BLOG
日常生活の中で噛み合わせを悪くさせてしまう行為ってありますか?
2018年07月01日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「日常生活に潜む噛み合わせを悪くする原因」です。
現在噛み合わせが悪いと自覚している方は、そのことにいつ気づいたのでしょうか。
生まれつきであればともかく、ある日噛み合わせの悪さに気づいたのであれば、
それまでは噛み合わせは正常だったということになります。
ではなぜ悪くなってしまったのか?…そこで考えられるのが毎日の日常生活です。
日常生活の中に噛み合わせを悪くする原因があり、
それを行ってしまったことで噛み合わせが悪くなった可能性があるのです。
ここでお伝えするのは、そんな噛み合わせを悪くする原因の数々です。
目次
噛み合わせが悪いことで起こる問題
噛み合わせの悪さは、虫歯や歯周病のような病気ではありません。
しかし放置することで様々な問題が起こり、中には病気を招くケースもあります。
このため、噛み合わせの悪さは決して無視できません。
虫歯や歯周病になるリスクが高まる
噛み合わせが悪いとなると歯並びも悪い可能性が高く、
歯並びが悪いことで虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
これは歯並びが悪いことで歯が磨きづらくなるためで、特定の箇所にプラークが溜まってしまうのです。
肩こりや頭痛を引き起こす
噛む行為では筋肉を使用します。そして、噛み合わせが悪いと噛む時に使用する筋肉に悪影響を及ぼします。
首から肩にかけてつながる広頸筋が悪影響を受けることで肩こりの原因に、
顎の関節から頭の横にかけてつながる側頭筋が悪影響を受けることで頭痛の原因になります。
歯科治療の精度が落ちる
噛み合わせが悪く、さらに歯並びが悪いと歯科治療の精度が落ちます。
歯並びの悪さによって本来見えるはずの箇所が見えなくなり、虫歯を見過ごす可能性もあるでしょう。
また、歯の向きによっては治療がしづらく、誤って神経を傷つけてしまう事故の発生も想定されます。
顎関節症になるリスクが高まる
顎関節症は噛み合わせが良い人でも起こりますが、
噛み合わせが悪い人の場合はそのリスクが高まり、さらに重症化しやすい傾向があります。
これは噛み合わせが悪いことで普段から顎関節に負担をかけているためです。
見た目が悪くなる
噛み合わせが悪いということは歯の位置がズレていることになります。
そうなると顎の形が不自然になってしまい、顎の形が不自然になることで顔の輪郭が歪みます。
つまり噛み合わせの悪さはお口や歯だけでなく、顎の形や顔の輪郭そのものを悪くさせてしまうのです。
…噛み合わせの悪さは病気ではないものの、
噛み合わせが悪いことで虫歯や歯周病や顎関節症などの病気を引き起こす可能性が高まります。
さらに肩こりや頭痛などの体調不良の原因にもなりますし、見た目にも影響するのです。
日常生活に潜む噛み合わせが悪くなる原因
日常生活の過ごし方や生活の中で起こったこと…これらが原因で噛み合わせが悪くなることがあります。
例え現在の噛み合わせが正常でも、日常生活の過ごし方次第では将来噛み合わせが悪くなります。
・抜けた歯を放置している
何らかの理由で永久歯を失った場合、そのまま放置すると噛み合わせが悪くなります。
これは歯を失ったことでその箇所を埋めようと、隣接する歯が移動してしまうからです。
その結果歯並びが悪くなり、歯並びが悪くなることで噛み合わせが悪くなります。
・やわらかいものを好んで食べる
成長期の子供の場合、将来の噛み合わせの状態は顎の発達が1つのポイントになります。
ここで問題となるのが、やわらかいものを好んで食べる習慣です。
やわらかいものばかり食べると噛む回数が少なくなるため、顎の発達が遅れて噛み合わせが悪くなります。
・クセ
特に子供に多いのが、指しゃぶりや舌で歯を押し出すクセです。
これらが原因で歯が生える向きが変わってしまい、歯並びが悪くなって噛み合わせも悪くなります。
大人の場合は頬杖やうつぶせ寝などなどのクセがあり、これらも噛み合わせ悪くなる原因です。
・歯科治療
歯科医の腕が良くなく、不適切な歯科治療を行った場合も噛み合わせが悪くなります。
最も多いパターンは虫歯治療の際に処置した被せ物の問題で、
被せ物の高さが合わないことで噛み合わせが悪くなってしまうのです。
日常生活で噛み合わせを悪くさせないために
日常生活で噛み合わせを悪くさせないためには、クセの解消を含めた生活習慣の改善が必要です。
とは言え、生活習慣の改善といってもどこをどう改善すれば良いのか分かりづらいと思います。
そこでアドバイスすると、常に正しい姿勢を意識してください。
日常生活の中に潜む噛み合わせを悪くさせる原因の主はクセですが、
こうしたクセは元々姿勢の悪さによって起こるものが多いのです。
例えば頬杖ですが、これはうつぶせで寝転んでいる時に起こりやすいクセですね。
実際、一見何でもない姿勢が噛み合わせを悪くさせる例はたくさんあり、
例えば以下の姿勢はいずれも噛み合わせを悪くさせる原因になります。
1度や2度なら問題ないですが、半ば習慣やクセになっていると噛み合わせが悪くなります。
・常に同じ手でカバンやバッグを持つ
・常に同じ肩にカバンをかける
・脚を組んで座る
・均等ではなく片方の足に体重をかける
・常に同じ側を下にして寝る
・うつぶせで寝る
・真正面ではなく左右どちらかの側からテレビを見る
噛み合わせの悪さを治すには
噛み合わせの悪さを治す方法は噛み合わせが悪くなった原因によって異なります。
このため、噛み合わせの悪さを治すにはまずそうなった原因の究明が必要です。
一般的に原因として挙げられるのは「歯並びの悪さ」、「被せ物の高さが合っていない」、「クセ」の3つです。
歯並びの悪さが原因の場合
歯並びが悪く、凸凹しているために噛み合わせが悪いパターンです。
この場合、歯並びを改善することで噛み合わせも正常になるため矯正治療を行います。
ただし矯正治療は費用が高く治療期間も長いことから、実際に治療するかは歯科医と相談して決めましょう。
被せ物の高さが合っていないことが原因の場合
被せ物の高さが高くても低くても噛み合わせは悪くなり、
この場合は被せ物の高さを調整することで噛み合わせが正常になります。
高い場合は削るだけの調整ですむので容易ですが、低い場合は被せ物を再製作するので時間がかかります。
クセが原因の場合
舌で歯を押し出す、頬杖などのクセは自分の意思で止めるしかありません。
問題は歯ぎしりなど、就寝中に無意識に行ってしまうクセへの対処です。
この場合、専用のマウスピースを着用して対処します。
顎関節症の注意
上記でも説明しましたが、噛み合わせが悪いと顎関節症になるリスクが高まります。
顎関節症とは顎関節の慢性的な疾患で、顎関節だけでなくその周辺や耳のあたりが痛むこともあります。
顎関節症は非常に多くの症状が起こるのが特徴で、日常生活において大きな支障となります。
顎関節症の代表的な症状
顎関節症の代表的な症状としては以下のようなものがあります。
・顎が痛む :常に痛むのではなく、食事などで顎を動かした時に痛みます。
・開口障害 :口を大きく開けづらくなり、突然口が開かなくなる場合と徐々に開かなくなる場合があります。
・顎を動かすと音がする :「カクカク」や「ミシミシ」などの音で、関節雑音とも呼ばれます。
・噛み合わせると違和感がある :顎関節や筋肉に異常が起こるため、噛み合わせが変わります。
・口を閉じられない :顎関節内の構造に異常が起こり、歯列に隙間ができるのが原因です。
顎関節症のその他の症状
その他の症状として、頭痛、肩こり、腰痛、背中の痛み、耳の痛み、耳鳴り、目まい、目の充血、
歯の痛み、舌の痛みなどがあります。いずれも顎関節症が原因と分かりづらいのが問題です。
例えば頭痛や肩こりは一見疲労が原因にも思えます。確かにその可能性はありますが、
仮に顎関節症が原因の場合はいくら疲労を解消しても症状は改善されません。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、日常生活に潜む噛み合わせを悪くする原因についてまとめます。
1. 噛み合わせが悪いことで起こる問題 :噛み合わせが悪いと以下の問題が起こる
・虫歯や歯周病になるリスクが高まる :歯並びが悪いことで歯磨きの精度が落ちるため
・肩こりや頭痛を引き起こす :噛む筋肉の広頸筋や側頭筋が悪影響を受けるため
・歯科治療の精度が落ちる :歯並びが悪いと虫歯の見過ごしや治療時の事故が起きやすいため
・顎関節症になるリスクが高まる :顎関節に負担をかけているため
・見た目が悪くなる :歯の位置がズレており、顎の形が不自然になって顔の輪郭が歪むため
2. 日常生活に潜む噛み合わせが悪くなる原因 :以下の原因が考えられる
・抜けた歯を放置している :抜けた箇所を埋めようと、隣接する歯が移動するため
・やわらかいものを好んで食べる :噛む回数が少なくなることで顎の発達が遅れるため
・クセ :子供の場合は指しゃぶりや舌クセ、大人の場合は頬杖やうつぶせ寝など
・歯科治療 :被せ物の高さが合わないと噛み合わせが悪くなる
3. 日常生活で噛み合わせを悪くさせないために :まずは正しい姿勢を常に意識すると良い
4. 噛み合わせの悪さを治すには :原因によって方法が異なり、以下のパターンがある
・歯並びの悪さが原因の場合 :矯正治療。気軽にできる治療ではないため慎重に検討する
・被せ物の高さが合っていないことが原因の場合 :被せ物の調整、もしくは再製作
・クセが原因の場合 :歯ぎしりなど、就寝中の無意識なクセには専用のマウスピースで対処
5. 顎関節症の注意 :噛み合わせが悪いと起こりやすく、日常生活に大きな支障となる
・顎関節症の代表的な症状 :顎が痛む、開口障害、顎を動かすと音がするなど
・顎関節症のその他の症状 :頭痛、肩こり、腰痛、背中の痛み、耳の痛み、耳鳴りなど
これらのことから、日常生活に潜む噛み合わせを悪くする原因について分かります。
口の中の健康は、日常生活の過ごし方で良くも悪くもなります。
今回テーマにした噛み合わせもその1つですし、生活習慣病と呼ばれる歯周病も同様です。
噛み合わせが悪いことは確かに病気ではありません。
しかし、それが原因で病気を招くことがあるため軽視してはいけません。