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妊娠すると歯が弱くなると聞きましたが、本当ですか?どうしたらよいですか?
2015年07月29日
女性はお腹に赤ちゃんを授かると、赤ちゃんのためにもたくさんの栄養を取る必要があります。
たくさん食べて、元気な赤ちゃんを産みたいですよね。
妊娠中の母体については色々な噂や注意がありますが、赤ちゃんにまつわる噂の一つに妊娠すると歯が弱くなる。
という事も耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
妊娠中に歯が弱くなる原因や対処法についてご紹介していきたいと思います。
目次
妊娠中のお口のトラブル
お母さんの栄養が赤ちゃんに移行することはご存じの方も多いと思いますが、歯のカルシウムが赤ちゃんに移行するため虫歯になるということはありません。
しかし妊娠中にはさまざまなお口のトラブルもある事も現状です。
具体的には歯周病や歯肉炎、虫歯や口内炎などが挙げられますが、トラブルに発展するには理由があるのです。
その理由についてみていきましょう。
つわりによる影響
妊娠すると個人差はありますが歯が弱くなったり、痛みを伴う原因はいろいろあります。
その理由の一つがつわりによる影響です。
つわりといっても妊娠初期にあらわれる吐き気や嘔吐の他、妊娠中期や後期においてもさまざまな体調不良が挙げられます。
このつわりや体調不良によって、歯ブラシをすることで吐き気を催す場合もあるため、通常の歯磨きができず、磨き残しなどにより虫歯や歯周病に発展してしまう場合があるのです。
口内環境の変化
次に口の中の状態が変わるという点です。
妊娠をすると赤ちゃんを育てるため女性の体は大きく変化していきます。
お腹が大きくなっていくなどの外見的な変化はもちろん、ホルモンバランスが変わることにより、口の中の環境も変化していくのです。
体重の増加やむくみなど妊娠に伴う変化が明らかに分かるものは意識もできますが、実は口の中が変わっている事は気づきにくいもの。
そのため普段と同じように磨いているつもりでも、きちんと磨けていない場合もありますし、体調を優先するあまり歯磨きは後にして体を休めたりすると結果的に歯磨きを忘れてしまったという事につながってしまいます。
体の変化と共に口の中も変わっているという事に意識を向けると歯磨きできない場合は水でうがいをしたり、時間を短くして回数を増やしたりと対処もできるのではないでしょうか。
妊娠性歯肉炎
妊婦さんの歯にまつわるトラブルの一つに妊娠性歯肉炎というものがあります。
これは妊娠2ヵ月から4ヵ月前後に歯肉が腫れたり、出血しやすい状態になってしまうことです。
個人差はありますが、おおよそこの時期にちょっとした刺激で出血することで歯が弱くなってしまったと認識する妊婦さんも多くいます。
しかしこれは妊娠によるものなので口の中をきれいにして歯肉をマッサージすることで改善できますし、ある程度の時期が過ぎれば治るので心配はありません。
この妊娠性歯肉炎というものがあるということを頭に入れておくと、一時的ですが歯が弱くなってしまったと不安になることも減るのではないでしょうか。
体温の上昇に伴う細菌の増加
妊娠中は普段より体温が高くなり、口の中にある細菌の活動が活発になることも分かっています。
普段通りに歯磨きをしているつもりでも、細菌が活発に動いていますからその分、いつも以上に丁寧に歯磨きをしないと虫歯になる可能性も高まります。
毎日の積み重ねがお口のトラブルにつながるため、妊娠中は特に注意を払う必要があるのです。
酸蝕症(さんしょくしょう)にも注意
妊娠中はバランスの取れた食事を心掛け、適度な運動と母体を最優先にした生活が求められます。
中でも食事は楽しみの一つでもあるため、バランスを考えながら食事を取っている妊婦さんも多くいます。
妊娠中はさまざまな体の変化に伴い口の中の唾液も酸性に変わるので、その酸が歯を溶かしてしまう酸蝕症(さんしょくしょう)にも気をつけなければいけません。
酸蝕症(さんしょくしょう)とは酸によって歯のエナメル質が溶けてしまうもので、ちょっと歯が削れてきたかもと心配になったことがある方もいるのではないでしょうか。
口内環境の変化や食事のバランスなどに影響を受けているといわれています。
妊婦さんは口の中が酸性になるためこの酸蝕症(さんしょくしょう)のリスクもあるので、より口の中を清潔に保つことが重要になってくるのです。
定期的に歯科検診を
虫歯や歯周病などお口にまつわるトラブルは多く考えられますが、妊婦さんでも治療してくれる歯医者さんもあるので、妊娠が分かった時点で早めに検診を受け治療する事をおすすめします。
また、定期的に検診を受けることで早期に発見し、治療をすることができるので予防的な観点からもスケジュールに歯科検診の予定を組んでみてはいかがでしょうか。
妊娠中は歯が弱くなるというより、さまざまな原因から歯のトラブルが増えるということがあります。
歯磨きが出来ない場合は自分に合った方法を見つけ、なるべく口の中を清潔に保つことをおすすめします。