで腫れて変色する。触った感触も張りがなくなる
・歯肉から出血する :炎症を起こした歯肉は出血しやすく、食事や歯磨きのささいな刺激で出血する
・口臭がする :口の中で歯周病菌が繁殖しているため、きつい口臭がするようになる
・歯が長くなる :歯周病の進行によって歯肉退縮が起こると、歯肉の高さが下がって歯が長く見える
・知覚過敏が起こる :歯肉退縮で露出した歯の根にはエナメル質がなく、冷たさなどで知覚過敏が起こる
・歯が動く :明確で分かりやすい自覚症状だが、ここで歯周病の発症に気づくようでは遅すぎる
出っ歯だと噛み合わせも悪いですか? [2019年03月01日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。今回のテーマは「出っ歯の原因と問題点と治療方法」です。噛み合わせが悪いと言ってもその状態は様々で、見た目では判断できないこともあります。 一方、見た目で判断できるのは歯並びが悪い場合で、歯並びが悪く凸凹していれば当然噛み合わせも悪いことが分かります。では出っ歯の場合はどうでしょうか。結論から言うと、出っ歯も噛み合わせが悪いケースの一つです。 そこで、ここでは出っ歯の状態をテーマにした説明をしていきます。 出っ歯だと噛み合わせが悪いことは想像できると思いますが、あくまでそれは出っ歯の部分…つまり突き出した前歯の噛み合わせだけが悪いと考えていませんか? と言うのも、出っ歯の状態だと上の前歯が突き出ているため、下の歯と重なり合うことができません。さらに前にある歯の噛み合わせがずれていることで、その後ろの歯の噛み合わせもずれていきます。そうなると、本来なら力のかからない箇所に力がかかることになり、それが歯へのダメージとなります。 例えば、当たることのないはずの箇所に歯が当たることで、歯が破損してしまうことも考えられます。破損しない場合でも歯は確実に擦り減ってしまい、歯の高さが変わることで噛み合わせが悪くなります。そして噛み合わせが悪くなることで、また別の箇所に負担をかけるサイクルに陥ります。 このように、出っ歯の状態になることで他の歯にも負担を与え、それが繰り返されることで全ての歯の噛み合わせが悪くなってしまいます。つまり、噛み合わせが一か所悪くなるだけで全ての歯の噛み合わせが悪くなってしまうのです。 噛み合わせの悪さにも様々なケースがありますが、出っ歯で噛み合わせが悪いケースにおいてはどのような問題が起こるのでしょうか。 出っ歯の状態だと口呼吸になってしまうため、口の中に乾燥した空気が直接取り込まれます。そうなると唾液が蒸発し、また酸欠状態を好む嫌気性菌の働きが活発になってしまいます。唾液の蒸発によって細菌が流れにくくなると、口の中で細菌が溜まって虫歯になるリスクが高まります。 また嫌気性菌がプラークを分解させる働きをすると口臭の原因となる臭いが発生しますが、この働きが活発になることで口臭がしやすくなってしまいます。 出っ歯だと、その箇所は歯と歯の間に隙間があいている状態です。この状態は見た目に影響するだけでなく、発音時にも大きな支障となります。と言うのも、息を使っての発音がしにくくなるのです。 具体的には「サ行」や「タ行」が発音しづらくなり、特に発音が重要になってくる英会話においては致命的とも言える支障になります。 出っ歯だと前歯が突き出ているため、正面からぶつかった時に真っ先にダメージを受けるのは前歯です。激しくぶつかる時には反射的に口を閉じようとするものですが、出っ歯だと完全には口も閉じられず、前歯がまともにダメージを受けてしまいます。 このため、出っ歯だと前歯が割れやすくなるのです。歯が割れてしまえばその対処が必要なため、また別の治療も必要になってしまいます。 出っ歯だと口呼吸になり、口呼吸だと細菌が取り込まれてもそれを喉に直接送り込んでしまいます。もちろん、鼻呼吸でも細菌を取り込んでしまうことはありますが、ただしそうなっても鼻の粘膜によって細菌が駆除されます。 一方、口呼吸で細菌を直接喉に送り込んでしまうと細菌が生きたまま身体に入ってくるため、すぐに風邪を引いてしまうなど体調を崩しやすくなってしまいます。 出っ歯に限ったことではないですが、噛み合わせの悪さは肩こりや頭痛の原因になります。噛む時には広頸筋や側頭筋を使用しますが、これらの筋肉はそれぞれ首から肩、顎関節から頭の横にかけてつながっています。 噛み合わせが悪いとこれらの噛む筋肉が悪い影響を受けてしまい、さらにその筋肉が肩や頭につながっていることで、慢性的な肩こりや頭痛を引き起こしてしまいます。 出っ歯は上下の顎のバランスが悪い状態であり、顎関節に常に負担がかかっています。このため顎関節症になりやすく、さらに重症化しやすくもなってしまいます。顎関節症になると顎やその周辺の痛み、さらには口が大きく開かないなどの症状が起こります。 また耳鳴り、腰痛、背中の痛み、目の充血など細かい様々な症状が起こるため、症状だけでは顎関節症と判断しづらい点も問題です。 出っ歯になる原因には先天的なものと後天的なもの…つまり生まれつきのものとそうでないものがあり、それぞれ次のことが原因として考えられます。 まず骨格の遺伝によるもので、骨格の状態はある程度遺伝するとされています。傾向として上顎が大きい場合はその可能性が高くなっています。また、歯の大きさや形も遺伝するため、その遺伝によって出っ歯になることもあります。 例えば、歯が骨の大きさに比べて大きすぎると綺麗に歯が並ばなくなり、大きすぎる分だけ歯が前に出てしまう…つまり出っ歯になってしまいます。最も、先天的な原因で出っ歯になったとしても、早い段階の小児矯正によって対処することも可能です。 最も多いのは子供の頃の癖によるもので、指しゃぶり、爪を噛む、舌で歯を押すなどの癖が該当します。実際、小さな子供の指しゃぶりはある程度大きくなると止めさせる必要があると言われていますが、それは噛み合わせが悪く出っ歯になってしまうことも理由の一つです。 また、頬杖など大人でもする癖で出っ歯になることもあります。他の原因としては、下顎の成長が不充分になりやすい口呼吸や、親知らずによって前歯が押し出されて出っ歯になることもあります。 出っ歯の治療方法は基本的に矯正治療で対処しますが、年齢や状態によって具体的な方法が異なります。どの時期からでも対処できますが、治療方法や症例を考えると早い時期に対処した方が良いでしょう。 年齢的にまだ乳歯だけの状態ですが、この時期に指しゃぶりなどの癖があると出っ歯になる、そうでなくても骨格に影響を与えて歯並びが悪くなるため、こうした癖をなおすことが最優先になります。症状の治療と言うよりは、症状の原因の解消を優先する時期とも言えます。 年齢的に乳歯と永久歯が混ざって生えている状態です。この時期に矯正すれば顎の成長を正常に促しながらの治療が可能なため、永久歯が正常な位置に生えるように誘導もできます。矯正装置も簡単なもので対応できます。 年齢的に永久歯が生えそろった状態です。この時期の矯正は本格的なものになり、状態によっては抜歯も必要です。一方、簡単な症例ならマウスピース矯正でも対応できます。 <補足> いかがでしたか? 1. 出っ歯と噛み合わせ :出っ歯は前歯だけでなく、最終的に全ての噛み合わせが悪くなる 2. 出っ歯による噛み合わせの悪さが引き起こす問題 :出っ歯だと次の問題が起こる 3. 出っ歯になる原因 :大きく分けて、先天的な原因と後天的な原因がある 4. 出っ歯の治療方法 :主に矯正治療で対処するが、年齢や状態によって治療方法に次の違いがある これらのことから、出っ歯の原因と問題点と治療方法について分かります。出っ歯と聞くと、多くの人が真っ先に連想するのは見た目の悪さだと思います。確かに、出っ歯は審美面においてマイナス影響をもたらしますが、それは健康面においても言えることです。 出っ歯になると口の中が乾燥して虫歯や口臭が起こりやすくなりますし、慢性的な肩こりや頭痛、さらには顎の痛みを引き起こす顎関節症になるリスクまで高まります。出っ歯は遺伝的なものであっても個性と捉えず、健康のためには矯正治療で改善すべき必要があります。出っ歯と噛み合わせ
実はそうではなく、結果的に全ての歯の噛み合わせが悪くなってしまいます。出っ歯による噛み合わせの悪さが引き起こす問題
口の中が乾燥状態になる
発音がしづらくなる
歯が割れやすくなる
体調を崩しやすくなる
肩こりや頭痛が起こる
顎関節症になりやすい
出っ歯になる原因
先天的な原因
後天的な原因
出っ歯の治療方法
5歳以下の場合
6歳以上~12歳未満の場合
12歳以上の場合
6歳以上~12歳未満の時期に矯正を開始すれば、12歳以上の矯正においてもプラス効果をもたらします。最初の矯正(第一期治療)の結果次第で12歳以上の本格的な矯正(第二期治療)をする必要がなくなりますし、例え本格的な矯正が必要になったとしても、比較的軽度の状態で開始できます。まとめ
最後に、出っ歯の原因と問題点と治療方法についてまとめます。
・口の中が乾燥状態になる :嫌気性菌の働きが活発になり口臭がしやすく、さらに虫歯にもなりやすい
・発音がしづらくなる :「サ行」と「タ行」の発音に影響し、発音が重要な英会話においては致命傷にもなる
・歯が割れやすくなる :前歯が突き出ているため、正面の衝撃に対して前歯が真っ先にダメージを受ける
・体調を崩しやすくなる :口呼吸によって細菌をそのまま喉に送り込んでしまうため
・肩こりや頭痛が起こる :噛み合わせの悪さによって広頸筋や側頭筋が悪い影響を受けるため
・顎関節症になりやすい :上下の顎のバランスの悪さから、顎関節症に常に負担をかけているため
・先天的な原因 :骨格や歯の大きさや形の遺伝によって出っ歯になることがある
・後天的な原因 :主に癖。指しゃぶりや爪噛みや舌癖など、子供の時に行う癖に原因が多い
・5歳以下の場合 :症状の治療よりも、指しゃぶりなど出っ歯になる原因となる癖の改善が最優先
・6歳以上~12歳未満の場合 :顎の成長を正常に促しながらの矯正。矯正装置は簡単なもので対応できる
・12歳以上の場合 :本格的な矯正。状態次第で抜歯も必要だが、マウスピース矯正で対応できることもある
・補足 :6歳以上~12歳未満の時期に矯正することで、12歳以上の本格的な矯正が楽になる
舌が白いのと口臭は関係がある? [2019年02月14日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。今回のテーマは「口臭の原因について」です。口臭がするからには必ず原因があり、最も分かりやすいのは食材によって起こる口臭ですね。 例えば、ニンニクを使用した料理を食べれば、いくら歯が健康な人でも口臭がするでしょう。最も、このような口臭は一時的なものですから歯磨きで解消できますし、それほど深刻な問題ではありません。問題となるのは原因の分からない口臭の場合です。 さて、口臭を自覚する人は口の中を鏡で確認すると思いますが、その時に舌が白くなっている人がいます。この舌の白さと口臭、これらは関係あるのでしょうか。この説明を含め、今回は口臭の原因について説明していきます。 舌が白くなっている部分を舌苔(ぜったい)と呼びます。舌の表面には角質がありますが、この角質が伸びて硬くなるとその隙間に細菌が溜まります。この状態になると白い苔が生えているような状態になり、それが舌の苔…つまり舌苔の名前の由来です。 つまり、舌苔があることはそこに細菌が溜まっていることを意味しますが、舌苔そのものは治療する必要はありません。ただし舌苔が原因で口臭がすることがあり、その場合は口臭を解消するための対処をしなければなりません。 舌苔ができる原因は様々で、中には原因不明なケースもあります。考えられる原因としては、次のことが挙げられます。 ・細菌 ・食べカス ・口呼吸 ・唾液の分泌量の低下 ・舌の運動機能が悪い …他にも舌の位置や抗生物質が原因で舌苔ができることもあり、その原因は様々です。 舌苔を除去するには舌磨きをすることです。歯に付着した汚れを歯磨きで除去するのと同じで、舌に付着した汚れは舌磨きで除去できます。ただし、舌磨きをする時には次の注意点を守って正しい舌磨きの仕方を実践してください。 注意点1. 磨く時には舌ブラシを使用する 注意点2. 頻度は1日1回 注意点3. 磨き方は「奥から手前へ」 注意点4. 舌を出して磨く 注意点5. 一度の舌磨きで綺麗にしようと考えない 注意点6. 舌が傷ついている時は舌磨きをしない …口臭の解消、もしくは予防のために舌苔は除去したくなりますが、無理やり除去すると舌を傷つけてしまいますし、嫌気性菌が活発になって逆効果になることもあります。確かに舌磨きは大切ですが、舌苔を取るだけを考えて磨きすぎないように注意してください。 舌苔を除去する以外にも口臭の予防方法はあります。言い換えれば、舌苔を除去したからと言って口臭を予防できるとは限らず、次の方法も口臭予防に効果的です。 唾液の分泌量を高めれば細菌を流す効果が高まり、口臭を予防しやすくなります。また、唾液の分泌量の低下が原因による舌苔の発生も防げます。この場合の問題となるのはその方法…つまり唾液の分泌量を高める方法で、具体的には次の方法があります。 ・食事の時によく噛む ・適度に水分を補給する ・リラックスする ・カフェインの過剰な摂取を控える 虫歯も歯周病も口臭の原因であり、特に歯周病による口臭は臭いもきつくなります。このため、虫歯や歯周病を予防して歯を健康に保つことでも口臭は予防できます。虫歯や歯周病を予防するには、次の3つの方法を実践してください。 ・歯磨きの精度を高める ・生活習慣を改善する ・定期検診を受ける 口臭は口の中だけの問題ではなく、身体の健康にも関わる問題です。腸内環境の悪化が原因で口臭がするケースもありますし、胃や内臓の不調が原因で口臭がするケースもあります。 このため、口の中だけでなく身体そのものの健康を意識することが大切で、全身を健康にすることで口臭の原因も必然的に解消されていきます。逆に言えば、口臭がすることは何らかの病気のサインである可能性もあります。 いかがでしたか? 1. 舌苔 :舌が白くなっている部分で、細菌が溜まっている状態。舌苔が原因で口臭することがある 3. 舌苔を除去する方法 :舌磨きで除去できるが、舌磨きをする時には次の注意点を守ること 4. 舌苔の除去以外の口臭の予防方法 :舌苔の除去で口臭が完全に予防できるわけではない これらのことから、口臭の原因について分かります。確かに舌苔は口臭の原因になりますが、除去を意識しすぎるのも禁物です。舌磨きでゴシゴシと磨けば、その頻度や磨く強さによっては逆に舌を傷ついてしまう行為になるからです。 溜まった舌苔は一度の舌磨きでは綺麗に除去できないため、まずは正しい舌磨きの仕方を覚えることと、それを継続することを大切に考えましょう。また唾液の分泌量を高めるなど、舌苔の除去以外の口臭の予防方法も知っておくと良いでしょう。舌苔
舌苔の原因
口の中には常に細菌が存在しているため、その細菌が舌の溝に溜まることで舌苔ができます。「舌苔=白い」のイメージですが、蓄積した細菌によっては黄や黒などの色になることもあります。
食事の時の食べカスが舌の細胞の間に残ったままになると、それが原因で舌苔ができることがあります。舌が低い位置にある人や舌の動きが悪い人だと、舌に食べカスが残りやすく舌苔ができやすくなります。
口呼吸をすると乾燥した空気を口の中に取り込むため、口の中の環境が乾燥状態になります。乾燥した環境では細菌が流れにくく、そのため細菌が溜まって舌苔ができやすくなります。
唾液は細菌を流す役割を担っているため、その唾液の分泌量が低下すれば細菌が残ってしまいます。唾液の分泌量の低下は舌苔ができやすくなるだけでなく、虫歯や歯周病になるリスクまで高めます。
舌に細菌が付着しても、舌の運動機能が充分なら付着した細菌が溜まることはありません。しかし、舌の運動機能が悪ければ細菌がどんどん溜まっていき、その汚れによってやがて舌苔ができます。舌苔を除去する方法
舌を磨く時には専用の舌ブラシを使用しましょう。歯ブラシで磨く方法もありますが、ブラシの部分が固いタイプだと舌を傷つけてしまいます。
何度も舌を磨くと摩擦で舌を傷つけてしまうため、舌磨きの頻度は1日1回で充分です。タイミングとしては、最も舌苔ができやすい起床時…つまり朝の歯磨き時がおすすめです。
往復させる磨き方は舌を傷つけてしまいますし、手前から奥へ磨くと舌苔の原因となっている細菌が喉に送り込まれてしまいます。
ただ口を開いただけの状態で舌磨きをすると、嘔吐反射が起こってしまいます。このため、舌磨きをする時にはしっかりと舌を前に出した状態で磨いてください。
例えば今回の説明を聞いて、早速今日から舌磨きをする人もいると思いますが、長い期間できている舌苔は一度の舌磨きでは綺麗にならず、磨きすぎると舌を傷つけてしまいます。
舌磨きで最もやってはいけないのは、舌を傷つけてしまうことです。ですから舌が傷ついて状態であれば、舌磨きは傷が完全に癒えてからにしてください。舌苔の除去以外の口臭の予防方法
唾液の分泌量を高める
唾液は噛めば噛むほど多く出るため、食事の時はよく噛むようにしましょう。
水分補給を意識することで、身体の水分の不足による唾液の分泌量の低下を防げます。
リラックスして副交感神経が優位になれば、緊張状態が解消されて口の中が乾燥しづらくなります。
カフェインには利尿作用があり、過剰な摂取によって身体の水分が不足して唾液の分泌が抑制されます。虫歯や歯周病を予防する
ブラッシングだけの歯磨きだと、約4割のプラークを磨き残してしまいます。デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、プラークの除去率の高い歯磨きをしましょう。
糖の摂取は虫歯になるリスクを高め、身体の免疫力低下は歯周病に感染するリスクを高めます。食生活を含めた生活習慣を改善し、虫歯や歯周病になりにくい身体作りをしましょう。
定期検診では、歯のクリーニングなど虫歯や歯周病を予防するための治療を受けられます。また、虫歯や歯周病になっても早期発見できるため、これらの重症化も防げます。身体の健康を意識する
まとめ
最後に、口臭の原因についてまとめます。
2. 舌苔の原因 :舌苔ができる原因は様々。原因不明のケースもあるが、次ことが原因として考えられる
・細菌 :口の中の細菌が舌の溝に溜まり、蓄積することで舌苔になる
・食べカス :食べカスが舌の細胞の間に残り、それが溜まると舌苔になる(舌の動きが悪いとできやすい)
・口呼吸 :乾燥した空気を口の中に取り込むため口の中が乾燥状態になり、細菌が溜まって舌苔ができる
・唾液の分泌量の低下 :細菌が流れにくくなるため、口の中に細菌が溜まって舌苔ができる
・舌の運動機能が悪い :舌に付着した細菌が溜まり、その汚れが原因で舌苔ができる
・磨く時は舌ブラシを使用する :歯ブラシだと、ブラシの固さによっては舌を傷つけてしまう
・頻度は1日1回 :何度も磨くと舌を傷つけてしまう。舌苔が最も溜まりやすい朝の歯磨き時がおすすめ
・磨き方は「奥から手前へ」 :手前から奥に磨くと、舌苔の原因となっていた細菌を喉に送り込んでしまう
・舌を出して磨く :口を開けただけの状態で磨くと嘔吐反射が起こり、舌磨きが苦しくなってしまう
・一度の舌磨きで綺麗にしようと考えない :溜まった舌苔は一度の舌磨きだけでは除去できない
・舌が傷ついている時は舌磨きをしない :舌が傷ついている時の舌磨きは控え、傷が癒えてから磨く
・唾液の分泌量を高める :細菌を流す効果が高まって口臭を予防しやすくなり、舌苔も発生も防げる
(唾液の分泌量を高めるには、よく噛む、適度に水分を補給する、リラックスするなどが効果的)
・虫歯や歯周病を予防する :虫歯や歯周病が原因による口臭を予防できる
(虫歯や歯周病を予防するには、精度の高い歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診が効果的)
・身体の健康を意識する
(腸内環境の悪化、胃や内臓の不調が原因による口臭もあり、身体を健康にすることは口臭予防にもなる)
歯が痛い時は虫歯か歯周病かどちらでしょうか?それぞれの違いは何ですか? [2019年02月01日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。今回のテーマは「歯の痛みの原因と虫歯と歯周病の違い」です。歯が痛い時、その原因として考えられるのは虫歯か歯周病です。 ただしこれは可能性の話であり、実際には他の原因で痛んでいるのかもしれません。また、虫歯か歯周病のどちらかだとしてもこれらの病気は全くの別物であり、そのため治療方法も異なります。そこで、ここでは歯の痛みをテーマにして、虫歯と歯周病の違いについても説明していきます。 歯が痛い時、その原因として次のことが考えられます。また、なぜその原因によって痛みを感じるのかについても説明します。 虫歯になると歯に穴が空き、その穴が象牙質に到達すると象牙質が直接刺激を受けるようになります。象牙質は歯の表面のエナメル質と違って刺激に敏感ですから、温度や衝撃によって痛みを感じます。また、虫歯が神経まで進行した場合は神経が炎症を起こるため、ズキズキと激しい痛みを感じます。 歯周病は静かなる病気と呼ばれており、それは目立った自覚症状がないからです。ですから痛みを感じないイメージですが、進行すると痛みを感じることがあります。歯根の露出による知覚過敏、歯が不安定になることで噛み合わせた時の痛みなどがあります。 知覚過敏とは、冷たいものを飲食した時などに一瞬歯がしみる、もしくは痛む症状です。これは歯の表面のエナメル質が破損して象牙質が露出することで起こる問題ですが、エナメル質が破損した原因はいくつか考えられ、例えば虫歯や歯周病のケースもあります。 噛み合わせが悪いと、噛み合わせた時に特定の歯に過剰な力がかかります。これが歯への負担となって痛みを引き起こすことがあります。歯科治療の後に痛みを感じた場合、詰め物や被せ物の高さが合わないことで噛み合わせが悪くなっている可能性があります。 歯にヒビが入る、もしくは割れてしまうと痛みを感じるようになります。最も、歯の破損が原因であれば自覚できると思うかもしれませんが、細かいヒビなどの場合はレントゲンで確認しないと分かりづらく、見た目で判断できないことがあります。 歯が痛むと言っても痛み方は様々であり、痛み方から原因の推測も可能です。ただしあくまで推測ですから、正確な原因特定の治療のために必ず歯科医院に行ってください。 ・可能性 :虫歯、歯周病、知覚過敏 冷たいものを飲食すると痛むのは知覚過敏の症状ですが、知覚過敏の原因が虫歯や歯周病の可能性もあるため、これらの病気も否定できません。虫歯の場合は象牙質まで進行しており、歯周病の場合は進行して歯肉退縮が起こっています。 ・可能性 :虫歯(特に二次虫歯)、歯周病、噛み合わせが悪い 噛んだ時に詰め物や被せ物が痛むのであれば、その下で二次虫歯が起こっている可能性があります。また、歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされて歯が不安定な状態になるため、この場合も噛んだ時に痛みを感じます。また、病気ではなく噛み合わせの悪さが原因の可能性もあります。 ・可能性 :虫歯 常にズキズキと痛む場合、原因は虫歯でさらにその虫歯が神経まで進行している可能性が高いでしょう。虫歯が神経まで進行すると神経が炎症を起こし、痛みどころか激痛を感じるようになります。この時の痛みは夜も眠れないほどで、痛み止めを飲んでも痛みが解消されないほどの辛さです。 虫歯と歯周病は全く別の病気です。症状、治療方法ともに異なり、それぞれの違いを分かりやすく解説します。 虫歯は細菌による感染症で、虫歯の原因菌の出す酸に歯が溶かされる病気です。進行すると虫歯の穴が深くなり、象牙質まで到達すると痛みを感じるようになります。象牙質、歯の神経とどんどん奥に進行していき、最終的には歯がボロボロに溶かされてしまいます。 虫歯の原因菌に感染することで起こる病気ですが、虫歯の原因菌はプラークに含まれており、プラークとは歯の表面に付着している細菌の棲み処です。糖を摂取すると虫歯の原因菌は多くの酸を出し、甘いものを食べると虫歯になりやすいのはそのためです。 初期段階なら削らずにプラークコントロールで治すことも可能です。進行した場合は患部を削って詰め物で処置するのが基本ですが、虫歯の進行度によっては削る範囲が広くなる、歯の神経の除去が必要になることがあります。 基本は毎日の歯磨きですが、精度を高めるためにデンタルフロスも使用しましょう。また、糖の摂取やダラダラ食いを控えるなどの食生活の改善、定期的な検診を受けてブラッシング指導や歯のクリーニングをするなども欠かせません。 あまり知られていないですが、虫歯には次の特徴があります。 ・歯が痛くなくても虫歯になっていることがある ・虫歯が原因で脳梗塞や心筋梗塞が起こることがある ・虫歯は再発することがある 虫歯については上記で説明したとおりです。次に歯周病の特徴を説明するので、虫歯の特徴と比較すると違いが分かります。 歯周病は「歯の周りの病気」の文字から連想できるとおり、歯の骨の病気です。初期段階で歯肉に炎症が起こり、進行することで歯周病の原因菌が歯を支える骨を溶かしてしまいます。歯周病になると歯が抜けるというのは、このように歯を支える骨が溶かされてしまうためです。 虫歯同様に細菌による感染で、その細菌がプラークに含まれている点も同じです。しかし原因菌の種類は異なり、歯周病の原因菌と虫歯の原因菌は全く違います。喫煙している人や身体の免疫力が低下している人は、歯周病に感染するリスクが高くなります。 歯周病治療の基本は、歯石の除去とプラークコントロールです。歯周ポケットの歯石を除去する場合はスケーラーと呼ばれる専用の医療器具を使用しますが、歯周病が進行して歯周ポケットが深くなっている場合、状態によっては歯肉の切開が必要です。 予防方法については、虫歯も歯周病も同じです。デンタルフロスを使用した精密な歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診、これら3つをしっかりと実践すれば大抵の歯周病は予防できるでしょう。また歯周病は唾液を介して人から人にうつるため、自分だけでなく家族全員で予防意識を高めましょう。 あまり知られていないですが、歯周病には次の特徴があります。 ・女性の方が歯周病になりやすい ・歯周病は生活習慣病である ・妊娠中の女性の歯周病は危険 いかがでしたか? 1. 歯が痛い時に考えられる原因 :「歯が痛い」だけでは原因は特定できない。次のいずれかが考えられる 2. 歯の痛みから原因を診断 :あくまで推測になるため、正確に原因特定するために必ず歯科医院に行く 3. 虫歯と歯周病の違い・虫歯について :虫歯の特徴は次のようにまとめられる 4. 虫歯と歯周病の違い・歯周病について :歯周病の特徴は次のようにまとめられる これらのことから、歯の痛みの原因と虫歯と歯周病の違いについて分かります。虫歯と歯周病を比較した場合、「どちらが怖い病気なのか?」をテーマにする人が多く、多くの人はそれに対して「虫歯の方が怖い」と回答します。 おそらくそれは自覚症状の差で、虫歯は辛い痛みを感じるからでしょう。しかし実際にはどちらも怖い病気で、歯周病は目立った自覚症状がないからこそ進行もしやすく、そのため歯を失う原因で最も多いのは歯周病です。歯が痛い時に考えられる原因
虫歯
歯周病
知覚過敏
噛み合わせが悪い
歯の破損
歯の痛みから原因を診断
冷たいものを飲食すると痛む
噛むと痛む
常にズキズキと痛む
虫歯と歯周病の違い・虫歯について
虫歯の説明
虫歯の原因
虫歯の治療方法
虫歯の予防方法
虫歯の意外な事実
完全に初期の虫歯、神経を除去した歯の二次虫歯には痛みがありません。
虫歯を放置し続けると虫歯の原因菌が血液に入り込み、脳や心臓に回ることで脳梗塞や心筋梗塞を招きます。
虫歯治療して詰め物や被せ物で処置した歯でも、再度虫歯になる虫歯と歯周病の違い・歯周病について
歯周病の説明
歯周病の原因
歯周病の治療方法
歯周病の予防方法
歯周病の意外な事実
歯周病の原因菌の中には女性ホルモンをエネルギーとするものがあり、女性の方が歯周病になりやすいです。
歯周病は生活習慣病です。このため、日常生活の中にも歯周病発症の要因が潜んでいます。
妊娠中の女性が歯周病になると、早産や低体重児を出産するリスクが数倍も高くなります。まとめ
最後に、歯の痛みの原因と虫歯と歯周病の違いについてまとめます。
・虫歯 :虫歯が象牙質まで進行すると痛みを感じ、神経まで進行すると激痛を感じる
・歯周病 :歯肉退縮で歯根が露出すると知覚過敏が起き、歯が不安定になると噛み合わせた時に痛む
・知覚過敏 :エナメル質が破損していると起こるが、その原因が虫歯や歯周病の可能性もある
・噛み合わせが悪い :噛み合わせた時に歯に負担を与え、その負担がダメージとなって痛む
・歯の破損 :歯にヒビが入る、割れているケース。細かいヒビはレントゲンで確認しないと分からない
・冷たいものを飲食すると痛む :可能性として、虫歯、歯周病、知覚過敏が考えられる
・噛むと痛む :可能性として、虫歯(特に二次虫歯)、歯周病、噛み合わせの悪さが考えられる
・常にズキズキと痛む :可能性として虫歯が考えられ、さらにその虫歯は神経まで進行している
・虫歯の説明 :虫歯の原因菌の出す酸で歯が溶かされる。治療しないと歯の奥に進行していく
・虫歯の原因 :プラークに含まれる虫歯の原因菌の感染。虫歯の原因菌は糖をエネルギーとする
・虫歯の治療方法 :基本は患部を削って詰め物で処置することだが、神経の除去が必要なこともある
・虫歯の予防方法 :精度の高い歯磨き、食生活の改善、定期検診の受診
・虫歯の意外な事実 :歯が痛くなくても虫歯になっていることがあるなど
・歯周病の説明 :歯の骨の病気。進行すると歯を支える骨が溶かされ、歯が抜け落ちてしまう
・歯周病の原因 :プラークに含まれる歯周病の原因菌の感染。虫歯の原因菌とは種類が異なる
・歯周病の治療方法 :基本はプラークコントロールと歯石の除去。歯肉の切開が必要なこともある
・歯周病の予防方法 :虫歯と同じ。精度の高い歯磨き、生活習慣の改善、定期検診の受診
・歯周病の意外な事実 :女性の方が歯周病になりやすい、歯周病は生活習慣病であるなど
頭痛と噛み合わせはどう関係しているのですか? [2019年01月15日]
いつもお世話になっております。門前仲町の歯医者、良修会 原澤歯科です。 今回のテーマは「噛み合わせの悪さの問題」です。 社会人の方にとって、頭痛はたびたび起こる体調不良の一つではないでしょうか? 頭痛薬では頭痛の原因の解消まではできないため、いくら痛みが治まってもいずれ頭痛はまた起こり、それが「慢性的な頭痛」という状態をもたらします。 そんな頭痛の原因として一つ考えられるのが、噛み合わせの悪さです。 正常な噛み合わせは、まず歯並びが正常でなければなりません。上下と左右の歯で均等に噛め、筋肉や顎関節に負担のかからない噛み合わせが正常です。 ただ、現状噛み合わせが正常な人がその後もずっと噛み合わせが正常とは限りません。 筋肉が弱まる、歯が擦り減るなどで噛み合わせは変化しますし、顎関節の変化や年齢が原因による噛み合わせの変化も起こります。 特に子供は年齢的に成長期となるため、顎の成長の仕方などによって噛み合わせは大きく変わります。 噛み合わせが悪いとどんな問題があるのか?…多くの人は噛むことについての問題を連想するでしょう。 確かに噛み合わせが悪ければ正常に噛むことはできませんが、それだけでなく口の中全体、さらには全身にも多くの悪影響をもたらします。 また、頭痛は噛み合わせの悪さが原因で起こることもあります。 と言いますのも、噛む時には噛む筋肉を使用しますが、噛み合わせが悪いことでその筋肉が悪影響を受けるからです。例えば、側頭筋が悪影響を受けることで頭痛、広頸筋が悪影響を受けることで肩こりが起こります。 側頭筋は顎関節から頭の横にかけてつながっており、広頸筋は首から肩にかけてつながっています。顎関節や首は、位置から考えても噛み合わせの影響を受けやすい部位です。 それぞれの筋肉が頭の横や肩にかけてつながっているため、頭痛や肩こりの原因になります。 また、噛み合わせが悪いと虫歯や歯周病の発症のリスクが高まります。 と言いますのも、噛み合わせが悪いということは歯並びも悪いということにもなります。そうなると歯並びが凸凹していて歯磨きがしづらく、磨き残しが増えてプラークが蓄積しやくすなります。 また、プラークは歯と歯が当たることでも自然に剥がれますが、噛み合わせが悪ければ当たらなくなる箇所も出るため、自然なプラークの剥がれが見込みにくくなります。 そのためプラークが付着した状態が続き、虫歯や歯周病が発症しやすくなる原因になります。 噛み合わせが悪いと顎関節症が起こりやすくなり、さらに重症化もしやすくなります。 ちなみに、顎関節症とは顎関節の慢性的な疾患です。 顎関節やその周辺が痛む、口が開けにくくなる、耳が痛むなど様々な症状が起こります。また顎を動かすたびに「ミシミシ」と音がするため、それがストレスにもなってしまいます。 噛み合わせが悪いと、まず口元の見た目が悪くなる可能性があります。 さらに噛み合わせの悪さによって顎が歪んだり、顎の歪みによって顔の輪郭が歪みがちになります。このため、噛み合わせが悪いことで結果的に顔全体の見た目に悪影響が出てきかねません。 また、顔に限らず全身の見た目にも影響することがあります。 噛み合わせが悪いと身体のバランスが崩れますから、自然に姿勢も悪くなってしまうのです。 つまり、噛み合わせの悪さは健康面だけでなく、その人の審美面にも悪影響をもたらしかねません。 そもそも噛み合わせは何が原因で悪くなるのでしょうか?…それは次のことが考えられます。 ・歯並びが悪い ・歯科治療 ・癖 ・失った歯をそのままにしている ・歯ぎしり ・遺伝 噛み合わせの治療方法は、その原因によって全く異なります。 例えば虫歯や歯周病の治療の場合、進行度で異なる部分はあるものの、基本となる治療内容は同じです。 しかし噛み合わせの悪さについては原因が様々なため、それぞれの原因に対処した治療を行います。 ・歯並びの悪さが原因の場合 とは言え、矯正治療は気軽で行う治療ではないため、治療するかしないかは歯科医としっかり相談して決めて下さい。 また矯正治療にもいくつか方法があり、例えば、矯正装置が目立たないマウスピース矯正なども当院では人気の治療法です。 ・歯の高さが原因の場合 高すぎる場合は削って低くすることで調整できますが、低すぎる場合は少々時間がかかります。 天然の歯が低い場合は削って被せ物を立てる、被せ物が低い場合は被せ物を再製作しなければなりません。 ・癖が原因の場合 例えば、日常の癖が原因で歯並びが悪くなった場合、矯正治療を行えば歯並びも噛み合わせも改善できます。 しかし癖が続けばいずれ同じ問題が起こるため、この場合は矯正治療と同時に癖の改善も必要です。 噛み合わせの状態を正確に知るには、歯科医院で診察を受けることです。 しかし、ある程度自分でも診断したいと思う方のために、簡単な自己診断の方法をお伝えします。 ・上下の前歯の中心が一致していれば正常 ・噛み合わせた時、上の歯が下の歯より約2ミリ外側に並んでいれば正常 ・上下の前歯の噛み合わせた時、前歯の噛み合わせが約2ミリの深さなら正常 ・横から見て、自然な状態にした時にきちんと口が閉じていれば正常 ・左右の目から唇の両端の距離、微笑んだ時の唇の両端の高さ、これらがそれぞれ同じなら正常 また、歯並びが悪ければその時点で噛み合わせが悪く、例え歯が綺麗に並んでいても重なって生えている場合は歯並びが悪いことになります。 いかがでしたか? 1. 正常な噛み合わせとは :上下と左右の歯で均等に噛め、筋肉や顎関節に負担がかかっていない状態 2. 噛み合わせの悪さは全身に悪影響をもたらす :以下のような悪影響をもたらす ・慢性的な頭痛や肩こり :噛む筋肉である側頭筋と広頸筋は、頭や肩にかけてつながっているため ・虫歯や歯周病の発症 :噛み合わせと同時に歯並びが悪ければ、歯磨きがしづらくなるため ・顎関節症が起こりやすい :顎関節症が起こるリスクが高まり、さらに重症化もしやすい ・顔全体の見た目が悪くなる :噛み合わせが悪いと顎が歪み、顎が歪むことで顔の輪郭が歪むため 3. 噛み合わせが悪くなる原因 :以下のことが原因で噛み合わせが悪くなる ・歯並びが悪い :歯並びが悪ければ高さも凸凹しているため、噛み合わせも悪くなる ・歯科治療 :詰め物や被せ物の高さが合っていないと噛み合わせが悪くなる ・癖 :特に子供の癖に多く、頬杖や舌癖は噛み合わせや歯並びが悪くなる原因となる ・失った歯をそのままにしている :歯を失った箇所にスペースが発生するため、隣接する歯が動く ・歯ぎしり :癖の一種だが、無意識に行う点で厄介。改善のためマウスピースを装着することもある ・遺伝 :歯並びにおいても噛み合わせにおいても、遺伝的要素が含まれる 4. 噛み合わせの治療方法 :原因によって治療方法は全く異なり、例えば以下のパターンがある ・歯並びの悪さが原因の場合 :矯正治療。費用が高いため歯科医と相談して決めるべき ・歯の高さが原因の場合 :高すぎる場合は削って対処、低すぎる場合は被せ物を立てて対処 ・癖が原因の場合 :噛み合わせの治療とあわせて癖の改善が必須。癖が改善されないと症状が再発する 5. 噛み合わせの状態を知るための自己診断 :上下の前歯の中心、噛み合わせた時の深さなどから診断 これらのことから、噛み合わせの悪さの問題について分かります。 「口の中の問題=口の中に症状をもたらす」のイメージがあるかもしれませんが、噛み合わせの問題は口の中だけの問題に留まらず、全身の健康に多くの悪い症状をもたらします。 噛む時に使用する筋肉の関係で頭痛や肩こり、さらに歯並びも悪ければ虫歯や歯周病の発症のリスク向上、また顎関節に負担をかけているため顎関節症になるリスクも高まります。 つまり、噛み合わせの改善は噛む行為に限らず全身を健康にすることにもつながるのです。正常な噛み合わせとは?_
噛み合わせの悪さは全身に悪影響をもたらす!
慢性的な頭痛や肩こり
虫歯や歯周病の発症
顎関節症が起こりやすい
顔全体の見た目が悪くなる
噛み合わせが悪くなる原因
噛み合わせが悪い原因として最も典型的なものです。歯並びが悪ければ噛み合わせは悪くなりますし、この場合は自身でも自覚できるでしょう。
虫歯治療で詰め物や被せ物の処置をした場合、これらの高さが合っていないと噛み合わせが悪くなります。高すぎる場合は削って簡単に対処できますが、低すぎる場合は再製作しなければなりません。
特に、子供の癖は噛み合わせが悪くなる原因になるものが多いです。頬杖は顎関節に負担を掛けて噛み合わせが悪くなりますし、舌癖は歯並びと噛み合わせが悪くなります。
歯を失うとそこにスペースが発生するため、隣接する歯が移動してしまいます。そうすると歯が本来の位置ではなくなるため、噛み合わせが悪くなります。
これも癖の一種ですが、頬杖などと異なるのは、歯ぎしりは睡眠中の無意識な癖だという点です。このため改善が難しく、専用のマウスピースの装着などによって対処します。
歯並びにも同じことが言えますが、噛み合わせには遺伝的な要素も含まれます。親の噛み合わせが悪いことで子供もまた噛み合わせが悪くなるケースがあります。噛み合わせの治療方法
歯並びの悪さが原因の場合は、矯正治療を行うことで噛み合わせの改善が可能です。
天然の歯であれ人工物であれ、高さが原因の場合は削って噛み合わせを調整します。
日常の癖が原因で噛み合わせが悪くなった場合、噛み合わせ治療と同時に癖も改善しなければなりません。噛み合わせの状態を知るための自己診断
…あくまで簡単な自己診断ですから、自分の噛み合わせの状態を知る目安として参考にしてください。まとめ
最後に、噛み合わせの悪さの問題についてまとめます。
原因が分からず、歯がグラグラしていて抜けそうなのですが歯周病ですか? [2019年01月01日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。 例えば、歯をぶつけた場合に衝撃の強さによっては歯がグラつくことがありますが、突然歯がグラつくようになったのであれば、その可能性は低いでしょう。と言うのも、ぶつけた場合は本人もそれを自覚できるからです。 原因不明で歯がグラつくとすれば、原因として最も可能性が高いのは歯周病でしょう。歯周病は「静かなる病気」と呼ばれるほど自覚症状が少なく、そのためいつの間にか発症していつの間にか進行するケースが少なくありません。 歯周病とは炎症性疾患で、歯肉の炎症や歯槽骨の破壊などが起こる病気です。歯槽骨は歯を支えているため、その歯槽骨が破壊されることは歯が支えを失うことを意味します。ですから最終的に歯が抜け落ちてしまい、それが歯周病で歯を失う理由でもあります。 歯周病が発症する流れを分かりやすく解説すると、歯と歯肉の境目には僅かな深さの溝があります。口の中の清掃が不充分だと、この溝に細菌が停滞するため、その影響で歯肉は炎症を起こします。そして、症状が進行することで歯と歯肉の境目の溝が深くなっていきます。 歯周病によって深くなったこの溝を歯周ポケットと呼び、歯周ポケットに溜まった細菌…つまり歯周病菌はやがて歯の骨である歯槽骨を溶かします。そうなると歯は支えを失うため不安定になり、グラついて抜け落ちてしまうのです。 歯肉に炎症が起こるのは初期の歯周病の症状ですが、症状だけ聞くと歯肉炎を想像するでしょう。では歯肉炎と歯周病はどう違うのか?…実はこれらは呼び方が違うだけです。歯周病は、進行度に応じて初期段階と中期段階と重度段階の3段階に分けられています。 そして以前は歯周病と呼ばず、それぞれの段階ごとで病名が設定されていたのです。その病名とは歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏であり、現在ではそれら全てをひっくるめて歯周病と呼ぶようになったのです。 つまり、歯肉炎は初期段階の歯周病であり、歯周炎は中期段階の歯周病であり、歯槽膿漏は重度段階の歯周病を意味しています。ですから歯肉炎と診断された場合、それは初期段階の歯周病になっていると判断すれば良いでしょう。 歯周病が静かなる病気と呼ばれる理由は、目立った自覚症状がないからです。例えば虫歯は歯の痛みという分かりやすい自覚症状があり、歯が痛むことで自分が虫歯であると気づけます。一方、歯周病にはそこまで分かりやすい自覚症状がなく、そのため進行してしまうケースが多いのです。とは言え、歯周病にも全く自覚症状がないわけではなく、次のような自覚症状があります。 ちなみに口臭の原因も様々なため、「口臭がする=歯周病」とまで断言はできません。歯周病の口臭は歯周病菌の繁殖、歯石、歯肉から出た血液や膿みが臭いの原因となっています。また、歯周病による口臭は他のことが原因で起こる口臭に比べて臭いがきついのが特徴です。 歯周病になると歯肉が炎症を起こしますが、この時は特に痛みはありません。しかし歯肉の見た目には変化が生じ、炎症による影響で歯肉が腫れたり変色したりします。また、触れた時の感触も歯肉らしい張りがなくなり、プヨプヨとした感触になります。 歯周病になると身体の防御機能が働き、歯周病菌を駆除するため患部に血液が集結します。そのため患部は少々の刺激で出血しやすくなり、特に食事や歯磨きの時に出血しやすくなります。「歯周病になるとリンゴを食べた時に歯肉から出血する」と聞くのは、この自覚症状が理由になっています。 これは実際に歯が伸びたわけではなく、歯が伸びたように見えるだけです。歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされ、その影響で歯肉の高さが下がります(歯肉退縮)。歯肉の高さが下がることで歯の根が露出してしまい、その分だけ歯が伸びたように見えます。 知覚過敏とは、歯が冷たさを感じた時などに一瞬ピシッとしみる症状のことです。歯周病が進行して歯肉退縮が起こると歯の根が露出しますが、この歯の根はエナメル質で保護されていないため、冷たさなどの刺激によって知覚過敏が起こります。 歯周病が進行すると歯槽骨が溶かされ、そのため歯は支えを失ってグラつくようになります。この状態になると指で押すだけでも歯は動くため、歯周病の自覚症状の中でも分かりやすいでしょう。しかし大きな問題があり、それはこの自覚症状で歯周病に気づくようでは遅すぎるということです。 歯周病を予防するには、次の3つの方法全てを実践するのが効果的です。 歯磨きは歯周病予防の基本ですが、歯磨きにとって大切なのは頻度や回数ではなく精度です。このため、ただ磨きだけではなく丁寧で精密な歯磨きを心掛けましょう。 <精密な歯磨きをするには> 歯周病は生活習慣病であり、日常生活の中に発症の要因がいくつもあります。そこで生活習慣の見直しと改善を行い、歯周病発症の要因をできるだけ多く排除しましょう。 <生活習慣改善のポイントとは> 歯科医院で定期検診を受ければ、歯周病の予防効果が高まるだけでなく歯周病の早期発見も可能です。早期発見できれば早期治療できるだめ、重症化する前に歯周病を治すことができます。 <定期検診を受けることでの予防効果とは> …これら3つの予防方法の実践で大抵の歯周病は予防できるようになりますし、例え歯周病になったとしても、定期検診を受けていることで初期段階の時点で発見と治療が可能です。 歯周病は虫歯と同様に口の中の代表的な病気ですが、虫歯に比べると病気そのものを詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。そこで、歯周病についてあまり知られていない意外で怖い事実をお伝えします。 正確には、唾液を介して人から人に歯周病菌が移動します。例えば「キス」、「回し飲み」、「食器の共用」、「歯ブラシの接触」などの行為が該当します。 妊娠した女性が歯周病になると、早産と低体重児出産のリスクが数倍高まります。このため、妊娠した女性は虫歯だけでなく歯周病も予防しなければなりません。 歯肉炎は小学生でもかかりますし、歯肉炎は初期段階の歯周病とイコールです。代謝が活発なため重症化することはまずないものの、初期段階の歯周病なら子供でもかかります。 歯周病は「歯」ではなく「歯の骨」の病気です。ですから、歯が人工物でも歯周病になります。例えばインプラントが歯周病になることもあり、それをインプラント周囲炎と呼びます。 いかがでしたか? 1. 歯周病とは :炎症性疾患で、歯肉の炎症や歯槽骨の破壊などが起こる病気 2. 歯肉炎と歯周炎と歯槽膿漏 :初期段階の歯周病、中期段階の歯周病、重度段階の歯周病を意味する 3. 歯周病の自覚症状 :静かなる病気と呼ばれており自覚症状が少ないが、以下の自覚症状がある 4. 歯周病の予防方法 :以下の3つの予防方法が効果的 5. 歯周病についての意外な事実 :歯周病には以下のような特徴もある これらのことから、歯周病について分かります。歯周病で歯がグラつくのは、歯周病菌によって歯槽骨が溶かされてしまうためです。歯槽骨は歯を支えていますから、その歯槽骨が溶かされることは歯が支えを失うことを意味します。歯周病は虫歯のような痛みを感じることはほとんどなく、そのため怖くない病気と思っている人もいます。しかしそれは間違いで、歯周病は最終的に歯を失ってしまう怖い病気です。
今回のテーマは「歯周病について」です。歯がグラグラと不安定になっている場合、その原因としていくつか考えられることがあります。歯周病とは
歯肉炎と歯周炎と歯槽膿漏
歯周病の自覚症状
口臭がする
歯肉が腫れる、変色する
歯肉から出血しやすくなる
歯が伸びたように見える
知覚過敏が起こる
歯がグラつく
歯周病の予防方法
予防方法1. 精密な歯磨きをする
・デンタルフロスや歯間ブラシの使用 :プラークの除去率が2割高まります
・プラークテスターの使用 :磨き残したプラークを染色することで、磨き残しが目で確認できます
・ブラッシング指導を受ける :予防歯科や定期検診で受けられ、正しい歯の磨き方を学べる
・矯正治療を受ける :矯正治療で歯並びを改善すれば、凸凹がなくなり歯が磨きやすくなる予防方法2. 生活習慣を改善する
・禁煙する :喫煙は歯周病になるリスクを5倍以上高め、さらに重症化しやすくなる
・疲労やストレスの解消 :疲労やストレスの蓄積は身体の免疫力が低下して、歯周病菌に感染しやすくなる
・食生活の改善 :糖の摂取は虫歯だけでなく歯周病になるリスクも高める
・家族全員が予防意識を高める :歯周病菌は唾液を介して人から人に移動するため予防方法3. 定期検診を受ける
・歯のクリーニング :歯磨きでは除去しきれないプラークまで完全に除去できる
・ブラッシング指導 :歯磨きの技術が向上してプラークコントロールしやすくなる
・生活習慣改善のアドバイス :生活習慣の見直しと改善において、その具体策が分かる
・口の中の健康状態の確認 :本来なら気づかないほど初期の歯周病でも発見できる歯周病についての意外な事実
歯周病は人にうつる!
歯周病は妊娠した女性に悪影響をもたらす!
歯周病は年齢関係なく発症する!
人工の歯でも歯周病になる!
まとめ
最後に、歯周病についてまとめます。
・口臭がする :歯周病菌の繁殖、歯肉から出た膿みや血液、歯石などが原因できつい口臭がする
・歯肉が腫れる、変色する :歯肉に炎症が起こることで見られる自覚症状。特に痛みはない
・歯肉から出血しやすくなる :歯周病菌を駆除するため血液が集結し、そのため歯肉から出血しやすくなる
・歯が伸びたように見える :実際には伸びておらず、歯肉退縮で歯の根が露出するため伸びて見える
・知覚過敏が起こる :露出した歯の根はエナメル質に保護されておらず、刺激を感じると知覚過敏が起こる
・歯がグラつく :明確で分かりやすい自覚症状だが、ここで歯周病に気づくようでは遅すぎる
・精密な歯磨きをする :デンタルフロスや歯間ブラシを使ってプラークの除去率を高めるなど
・生活習慣を改善する :疲労やストレスを解消して身体の免疫力を高めるなど
・定期検診を受ける :歯周病の予防効果が高まるだけでなく、歯周病の早期発見も可能になる
・歯周病は人にうつる :唾液を介して歯周病菌が人から人に移動する
・歯周病は妊娠した女性に悪影響をもたらす :早産や低体重児出産のリスクが高まる
・歯周病は年齢関係なく発症する :初期段階の歯周病である歯肉炎なら小学生の子供でもかかる
・人工の歯でも歯周病になる :インプラントが歯周病になることもある(インプラント周囲炎)
口を開けるたびに顎の関節がなるのが気になります。何が原因なのでしょうか? [2018年12月15日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。 頭の病気は言うまでもなく深刻ですし、目の病気においても同様のことが言えます。鼻は鼻炎や花粉症など日常生活に支障をきたす症状が多々ありますし、耳の病気もやはり深刻です。実際、以下の診療科目で耳鼻科があるくらいですからね。 次に口、これもまた深刻で虫歯や歯周病は歯を失う原因にあります。最後に顎ですが、顎は一見こうした病気が一切起こらないイメージがあるかもしれません。しかしそれは間違いで、顎の関節…すなわち顎関節の問題で起こる病気があります。 顎関節症とは噛み合わせの異常などによって起こる病気のことで、「顎の関節の痛み」や「口を開けられない」や「顎を動かすと音がする」などの症状があります。また、顎関節症が引き起こす症状は顎の周囲だけとは限りません。 関節からのものもありますが、それ以外に筋肉からのもの、さらにその両方からくるものがあり、そのため治療においても正しい判断はもちろん、医師の知識や経験も大変重要です。顎関節症になるとかたい食べ物や大きな食べ物が食べづらくなり、日常生活にも支障をもきたします。 ちなみに、顎関節症の症状としては主に次のようなものが挙げられます。 顎関節に限らず、その周囲の頬やこめかみまで痛むこともあります。特徴としては常に痛むわけではなく、食べ物を噛んだ時や顎を動かした時だけに痛みを感じることで、仮に何もしなくても顎が痛むのであれば、それは顎関節症ではなく全く別の病気の可能性があります。 開口障害と呼ばれるもので、本来健康な人は40ミリ~50ミリほどまで口が開きます。しかし顎関節症になると30ミリほど、もしくはそれ以下しか開かなくなります。この場合、突然このように口が開かなくなることもあれば、徐々に開かなくなっていくこともあります。 顎を動かした時に「カクカク」や「ミシミシ」などの音がします。症状としては軽く、こうした音だけの症状の場合は特に治療は必要ない場合もあります。とは言え、顎を動かすたびに音が聞こえるのは耳障りなのでストレスに感じる人もいます。 噛み合わせが悪いと顎関節症になりやすくなりますが、その逆もあり得ます。つまり、顎関節症になることで噛み合わせが悪くなってしまうパターンです。このため、突然噛み合わせが合わなくなった時は顎関節症の可能性があります。 口が完全に閉じられないのは怖いですが、この症状が起こるのはごく稀です。これは顎関節内の構造が異常のため、上下の歯列に隙間ができるのが原因です。こうした歯列の乱れにより、口が完全に閉じられなくなるのです。 顎関節症によって起こる症状は多く、代表的な上記の症状以外にも次のような症状があります。頭痛、背中の痛み、肩こり、腰痛、耳鳴り、耳の痛み、目まい、目の充血、舌や歯の痛みなど、一見したところ顎関節症とは思えないような症状も起こるのが特徴です。 顎関節症の治療方法にはいくつかの方法があります。治療の類としては原因の解消と痛みの解消の2つに分けられており、症状に応じてこれらを組み合わせた治療計画を立てることがほとんどです。 日常生活における癖など、顎関節症の原因となることを調べて患者さんに自覚してもらいます。もちろん、自覚だけでなくそれを解消しなければなりません。 顎関節症による痛みを軽減するための治療で、基本や冷やしたり温めたりすることです。患部を冷やしたり温めたりすることで痛みが緩和されていきます。 口を開く、顎を動かすなどの訓練を行うもので、こうした運動によって口が元どおり開くようにしていきます。 スプリントとは歯列を覆う装置のことで、これを装着するのがスプリント療法です。顎関節への負担の軽減、歯ぎしりや食いしばりなどによるダメージを緩和するのが目的です。 痛みが強い場合は炎症を抑えるために薬を使用します。また、固まった筋肉に対して筋弛緩剤を使用することもあります。 他の治療を行っても症状が改善されない場合、必要に応じて外科治療を行います。例えば、関節内で関節円板と骨の癒着がある場合などは、それをはがすために関節鏡手術を行います。 そもそも顎関節症は生活習慣病に近い部分があるため、生活習慣を見直して改善する目的を兼ねたセルフケアが治療において大切です。これがいわゆる自宅療法であり、顎関節症の治療における中心となります。 本来なら、かたいものを食べないと顎の力が弱くなってしまいます。しかし顎関節症の場合は痛みや口の開けづらさがあるため、一定期間かたいものを食べないようにします。 口が大きく開かないのはどうしても気になるでしょうが、顎関節症の場合は会話や食事の時は大きく口を開かないように注意します。 冷やしたり温めたりするのは湿布を貼るのが効果的です。痛みの急性期には冷湿布、慢性的な痛みには温湿布で対処すると良いでしょう。 顎関節症によって顎の筋肉が痛む時に効果的で、マッサージによって血行が良くなると痛みをある程度減らすことができます。 立つ時、座る時それぞれにおいて正しい姿勢を意識します。特に顎を突き出すような姿勢や猫背には注意が必要で、同じ姿勢を長時間維持するのも問題です。 うつ伏せで寝ると顎や首の筋肉に負担をかけるため、顎関節症の悪化につながります。このため寝る時の姿勢は仰向けが望ましく、高さのある枕も使用しないようにしましょう。 緊張時は身体がかたくなり、それが顎関節への負担になってしまいます。適度に緊張を解き、筋肉を休ませてあげるためにリラックスすることを心掛けましょう。 運動には様々な種類がありますが、顎関節症に効果的なのは全身運動です。例えばウォーキングや水泳などがこれに該当し、体力維持や気分転換につながります。 例えば、管楽器の演奏や大きく口を開ける必要のある行為は避けましょう。また、顎関節に負担をかける点で頬杖をつくなどの癖も止めましょう。 顎関節症になるリスクは人によって異なります。それは個人差によるものではなく、顎関節症になりやすい人にはある特徴があるのです。次の項目に該当する人は顎関節症になるリスクが高くなります。 人には何かしら癖がありますが、中には顎関節症になるリスクを高める癖があります。例えば、片方の歯で噛む癖がある人は頬杖をつく癖がある人です。こうした癖は顎関節に負担をかけるため、顎関節症になる原因となります。 姿勢が悪くて猫背になると、頭がい骨と下顎の骨が前に突き出た状態になります。この姿勢が続くと顎関節が正常に動かせなくなることがあり、そのため顎関節がずれる、もしくは顎関節症になりやすくなります。 ストレスがゼロの生活を過ごすことはまず不可能ですから、適度に解消しなければなりません。しかしストレスが解消できない人はストレスが蓄積させ、その影響で歯ぎしりなどが起こります。歯ぎしりは顎関節症の原因になりますし、ストレスによる緊張状態も顎周りの筋肉に影響を与えます。 歯並びが悪いと凸凹した歯並びのため、噛み合わせが悪くなります。そして、噛み合わせが悪くなることで顎関節症になりやすくなります。また、噛み合わせが悪いと顎関節症になりやすいだけでなく、発症した時に重症化しやすくなります。 いかがでしたか? 1. 顎関節症とは :噛み合わせの異常になどが原因で起こる病気で、以下の症状が起こる 2. 顎関節症の治療方法 :発症の原因の解消と痛みの解消、治療方法はこの2つのタイプに分けられる 3. 顎関節症のセルフケア :顎関節症は生活習慣病に近く、以下のセルフケアが治療の中心になる 4. 顎関節症になりやすい人 :以下の特徴がある人は顎関節症になりやすい これらのことから、顎の関節の病気について分かります。顎関節症には様々な症状が起こり、酷くなると口を開くことも辛くなります。このため、聞き慣れない病気だからと言って決して軽視できるものではありません。口の中の問題に限定すれば、歯並びや噛み合わせが悪いと顎関節症になりやすいため、これらのことに該当する人は治療を検討した方が良いでしょう。
今回のテーマは「顎の関節の病気」です。顔の箇所ごとで病気を考えた時、最も深刻に考えないのは顎ではないでしょうか。顎関節症とは
顎が痛む
大きく口が開かなくなる
顎を動かした時に音がする
噛み合わせが悪くなる
口を閉じられなくなる
その他の症状
顎関節症の治療方法
認知行動療法
物理療法
運動療法
スプリント療法
薬物療法
外科療法
顎関節症のセルフケア
かたいものを食べない
大きく口を開かない
冷やす、温める
マッサージ
姿勢を正す
うつ伏せで寝ない
リラックス
運動
顎への負担を避ける
顎関節症になりやすい人
日常生活の癖
姿勢が悪い
ストレスを解消できない人
歯並びが悪い人
まとめ
最後に、顎の関節の病気についてまとめます。
・顎が痛む :常に痛むわけではなく、食べ物を噛んだ時や顎を動かした時に痛みを感じる
・大きく口が開かなくなる :正常な状態なら40ミリ~50ミリ口が開くが、これが30ミリ以下になる
・顎を動かした時に音がする :「カクカク」や「ミシミシ」などの音がするが、この症状だけなら軽い
・噛み合わせが悪くなる :噛み合わせの悪さは顎関節症の原因になるが、その逆のケースもある
・口が閉じられなくなる :ごく稀にしか起こらない症状。歯列の乱れによって口が完全に閉じられなくなる
・その他の症状 :頭痛、背中の痛み、肩こり、耳鳴り、耳の痛み、目まい、目の充血、舌や歯の痛みなど
・認知行動療法 :日常生活の癖など、顎関節症の原因となることを患者さんに自覚・解消してもらう
・物理療法 :痛みを軽減するための治療で、患部を冷やしたり温めたりして痛みを緩和する
・運動療法 :口を開く、顎を動かすなどの訓練を行い、口が元どおり開くようにしていく
・スプリント療法 :歯列を覆う装置を装着して顎関節への負担を軽減する
・薬物療法 :痛みが強い場合、炎症を抑えるために薬を使用する。他の目的で使用することもある
・外科療法 :例えば、関節内で関節円板と骨の癒着がある場合は関節鏡手術を行う
・かたいものを食べない :痛みや口の開けづらさへの対処
・大きく口を開かない :会話や食事の時に大きく口を開かないようにする
・冷やす、温める :痛みの急性期は冷やし、慢性的な痛みに対しては温める。湿布を使用すると効果的
・マッサージ :血行が良くなることで痛みが緩和される
・姿勢を正す :猫背は要注意。同じ姿勢を長時間維持することも避ける
・うつ伏せで寝ない :うつ伏せで寝ると顎や首の筋肉に負担がかかるため
・リラックス :緊張状態は身体がかたくなり顎関節に負担がかかるため
・運動 :全身運動が効果的。体力維持や気分転換にもなる
・顎への負担を避ける :管楽器の演奏、大きく口を開ける行為は控える
・日常生活の癖 :例えば片方の歯で噛む、頬杖をつく癖などは顎関節に負担をかける
・姿勢が悪い :猫背の状態が続くと顎関節が正常に動かせなくなる
・ストレスを解消できない人 :ストレスによって歯ぎしりが起こると顎関節症の原因になる
・歯並びが悪い人 :噛み合わせが悪いため顎関節症になりやすく、さらに重症化しやすい傾向がある
口臭が出やすい人の特徴を教えてください [2018年12月01日]
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。 そんな口臭が気になった時のことを振り返ってみると、口臭がするのは大抵決まった人ではないでしょうか。と言うのも、ある人がいたとして、そのある人が日によって口臭の有無があるわけでなく、口臭がする人は常に口臭があり、口臭がしない人は常に口臭がしないパターンがほとんどだからです。 つまり口臭にランダム性はなく、口臭がする人というのはある程度決まっていることになります。さて、口臭がする人が決まっているということは当然そうなる理由があるわけで、ここでは口臭がしやすい人の特徴について説明していきます。 一言で口臭と言っても、口臭には次の2つの種類があります。 ・一時的口臭 …これらの言葉に聞き覚えのない人もいるでしょうが、それぞれ文字どおりの解釈で構いません。一時的口臭は文字どおり一時的に起こる口臭で、最も多いのは食べ物が原因で起こる口臭です。例えばニンニクを食べれば、いくら口臭がしない人でもその時だけは必ず口臭がするでしょう。 最も、この一時的口臭はさほど深刻ではなく、なぜならあくまで一時的なものだからです。ニンニクを食べても歯磨きをすれば口臭は解消されますし、ガムなどよっての解消すら可能ですからね。問題は病的口臭で、これも文字どおり病気が原因で口臭が起こっているケースです。 病気が原因で口臭が起こるということは、その病気が治らない限り口臭が続くことになり、常に口臭がする人の場合、状況的に考えてこの病的口臭である可能性が高いでしょう。また、一時的口臭もその原因によってはしっかりとしたケアが必要になるケースもあります。 口臭がしやすい人には次のような特徴があります。最も、「口臭がする」ではなく「口臭がしやすい」ですから、次の特徴に該当している人でもしっかりとケアができていれば口臭を防げます。 虫歯になると歯に穴があくため、そこに食べカスが詰まってしまうことがあります。詰まった食べカスはなかなかとれなくなり、虫歯の穴に留まることで腐ります。そうなると、それが原因で口臭がするようになります。 また、歯周病の場合は発症しているだけで口臭がします。元々歯周病菌はきつい口臭の原因になりますし、歯周ポケットに溜まった細菌、歯肉から出た血液や膿み、歯石なども口臭の原因になります。 歯並びや噛み合わせの悪さ自体で口臭がすることはありません。しかし歯並びや噛み合わせが悪いと食べカスが残りやすくなるため、それが口臭の原因となります。また、上記で「虫歯や歯周病がある人は口臭がしやすい」と説明しました。 歯並びや噛み合わせが悪いと、歯並びが凸凹していることで歯磨きがしづらくなります。このため歯磨きの精度が落ち、虫歯や歯周病になりやすくなります。虫歯や歯周病は口臭の原因になりますから、これらになりやすいことで口臭もしやすいということになります。 口呼吸の人は乾燥した空気を直接口の中に取り込むため、口の中が常に乾燥した状態になります。これは、乾燥した空気によって唾液が蒸発するためですが、唾液は細菌を洗い流す役割を担っているため、唾液が蒸発するとそれができなくなります。 そうすると口の中で細菌が繁殖するため口臭がしやすくなりますし、特に空気を嫌う嫌気性菌の繁殖が口臭の原因になります。また、唾液が少ないと虫歯や歯周病にもなりやすいため、それもまた口臭の原因となります。 唾液の量が少ない原因は様々です。上記で説明したとおり口呼吸の人は唾液の量が少ないですし、口の中が乾燥状態になるという点では交感神経が優位な人もそれに該当します。また、食べる時によく噛まないと唾液の分泌量が低下します。 これらの理由で唾液の量が少ないと、口の中が乾燥するため細菌が繁殖してしまいます。細菌の繁殖はそれだけで口臭の原因になりますし、唾液の量が少なくて虫歯や歯周病になってしまえば、それらが原因による口臭がするようになります。 歯石があればそれだけで口臭がしますし、歯石があるとそこに細菌が溜まりやすくなります。これは、歯石がザラザラした感覚のため細菌が付着しやすいのが理由ですが、細菌が溜まればそこにまた歯石ができ、そうやって歯石はどんどん積み重なっていきます。 そうなると当然口臭はより酷くなりますし、歯石の付着は歯周病になりやすくなるため、実際に歯周病になってしまえばそれもまた口臭の原因になります。しかも歯石は目に見えますから、歯に付着していることで不潔そうに見えてしまいます。 歯磨きをしても口臭がするのであれば、まず歯磨きの仕方を疑ってみるべきです。歯磨きをするとミント系の歯磨き粉の効果が口の中がスッとしますが、極端な話、たった10秒で歯磨きを終えたとしてもスッとした感覚は変わりません。 このため、この感覚によって口の中が綺麗になった錯覚がしてしまいます。しかし実際には適当な歯磨きしかしていないため、細菌は依然残ったままになるでしょう。そうするとスッとした感覚を失った後、再び細菌によって口臭がしてしまうのです。 口臭がするとなると、その原因は口の中にあると考える人がほとんどではないでしょうか。確かに可能性としてはそれが最も考えられますし、実際に口臭の原因は主に口の中にあります。しかしそれだけでなく、胃や腸の不調や病気によって口臭がするケースもあります。 胃炎になると食べた物が消化されづらくなり、これは胃酸が出にくくなることが理由です。そして食べた物が未消化になった場合、胃の中で食べた物が停滞してしまいますから、本来なら腸で行われるはずの発酵が胃の中で行われてしまいます。 すると胃の中で発酵した際に発生した発酵臭が肺に入り込んでしまい、呼吸した時にその発酵臭が漏れて口臭となってしまいます。要するに消化不良が招く口臭なわけですが、ちなみに十二指腸潰瘍の場合も同じことが言えます。 胃がんによって起こる口臭には2つのパターンがあるとされています。1つ目に胃がんならでは…つまり胃がん特有の口臭ですが、これについては現状解明されておらず、がん細胞が増殖した時に発生する化学物質が原因と考えられていますが、あくまで一説でしかありません。 一方2つ目のパターンは既に解明されており、これはがんの壊死が口臭の原因になっています。がんが壊死すると臭いのきつい成分が発生するのですが、それが血液に取り込まれ、血管を通じて肺に回ることで呼吸時に口臭がするようになります。 逆流性食道炎とは、胃液が食道に逆流する症状が起こる病気です。この症状から口臭を予想できるとおり、胃液は酸っぱい臭いがしますから、その胃液が逆流して喉の方まで上がってこれば、口から酸っぱい臭いがするようになります。 さらに、逆流性食道炎の場合は胃の臭いまで口から漏れてくるため、胃液の酸っぱい臭いに加えて胃の臭いも混ざります。このため、逆流性食道炎による口臭はきつい臭いがするとされています。 腸内には善玉菌と悪玉菌がバランス良く存在していますが、食生活などから腸内環境が悪化するとこのバランスが乱れ、悪玉菌が増殖してしまいます。そして悪玉菌が発生することで、腐敗したガスが腸内に充満することになります。 この腐敗したガスからはやがて血液に取り込まれ、血管を通じて全身にまわります。それが肺に入り込んでしまうことで、呼吸時に腐敗したガスの臭い…つまり腐敗集がするのです。ちなみに腸内環境悪化についてもう一つ言えば、便秘になった場合も口臭がするようになります。 いかがでしたか? 1. 口臭には種類がある :一時的口臭と病気口臭があり、問題なのは病気が原因となる病的口臭 2. 口臭がしやすい人の特徴 :次の特徴に該当する人は口臭がしやすい 3. 胃や腸の不調や病気による口臭 :胃や腸の不調、もしくは病気が原因で口臭がすることもある これらのことから、口臭がしやすい人の特徴について分かります。口臭をケアするための商品は現在充実していますが、それらは一時的口臭にしか効果はありません。病的口臭は病気によって起こる口臭ですから、原因となる病気を治療しなければ口臭は続くのです。 また、口臭がする病気にもいくつかの種類があるため、単に口臭がするというだけで病気の種類を特定することはできません。このため、口臭がした時に必要なのはまず歯科医院や口臭外来に行き、その原因を特定することです。
今回のテーマは「口臭がしやすい人の特徴」です。みなさん、これまで一度は人の口臭が気になった経験があると思います。口臭には種類がある
・病的口臭口臭がしやすい人の特徴
虫歯や歯周病がある人
歯並びや噛み合わせが悪い人
口呼吸の人
唾液の量が少ない人
歯石がある人
歯磨きを適当にすませている人
胃や腸の不調や病気による口臭
胃炎による口臭
胃がんによる口臭
逆流性食道炎による口臭
腸内環境悪化による口臭
まとめ
最後に、口臭がしやすい人の特徴についてまとめます。
・虫歯や歯周病がある人 :虫歯の穴に詰まった食べカス、さらには歯周病菌が繁殖するため
・歯並びや噛み合わせが悪い人 :食べカスが残りやすく、さらに虫歯や歯周病になりやすいため
・口呼吸の人 :唾液が蒸発して口の中で細菌が繁殖するため。特に嫌気性菌の繁殖は口臭の原因になる
・唾液の量が少ない人 :口の中で細菌が繁殖し、虫歯や歯周病になりやすいため
・歯石がある人 :歯石そのものが原因による口臭、さらに細菌の繁殖や歯周病になりやすいため
・歯磨きを適当にすませている人 :磨き残しが多く、歯磨きしても細菌が残っているため
・胃炎による口臭 :胃の中で食べた物が発酵することで、発酵臭が呼吸時に漏れるため
・胃がんによる口臭 :胃がん特有の口臭(一説)とがん細胞の壊死によってきつい臭いが発生するため
・逆流性食道炎による口臭 :逆流した胃液が喉の方まで上がってきて酸っぱい臭いがするため
・腸内環境悪化による口臭 :増殖した悪玉菌の発生によって腐敗臭がするため