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歯と歯茎の隙間~原因と解決法
2016年02月01日
歯と歯茎の隙間は歯科では「歯周ポケット」と呼ばれる部分です。
歯周ポケットはなぜできてしまうのか?歯周ポケットをなくすためにはどうしたらいいのかをご紹介していきます。
目次
歯周ポケットができる原因2つ
歯肉炎
歯と歯茎の境目にプラーク(歯垢)があると、歯茎が炎症を起こします。
その初期段階が「歯肉炎」という症状です。歯肉炎は、歯茎が赤っぽい(健康な歯茎はきれいなピンク色をしています。)歯磨きをしたときに出血がある。
歯間乳頭(歯と歯の間の歯茎が三角になっている部分)が丸くぶよぶよしている。
このような症状が歯肉炎です。
歯肉炎では、症状は歯茎のみに限局されており、歯槽骨(歯が植わっている骨)の破壊は起こっていません。
歯肉炎では、歯茎が炎症により少し腫れるため、歯周ポケットができます。
歯肉炎での歯茎の腫れは1~2mm(歯周ポケット2~3mm)であることがほとんどですので、歯肉炎程度では、歯と歯茎の隙間はあまり気にならない場合もあるでしょう。
歯周病
歯肉炎が進行すると、徐々に歯周病菌によって歯槽骨(歯が植わっている骨)の破壊が起こります。
健康な状態では、歯茎とは歯は歯根膜というコラーゲン組織でかたく結合されています。
ですが、歯周病菌によってこの歯根膜の破壊が起こると、歯と歯茎が離れていってしまい深い歯周ポケットが形成されます。
歯周病になると、歯肉炎と同じように歯茎の腫れもありますが、その腫れた分だけでなく、歯根膜が破壊されることによって歯と歯茎が離れてしまうため、歯周ポケット内の底部でも歯と歯茎の隙間は広がっていきます。
歯と歯茎の隙間に食べ物が挟まるなどの症状がある場合には、歯肉炎ではなく、歯周病にまで症状が進行している可能性が考えられます。
歯周ポケットができてしまったときの解決法2つ
セルフケアの徹底
セルフケアとは、普段の歯磨きを中心としたご自分で行うケアのことです。
歯と歯茎の隙間が気になる場合には、歯と歯茎の境目を意識して歯磨きをしていただくと良いでしょう。
ただし、かたい歯ブラシ、強い力で歯茎との境を磨いてしまうと、歯肉が下がったり、知覚過敏を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。
歯と歯茎の境目を磨くときには、けしてその隙間にブラシを入れるような角度でブラシを当てないようにしてください。
また、合わせて歯間ブラシやフロス(糸ようじ)などの補助清掃用具の使用もお勧めします。
通常の歯ブラシだけでは取りきれない汚れを除去することができます。
「歯肉炎」の段階であれば、セルフケアを徹底することで歯茎の腫れが引き、歯周ポケットがなくなる可能性もあります。
歯科での専門治療
歯肉炎であっても、歯茎の付近に歯石が付着してしまっている場合には、セルフケアだけではなかなか症状が改善しません。
歯石は、表面がざらざらしていて、その上にさらにプラークがたまりやすく、除去しにくくなるという特徴があります。
また、歯肉にかぶったような形で歯石が付いてしまっていると、その部分にだけひどい炎症がみられることがあります。
このように、歯肉炎であっても、歯石が付いている場合には必ず歯科での専門治療、歯石の除去が必要になります。
歯石の除去後には、再び歯石が付着しないようにセルフケアを頑張ってください。
歯周病に症状が進行してしまっている場合は、歯周ポケット内の清掃が必要になります。
歯周ポケット内に歯石が付いている場合はその歯石から毒素が出て、さらに歯周病を進行させます。
これをほおっておくと歯と歯茎の隙間はどんどん広くなっていきます。
歯周病の場合は、歯石除去や通常のクリーニングに加え、歯周ポケット内の歯石除去、歯肉切除、歯周外科治療などが必要になることがあります。
歯周病は早期発見が非常に重要な病気です。
発見が遅れ、重度の歯周病となっていた場合には、保険適応の処置では歯周ポケットを改善できず、保険適応外の歯周再生療法(エムドゲイン、GTRなど)が必要になることもあります。
定期的なクリーニングをお勧めします
歯と歯茎に隙間(歯周ポケット)ができる原因と、解決法、お分かりいただけましたか?
歯周ポケットができる原因
- 歯肉炎
- 歯周病
歯周ポケットができてしまった時の解決法
- セルフケアの徹底
- 歯科での専門治療
歯肉炎と、歯周病の違いは、鏡で見ただけではなかなか判断ができません。
歯と歯茎の隙間が気になるという場合には、早目に歯科医院を受診し、適切な処置、指導を受けることをお勧めします。
また、定期的に歯科でクリーニングを受け、歯肉炎、歯周病を未然に予防することも大切です。