BLOG
歯を白くするために、セラミックを入れようと考えています。
そこでセラミックを入れる際のメリットやデメリットを詳しく教えて下さい
2015年03月09日
目次
セラミックとは?
セラミックとは、狭義には陶磁器を指しますが、広義では無機物を焼き固めた焼結体を指します。
簡単にいうと、金属を使用しないものといえばわかりやすいと思います。金属は口の中に入れるとその部分だけ暗くなったり、もしくは光を反射して明るく目立ったりしますが、セラミックを使用すると極めて歯の色に近似しているため、あまり目立つことはありません。そして金属アレルギーの心配もないため、安心して使用できるものだと思います。
メリット
金属を使用しないものがあるので、自然の歯のように白くできる
従来、健康保険適応内の治療やメタルボンドといった自費治療のカテゴリーでも金属を使用するものが多かったですが、現在材料や技術、機材の進歩により、全てセラミックでできた歯科補綴物が提供されるようになりました。
金属を使用した場合、その部分だけ光を通さないので、不透明になったり不自然に暗くなったりしましたが、全てセラミック材料を使用すると、より天然の歯に似た色や透明感が再現できるようになりました。
生体親和性に優れているので、アレルギー反応が出にくく、歯茎にも優しい
歯科用金属をはじめ、歯科補綴物に使用する材料の中で最も体に優しい材料のひとつがセラミックです。セラミックは自然な歯の色をしているだけでなく、歯茎に優しかったり、プラーク(歯垢)の付着が少ないため、補綴物の悪影響による歯茎の退縮なども防ぐ効果があります。
また、オールセラミックという金属を全く使用しない歯科補綴物は、金属アレルギーを引き起こす可能性が無く、安心して使用できるものだと思います。
金属よりも比重が低いため補綴物が軽くなる
補綴しなければならない部分が多ければ、自然と使用する材料も多くなってきます。金属で橋渡しをして強度を補強しなければならない時は多くの量を使用する場合があります。セラミックのみの歯科補綴物の時も同様です。
しかし、金属と比べてセラミック材料は比重が軽いため、多数歯欠損になっても比較的軽く仕上がることが多いです。多数歯欠損になれば補綴物が重くなり、違和感を覚えることもありますが、セラミックの場合その可能性は低くなります。
材料自体の価格が安定しているため、一定の料金で提供できる
近年、金属の単価高騰により、歯科用金合金や白金加金など多く使われてきた金属が高くなっていています。
しかし、セラミック材料は単価自体が安く、材料の大量生産が可能なため材料代が安価で尚且つ安定して供給することができるものです。金属を使用した場合、1g何円で請求されますが、セラミック材料は1本何円という請求になると思います。
金属は、補綴部位や本数によっても変わってきますし、咬み合せの状況によって大量に使用しなければならないこともあります。しかし、セラミック材料は部位や噛み合わせに関係なく材料代が設定されています。
デメリット
基本的には壊れる素材なので、割れることがある
セラミックの最大の欠点は、『割れたり壊れたりする』ということです。金属は、十分な強度と粘りがあるので、割れたり壊れたりすることが少ない材料です。
かしセラミック材料は、強度こそはあるものの、粘りが少ない材料なので、過度の衝撃や歪が起きると割れてしまいます。
これを防ぐため、中に金属を使用して強度を増したり、噛み合わせによって負荷がかかるところを金属にして、そのほかをセラミック材料にするという手法が取られています。
天然の歯よりも硬いものがあるので、残存歯に影響が全く無いとは言えない
セラミック材料のほとんどが歯よりも硬い材料で出来ています。勿論、歯と同じくらいの硬さの材料もありますが、単体で使用した時にそれでは歯科補綴物として強度不足ですぐに壊れてしまいます。
材料によっては10倍以上も天然の歯より硬いものがあります。ですので、長い年月をかけて噛み続けることにより、反対の噛み合わせる歯や、隣り合わせになる歯にあまり良くない影響を与える可能性があります。
歯の欠損部位、本数によっては強度の問題上使用できない場合がある
セラミックは壊れる可能性のある材料です。ですので、欠損部位や本数によっては使用できないことがあります。その時は金属で補強をするか、より硬い材料を使用して歯科補綴物を製作します。金属を使用すれば材料代が高価になりやすいことと金属アレルギーの心配が出てきます。
また、歯よりも硬い材料を使用すると周りの歯に悪影響を及ぼす可能性も出てきます。ですので、一概にセラミックが一番良いとは言えません。欠損部位や本数、また咬み合せの状態によって最良の材料を見つけることがセラミック補綴を成功させる一つの要因になります。