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保険と自費の入れ歯
2015年06月26日
入れ歯を入れようと考えている人にとって、入れ歯を作った後の見た目や違和感は気になるものです。
保険適用のものにしようか、自費の入れ歯にしようか悩んでいる人も多いと思います。
今回は、保険と自費の入れ歯の違いについて説明していきます。
目次
入れ歯の種類
大きく入れ歯には、取り外し式の入れ歯と固定式の入れ歯(ブリッジ、インプラント)があります。
さらに、取り外し式の入れ歯には部分入れ歯と総入れ歯の2種類があります。ここでは取り外し式の入れ歯、部分入れ歯と総入れ歯についてお話していきます。
部分入れ歯
部分的に歯を喪失した場合に使用する入れ歯のことです。
口の中の粘膜で支えるとともに、残っている歯に金属をかけて、動かないようにします。
総入れ歯
全ての歯を喪失してしまった場合に使用する入れ歯のことです。
口の中の粘膜で入れ歯を安定させます。
入れ歯の構成要素
入れ歯は床、人工歯、クラスプ、レスト、連結子などから構成されています。
床
歯の土台となる部分を床といいます。床は粘膜や歯肉と同じような働きをします。
ピンク色のプラスチック(レジン)だけで作った入れ歯と、プラスチック(レジン)と金属で作った入れ歯があります。
人工歯
人工的に作られた歯のことを人工歯と呼びます。
人工歯の材料にはプラスチック(レジン)や、セラミック、金属があります。
クラスプ・レスト
クラスプは入れ歯を支える歯に引っ掛けるバネのことで、義歯を安定させます。
クラスプにはレストという小突起が付いていることがあります。
これは入れ歯を支える歯に形成した溝と適合させることで入れ歯が動くのを防止し、噛む力を負担します。
保険と自費の違い ~部分入れ歯~
保険適用の入れ歯の特徴
金属とプラスチックの材料にて製作します。保険適用のため安く作ることができるものです。
来院回数が少なくてすむので、肉体的、金銭的な負担が最も少ないです。
その一方で、製作可能な設計に限りがあります。
そのため、見た目が悪くなってしまったり、安定しにくい設計の入れ歯になってしまったりします。
また、人工歯や床の色も選べることができるものが少なく、残っている歯や歯茎の色と合わない場合があります。
ノンクラスプデンチャー(自費)の特徴
ノンクラスプデンチャーは金属のクラスプやレストがなく、歯茎にフィットしやすい柔らかい材料で作られているのが特徴です。
人工歯の色や形、床の色を選ぶこともでき、見た目がよく、違和感が少ないと言われています。
しかし、この入れ歯が作れないケース、作れない歯科医院が多いことが短所として挙げられます。
自費の入れ歯(ノンクラスプデンチャー以外)の特徴
金属とプラスチックの材料で作ります。
自費の入れ歯の特徴は、入れ歯をよく噛め、口の中で動かない設計にできること、床と床をつなぐ連結子を薄い金属にできることが一番の特徴です。
薄い金属の連結子を使用することにより、違和感が少なく、食べ物の味がおいしく感じると言われています。
また、選ぶことができる人工歯の色や形、床の色があり見た目をよくすることができます。
一方で、来院回数が多くなり、高価です。
また、作成しても保険適用の入れ歯と変わりがない場合もあります。
自費(ノンクラスプデンチャー以外) | ノンクラスプデンチャー(自費) | 保険適用 | |
---|---|---|---|
特徴 | 金属とプラスチックの材料で製作 | 歯肉にフィットする材料で製作 | 金属とプラスチックの材料で製作 |
長所 | 金属とプラスチックの材料で製作 薄くできるため違和感が少ない 食べ物の味がおいしく感じる 熱が伝わりやすい |
見た目がよい 歯茎になじみやすい 金属のバネがない 違和感が少ない |
保険が適用されるため安価 治療期間が短い 6か月ごとに再製作できる |
短所 | 製作に時間がかかる 高価 作成できない場合もある。 |
製作に時間がかかる 高価 作成できない場合が多い。 作成できる歯科医院が少ない。 |
違和感が出やすい 人工歯や床の色が少ない 金属が見える場合がある。 6か月ごとにしかに再製作できない |
保険と自費の違い ~総入れ歯~
保険適用の入れ歯の特徴
保険適用の入れ歯は、プラスチックの床で製作されているという点が一番の特徴です。
安価ですが、違和感があったり、味がわかりにくくなったりすると言われています。
また、選ぶことができる人工歯の色や種類が少なく、歯がすり減りやすいことが欠点として挙げられます。
自費の入れ歯の特徴
金属の床とプラスチックの床を組み合わせて製作します。
薄く、軽くできるため違和感が少なく、熱が伝わりやすいので食べ物の味がおいしく感じると言われています。
使用する金属の種類には、アレルギーが起こりにくいものや、なじみやすいものなどがあります。
自費 (金属床) | 保険適用 | |
---|---|---|
特徴 | 金属とプラスチックの材料で製作 | プラスチックの材料で製作 |
長所 | 薄く、軽くできるため違和感が少ない 食べ物の味がおいしく感じる 熱が伝わりやすい |
保険が適用されるため安価 治療期間が短い 6か月ごとに再製作できる |
短所 | 製作に時間がかかる 高価 作成できない場合がある |
厚みがある 割れやすい 人工歯が擦り減りやすい |
保険適用の入れ歯がおすすめされる場合
歯を抜いてすぐ入れる入れ歯や、他の歯を治療する予定がある場合は保険適用の入れ歯がおすすめされます。
自費の入れ歯を希望している場合でも、残っている歯の治療が全て終わってから自費の入れ歯を製作するのが良いとされています。
まとめ
自費の入れ歯にはよく噛める、違和感が少ない、見た目がいいという長所があり、高価で、来院回数が多い、作成できる場合が限定されているという短所があります。
一方、保険適用の入れ歯は安く、6か月に1回作り直すことができるという長所があります。
逆に、見た目が悪くなる場合や違和感があったり、食べ物の味がわかりにくくなったりするという短所があります。
入れ歯を製作する際は、自分に見合った入れ歯を製作できるように、十分に歯科医師と相談しましょう。