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妊娠中から生まれてくる子供のために出来るデンタルケアーには、どのようなものがありますか?
2016年01月24日
妊娠中は、食事や体調などのあらゆる面で、胎児と母である女性との間で関係してくる部分があります。
例えば、風邪薬を飲むことで胎児に影響を及ぼしますし、飲酒や喫煙は厳禁とまで言われています。
では、歯科関連においてはどうなのでしょうか?
ここでは、妊娠中の段階で、子供のために出来るデンタルケアーがあるかどうかを考えていきます。
目次
虫歯に注意する
あるデータの結果ですが、母親が妊娠中に虫歯になった場合とそうでない場合とを比べた時、2歳の子供が虫歯になる確率は、母親が虫歯になった時の方が圧倒的に高くなっています。
最も、「母親が妊娠中に虫歯になる=子供も虫歯になる」とは限りません。
しかし、データから判断すると、関連があるのは確かだと言えます。
しかも、妊娠中の女性は食生活に変化が起きますし、ホルモンバランスも変化するため、やっかいなことに虫歯になりやすい状態になっているのです。
このため、普段以上に虫歯予防を徹底する必要があるため、少しでも違和感があったら、早めに歯科医院で診断してもらった方がいいでしょう。
食生活に注意する
一見デンタルケアーとは無関係に思うでしょうが、食生活も大きく関わってきます。
これは、子供の歯を丈夫にする上で欠かせないことであり、妊娠中に、歯の形成に必要な栄養素をしっかりと摂取することが、子供の丈夫な歯を作る要因になるのです。
ちなみに、子供の歯は乳歯からスタートし、いずれは全て抜けて永久歯に生え変わります。
しかし、実は妊娠中の段階で、子供の永久歯の一部が既に作り始められているのです。
このため、妊娠中の段階で必要な栄養素を摂取しなければ、乳歯だけでなく、永久歯にも影響を与えるのです。
歯周病に注意する
注意が必要なのは虫歯だけでなく、歯周病においても同じで、これも子供の健康に関わる要素です。
と言うのも、母親の女性が歯周病になることで、それが早産に繋がると言われており、実際のデータでは、歯周病の女性が早産する確率は、そうでない女性の5倍もの数字になっているのです。
妊娠をすると、女性ホルモン増加の影響で、炎症に反応しやすく、歯周病を引き起こしやすくなります。
一方、身体の機能はこれを防ぐための反応をするわけですが、その結果、出産を促進する物質が必要以上に分泌されてしまい、これが早産に招くのです。
また、歯周病のやっかいなところは、自覚症状がない点で、気づきにくいという特徴を持っています。
このため、こうした早産防止の意味もこめて、妊娠中は歯科医院で定期健診を受けることをおススメします。
悪阻(つわり)に注意する
妊娠中は、どうしても悪阻が起きてしまうものなので、これ自体を予防することはできません。
また、悪阻が悪いわけではないのですが、問題なのは悪阻後の口内の状態になります。
嘔吐によって口内が胃液で満たされ、胃液は強酸性でもあるため、虫歯菌を発生させやすくなります。
このため、悪阻が酷い女性は丁寧なブラッシングが必要になるのです。
一方、当人からすれば、吐き気が酷い状態では、とても丁寧にブラッシングできる余裕はないでしょう。
それ以前に、歯磨きを口内に入れただけでも気持ち悪くなることもあるため、こうした生活習慣が、虫歯になりやすくさせてしまうのです。
母親の女性の虫歯は子供に影響を及ぼすため、ブラッシングを怠ることは避けてください。
定期健診を受けることの勧め
ここで説明してきたように、妊娠中の虫歯や歯周病は、生まれてくる子供のために避ける必要があります。
しかし、どちらもなりやすい体質になっている以上、自身の力だけで予防することは困難です。
このため、完全な予防を目指すなら、歯科医院での定期健診が欠かせないのです。
そして、こうした定期健診を受けること自体が、子供のためのデンタルケアーでもあるのです。
自身でのケアはもちろん、専門医の指導の元、より完全なデンタルケアーを目指してください。
また、定期健診を受けることで、予防はもちろん、実際に虫歯になった際でも早期発見が可能なのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、妊娠中に子供のためにできるデンタルケアーについてまとめます。
- 虫歯に注意する :妊娠中に虫歯になると、子供も虫歯になりやすいというデータが挙がっている
- 食生活に注意する :食生活で摂取する栄養素は、子供の丈夫な歯を作る元になっている
- 歯周病に注意する :歯周病になることで、身体のメカニズム上、早産のリスクが高くなる
- 悪阻に注意する :悪阻によって口内が酸性になるため、虫歯になりやすくなる
- 定期健診を受けることの勧め :予防の効果も高く、虫歯や歯周病も早期発見が叶う
これら5つのことから、妊娠中に子供のためにできるデンタルケアーについて分かります。
口内の状態はお腹の子供とは無関係に思う人も多いでしょうが、実際にはこうした関連があるのです。
このため、自身のためはもちろん、子供のためにも、今回紹介したケアは欠かさないでください。
特におろそかにしてしまいがちなのは定期健診ですが、実はこれが最も大切で、最も効果的なケアなのです。