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歯周病が薬で治ると聞いたのですが、どういうこと?
歯医者さんの治療で使用する薬や飲み薬があれば教えて下さい。
2015年03月02日
目次
歯周病の原因は歯周原因病菌です
歯周病原因菌は虫歯菌と同じと思われがちですが、実は違う菌の仕業です。虫歯を起こす原因の虫歯菌はミュースタンス菌というものです。
一方、歯周病原因菌は、らせん状菌、カンジタ菌、アメーバ、トリコモナス等という菌が主です。
つまり、虫歯がない人でも歯周病になる可能性は十分にあります。実際、日本人成人の80%は歯周病にかかっているとも言われています。
歯周病を薬で治せるの?
従来、歯周病治療といえば昔からブラッシング指導や歯石を除去したりする歯のまわりのクリーニングがどの歯科医院でも行われている基本的な治療方法です。
しかし、この基礎治療をしても、一生懸命歯磨きしても、なかなか歯周病が改善されず、腫れや出血・口臭で悩まれ、場合によっては歯を失う方がいらっしゃることも事実です。
ところが、歯周病菌の研究の結果、原因である菌を特定し薬でその菌を退治する事ができるようになったのです。この治療法は顕微鏡を使った『歯周内科治療』というものです。
歯周内科
現在、一般的に歯周病治療は外科的な処置が主流です。しかし、それは歯科医師と歯科衛生士が特殊な技術を持ち、患者さんも歯磨きがうまくできるという厳しい条件下でないと
良い結果が生ません。
しかし、歯周内科は歯周病を起こしている原因菌を特定し、その原因菌を駆除するための薬剤もしくは歯磨き粉の使用に加えて、薬剤を内服することにより歯周病を抑える処置方法です。
また、外科的に行う歯周病治療は痛みを伴ったり、時間や来院回数が増えることもありますが、歯周内科は、薬液を服用、もしくは内服するだけなので、痛みはなく、少ない来院回数であとは日々の生活の中で患者さん本人が行っていく治療なので、忙しく頻繁に歯科医院に行けない方にもお勧めです。
位相差顕微鏡での菌の確認
顕微鏡検査により口の細菌の種類や数などを検査します。検査の結果から細菌に合う薬を選択し、服用することによって口の中をきれいに除菌する事が出来ます。
除菌するだけでなく、歯周病が進行しない環境を作る事が出来る非常に簡単で効果的な治療方法です。
このような症状のある方は歯周病の可能性があります
- 朝起きると口の中がネバネバする
- 口臭が気になる・指摘される
- 歯磨きで血が出る
- プラークが多い
- 歯茎から膿みが出る
- 歯がぐらぐらする
絶対に歯科医院で処方された薬を使用してください
薬局などで手軽に薬が購入できる時代です。『虫歯菌を無くす』や『歯周病を治す』と謳った歯磨き粉や薬が販売されています。
しかし、患者さんの歯周病原因菌は一種類だけではありません。患者さんの口腔内に適した薬があります。それを明確に判断できるのが歯科医院で受診する歯周内科です。
時間が無く、歯科医院になかなか行けないので、近くの薬局で済ますなどをしていても、歯周病を治すことはとても困難だと思います。時間がなくても、数日の来院で検査と検査結果が出るので、すぐに薬も処方してもらうことができます。
治療後は口腔内がどのように改善されるの?
- 治療後は朝起きると口の中が爽やかになります
- ネバネバ感がなくなります
- 歯茎からの出血がなくなります
- プラークの量が10分の1に減ります
薬の内容
まずは、位相差顕微鏡での菌の検査によって処方された投薬を約3日ほど飲んで頂きます。この薬を飲むことで、1週間かけてお口の中の歯周病原因菌を除菌し、歯周病菌を殺菌します。
次に、人体への影響を最小限に抑えつつ、バイオフィルムを作る虫歯菌や歯周病菌を溶菌する効果のある口腔機能水を服用します。具体的には、白血球と同じ殺菌成分であるHClO(次亜塩素酸)とバイオフィルムの破壊効果のあるNaHCO3(炭酸水素ナトリウム)が含まれた電解水により、虫歯菌や歯周病菌の周囲にあるバイオフィルムを破壊し、細菌を破裂させ、溶菌する方法です。そして、口腔機能水に関しては全く副作用がありません。
口臭・歯周病・虫歯の原因は細菌感染症ですので、従来のハミガキ・うがい薬では細菌は死にません。
注意すべきこと
歯周病菌は感染症とも言われています。ですので、治療中、もしくは治療後は再感染を注意しなければなりません。
また、歯周病を起こす細菌が感染しにくいように口の中を清潔に保つようこころがけなければなりません。
そして歯周病をおこす細菌が再感染していないか、また、口の中が再感染しやすい環境になっていないか、歯科医院での顕微鏡を用いた定期検診を受けるようにしたほうが良いでしょう。
歯周内科治療ができない人
- 妊娠中の人、授乳中の人
- 治療薬にアレルギーのある人
- 重度の肝機能障害のある方
- 職業上、再感染を避けられない人(風俗産業など)
歯周内科治療の効果が弱い人
- ヘビースモーカー
- 重度の歯周病の方
- 重度の糖尿病の方
- 虫歯や治療中の歯が複数ある方 →治療を完了後、歯周内科治療になります。
飲み合わせに注意しないといけない薬は?
- 制酸剤(ガスター・胃薬の即効成分)
- ワーファリン(血栓塞栓症など)
- シクロスポリン(重度のアレルギー性皮膚炎、臓器移植の術後など)
- メシル酸ネルフィナビル(ビラセプト錠 HIVウィルス抑制)