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総入れ歯になった場合の噛み方のコツ
2015年05月15日
目次
総入れ歯の人は前歯で噛みたがります。
総入れ歯の人は一気に歯を失って総入れ歯になる人はほとんどいないと思います。
少しずつ自分の歯を失ってすべての歯がなくなってしまう人が大半だと思います。
人は歯を失うと残っている部分で食べ物を噛みます。
そうすると少しずつ下の顎の位置も変化してきます。
また、人は奥歯を先に失う人が多く、前歯は比較的残っている期間が長いので、奥歯ではなく前歯で噛む癖がついている人が大勢います。
総入れ歯は前歯では食べ物を噛みきることはできますが食べ物を小さくすることができません。
また、総入れ歯は患者自身で取り外しが可能ですが、その分何かの力で外れてしまうリスクが伴います。
前歯で食べ物を噛むと、総入れ歯が外れてしまうことがあります。
なので絶対に食べ物は奥歯で噛むようにしなければなりません。
総入れ歯にはたくさんの理論が存在します。
総入れ歯には多くの理論が存在し、ほとんど宗教的なものになっています。
宗教者が改信を滅多にしないのと一緒で、歯科医師は自分の信じた理論を変えることはまずありません。
しかし、どの理論もきちんとしたエビデンスがあり、しっかりと治療を行えば良い結果が得られることも確かです。
ただ、残念ながら不完全な理論も多く、中には理論をミックスして自分独自の方法をとる歯科医師も存在します。
そして、なにも理論が無くただただ入れ歯を作る人もいます。
これでは絶対に良い入れ歯は作ることができません。
もし、自分が通っている歯科医院で入れ歯を作ったが、なかなか合わなかったり食べ物が食べづらかったりと言う問題があるのならば、作り直しても次も同様の結果になる可能性が高いので、そのときは歯科医院を変えた方が良いでしょう。
総入れ歯は噛み切ることはできても、食べ物をすり潰すことが難しいものです。
今現在、日本の多くの歯科医院で取り入れられている理論がリンガライズドオクルージョンと言うものです。
これは少し平ら気味にした下の奥歯に上の顎の奥歯の舌側の咬頭を噛ませて、義歯を安定させ尚且つ噛みやすくする方法です。
確かに食べ物を噛んだときに安定することが多いので入れ歯が外れたり口腔内に当たって痛みがでたりすることが少ないく、煎餅やお肉等硬いものも噛み切ることができます。
しかしながら、如何せん食べ物を小さくする能力があまり高くなく、またすり潰す能力も低いので、生野菜等の繊維的なもの、もしくはお米等のすり潰して旨味や甘みを感じるものには高い効果を望めません。
日本の食べ物は噛み切るだけでなくすり潰して食べるものが多いので、私はあまり日本人向きではないのではないかと感じています。
しかし、どの理論も奥歯でものを噛まなければ機能しないものになっているので、前歯で食べ物を噛み切ってもいいですがモグモグと食べることは避けなければなりません。
どのような総入れ歯がよいのか
1. 保険適応の総入れ歯では限界があります。
保険適応の入れ歯は、謂わば靴屋さんで売っている靴と同じです。
自分に合っているであろうものを選択し、履くことで歩くことができます。
しかし、始めのうちは歩きづらかったりどこかに痛みがでたり靴擦れを起こす等の問題が発生します。
靴の場合は素材が柔らかいので馴染んできますが入れ歯はどうでしょうか?
入れ歯は硬い素材でできているのでオーダーメイドのものでなければ絶対にフィットしません。
しかし、現在の保険適応範囲内の入れ歯はセミオーダー程度の治療内容しか提供できないのが現実です。
ある程度の型取りとある程度の噛み合わせしか合わせられません。
もちろん保険範囲内でもきちんとした入れ歯を提供してくれるところもありますが、大半の歯科医院は保険点数が低いため に時間をかけて治療することが不可能です。
保険適応範囲内の総入れ歯は最低限『噛める』ことができるまでしか結果が得られないのが現状です。
2. 自費治療なら大丈夫なのか?
答えは『いいえ』です。
残念ながら多くの歯科医院は保険で決められている材料ではなくもっといい材料や、金属床等の金属を使用するから自費治療というだけのところがあります。
材料を変えたからと言って根本的な理論が無ければ絶対に噛める入れ歯を作ることはできません。
確かに噛み心地や温度の伝わり方は変わりますが、痛みがでたり思うように噛めなかったりする可能性が出てきます。
よって、ただただ自費治療を勧めてくるところは注意が必要です。
3. 治療用義歯を使用したカスタムオーダーメイドの総入れ歯が良いです。
総入れ歯になって人のほとんどの人は顎の位置が理想の場所からズレていたり噛み癖がある人だと感じます。
その顎のズレを治しながら、尚且つ自分の口腔内にあった入れ歯の形を模索していく方法があります。
私はこの方法が一番満足度の高い総入れ歯ができると思います。
しかしこれには欠点があり、治療期間が長くなってしまうこと、治療費が高額になってしまうこと、歯科医師と歯科技工士の技量が大切になると言うことがあげられます。
しかし、逆に考えると、自分の異常を治し理想の形を整えるには長い時間を必要とするということは、保険範囲内では満足のいく総入れ歯を作ることは難しいと言うことです。