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歯磨きのとき、歯磨き粉を使うのは本当に良いこと?
2015年05月29日
目次
歯磨き粉とは?
世界最初の歯磨き粉は紀元前1550年頃の古代エジプト時代までさかのぼります。
日本では1625年に販売が確認されています。
主に漢方を配合したもので、そのころのキャッチコピーも『歯を白くする』や『口の悪しき臭いを改善する』といったもののようでした。
現在市販されている歯磨き粉は、ペースト状、ジェル状、液状、液体、フォーム状、粉などの種類があり、医療メーカー等から数多くの種類の歯磨き粉が販売されています。
歯磨き粉の主な成分としては、
1.清掃剤(研磨剤)2.湿潤剤3.発泡剤4.粘結剤5.香味剤6.保存料7.薬用成分 等が配合されています。
特に7の薬用成分であるフッ化物には虫歯予防の効果があり、多くの歯磨き粉に配合されています。
歯磨き粉を使用して歯磨きをする利点。
毎日行う歯磨きに歯磨き粉を使用することにより、中に含まれる薬用成分を効果的に利用することで虫歯や歯周病の予防をすることが可能です。
歯磨き粉を使用せず磨くよりも、使用する利点の方が多いので、使用することをお勧めします。
主な効果として期待できることは、
- 虫歯の発生と進行を防ぐ
- 歯周病を防ぐ
- 歯を白くする
- 歯の着色を防ぐ
- 口中を浄化する
- 口臭を防ぐ
- 歯石が溜るのを防ぐ
- タバコなどのヤニを付きにくくする
などがあげられます。
また、薬用成分に配合されているフッ化物により虫歯になりにくい口腔内環境にすることや、歯周病予防のために配合されている薬用成分の働きにより、使用した方が明らかに良いデータもあります。
フッ化物って?
現在日本では、フッ化物配合歯磨剤は医薬部外品として位置づけられており、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化スズの3種類が承認されています。
最も有効性が確立されているのがう蝕予防の目的で、1990年の調査でアメリカなどの口腔保健の先進国では90%を超える普及率を誇ります。
日本でも、近年になってフッ素が含まれている歯磨剤のシェアが上昇しており、現在で市販されている歯磨き粉のうち、フッ化物配合歯磨剤は約90%存在します。
日本の薬事法によりフッ化物の濃度は1000ppm以下に規制されています。
フッ化物の有効性は?
フッ化物の配合された歯磨き粉の虫歯予防のメカニズムは、エナメル質にフッ化物が沈着することによる再石灰化の促進と、歯垢(プラーク)中へのフッ化物の蓄積です。
歯垢中にフッ化物が蓄積されることにより、抗菌作用を与えます。
そしてフッ化物の蓄えとして機能することよって、虫歯侵菌が歯への侵襲時に脱灰の抑制とともに再石灰化を促進させます。
フッ化物が配合された歯磨き粉を使用する有効性に関する研究については、1945年以降頻繁に行われています。
日本での調査によると、フッ化物が配合された歯磨き粉を使用するとむし歯の予防効果は20~30%ありようです。
また、アメリカでは水道水にフッ化物を配合することにより虫歯になる人が減少したというデータもあります。
現在日本ではフッ化物を口腔内に塗布もしくは摂取することは歯科医院での治療とフッ化物の配合された歯磨き粉のみなので、歯磨き粉は日常的に利用できる唯一のフッ化物供給源になります。
歯磨き粉を使用した場合のほかの効果
1. ホワイトニング効果
歯磨き粉の中に強力な歯磨剤を配合することにより、ヤニや沈着などを剥ぎ取り、また付着しにくくすることにより歯を白くする効果を得ることができます。
しかし、強力すぎるものを使用したりあまりにも強い力で歯磨きをすると、歯や歯茎に傷を付けたり刺激が強すぎて悪影響を及ぼす可能性があります。
2. 歯肉炎・歯周病・歯槽膿漏の改善効果
虫歯と歯周病菌は別の菌です。
虫歯の原因菌は主にミュースタンス菌というものです。
歯周病の原因菌は数種類の原因菌が確認されています。
ですので、基本的には虫歯を予防する薬用成分と歯周病を改善させる薬用成分は異なります。
人間の口腔内には何百という細菌が存在し、微妙なバランスを保っています。
しかし、何かのバランスが崩れた時に歯周病を発症します。
その数ある歯周病菌の中からを主犯格を突き止めるには歯科医院にて精密検査が必要なのですが、もし自分が選択した歯磨き粉の中の薬用成分が主犯格の病原菌に効果を及ぼすものであったら、改善の期待が持てます。
磨き方に注意しなければなりません。
歯磨き粉を使用して歯磨きをすると、スッとした清涼感や発泡剤による泡立ちで清潔感をみなさん感じたことがあると思います。
しかし、その効果が勘違いを起こしやすい原因にもなっています。
確かに歯磨き粉を使用すると爽やかな口の中の感覚や臭いを得られるのでしっかり磨けたと思いがちですが、実は全く磨けていないことが大半だと思います。
歯周病を予防・改善する効果のある歯磨き粉の中には発泡剤を含んでおらず、まったく泡の立たないものもあります。
結論的には、ただ歯磨き粉を使用して歯磨きをするだけならば期待している効果は得られないということです。
ですので、歯科医院での正しいブラッシング指導を行ってもらった後、自分に合った歯ブラシ、歯磨き粉を選択してもらい、毎日正しいセルフケアを行うことが歯磨き粉の効果を最大限生かすことのできる手段であると思います。