BLOG
神経を抜くと虫歯になりやすいの?
2015年10月14日
目次
神経を抜くってどういうこと?
歯の治療で神経を抜くという言葉を耳にすることも多いかと思いますが、実際に歯の神経を抜くとはどういったことを指すのでしょうか?
本来、健康な歯には神経が通っています。
その神経によって、新陳代謝が行われ、白く強度が保たれているのです。
神経を抜くことによってこうした活動が行われなくなってしまい、いわゆる「歯が死んでいる」状態になります。
「神経を抜かれたくない」という患者様が多いのはこういった理由からです。
神経の治療方法
神経を抜く治療では実際にどのようなことをしているのでしょうか。
歯の神経の数は人によって異なります。
こうした神経を取り除き、その代わりに薬を中に入れていく治療を行います。
根の中に細菌が入らないよう注意を払いながら治療を行うことが大切です。
この薬を隙間なく入れていく作業もまた完治させるためのポイントになります。
ここで、空気などが入ってしまうと、そこから細菌が繁殖し時間の経過とともに痛みが再発する原因となってしまうのです。
神経を抜くデメリット
神経を抜くデメリットとしてあげられるのが、強度の問題です。
新陳代謝が行われなくなった歯は水分が歯に運ばれなくなってしまうことから、もろくなり、健康な歯と比べても割れたり、欠けやすくなってしまいます。
そして、見た目も黄ばんだり、黒ずんだ色へと変色しやすくなります。
古い組織がそのまま残っているために、起こる現象です。
また、温度を感じることが出来なくなるため、食事の美味しさが損なわれてしまう点もあげられます。
どんなときに神経を抜くの?
神経は治療の際には出来るだけ抜きたくないものです。
しかしながら、歯の状態によっては抜髄がやむを得ないケースもあります。
では、実際にどんなときに神経を抜くのでしょうか。
まず、あげられるのが激しい痛みです。
虫歯が進行してくると、神経にまで達し強い痛みを引き起こします。
放置しておくとより深いところに虫歯菌が入ってしまうことから、神経を抜く必要があります。
また、膿がでる症状が見られる場合には、既に神経が死んでしまっていることから抜髄が必要になります。
神経を抜かない治療1
細菌では神経を抜かない治療も行われています。
具体的にはどんなものがあるでしょうか。
「ドックベストセメント治療」と呼ばれる治療法があります。
これは、殺菌力の高い薬剤を使用することで、神経に入った虫歯菌を無菌化する方法です。
薬剤には鉄イオンと銅イオンが含まれていて、高い殺菌効果を発揮します。
虫歯菌が神経に入ってしまった場合でも、あきらめずにこうした治療を行うことで、抜髄を避けられる可能性が高くなります。
神経を抜かない治療2
神経を抜かない治療法として「3Mix法」と呼ばれるものがあります。
これは、虫歯をある程度残したまま、表面の処理をして神経を残す方法です。
痛みがあまり出ていないケースで有効な治療法です。
神経部分に薬剤を詰め、仮の詰め物をしてしばらく様子を見ます。
しばらくして痛みが出ないようであれば、その後、詰め物をセットし治療が完了します。
進行があまり進んでいない虫歯のケースではこうした治療により神経を残すことが出来る可能性があります。
神経治療の最新1
細菌では、神経を抜く治療は最新の設備を利用することも増えてきています。
CTを用いたレントゲン撮影もその1つです。従来のレントゲンでは、平面でしかとらえることができなかったため、奥行きまでは撮影することが難しいものでした。
ところが、CTを導入することで3Dで神経の形や数までを簡単に把握することが出来るようになりました。
これにより、Drの腕に頼りがちであったこところを、誰でも精度の高い治療が行えるようになったのです。
神経治療の最新2
神経を抜く際の器具として拡大鏡を使用する歯科医院もあります。
神経はとても小さいものもあり、見落とす可能性を減らすために、拡大鏡を使用するのです。
神経の取り残しは痛みの再発の原因にもなることから、こうした器具で確実に除去していくことが大切になります。
また、神経の管を整える際に、ニッケルチタンファイルという器具を使用することもあります。
これにより、治療時間が短くなることから、患者様の負担を最小限に抑えることが可能になります。
神経を抜いた後に気を付けること
神経を抜いた歯は見た目は黒ずみ、さらに強度が低くなります。
とくに強度が低くなると硬いものを噛んだ際に割れるリスクが高くなります。
そのため、健康な時以上に、ものを噛む際には注意が必要です。
神経治療の際に、補強するなどの治療も行いますが、それでも、歯は割れやすい状態になっていることから、長い期間歯を保存するためにも歯に気を配り生活していくことが大切です。
まとめ
神経を抜くデメリットは多くありますが、代表的な例として、新陳代謝が行われなくなり、強度が落ちる、黒ずみやすくなるなどの症状が見られます。
それにともない、虫歯菌が繁殖しやすい環境にもなることから、虫歯のリスクも高くなります。
最近では、神経を抜かずに行う治療法も増えてきています。
状態によっては抜髄が避けられないケースもありますが、まずは、神経を残す可能性を探った後に神経を抜く治療を始めることをオススメします。