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歯周病は何歳くらいから起こるものですか?
2016年02月15日
お口の中の細菌バランスは、加齢に応じて変化していきます。
その中で、歯周病は起こり始める年齢、また、虫歯になりやすい年齢というものもあります。
歯周病を「年齢」と関連づけて、ご説明していきましょう。
目次
歯周病が始まる年齢
歯周病が始まる年齢=20代
歯周病は、20代から徐々に発症してくる場合が多いといわれています。
しかし、これには口腔内の常在菌(常に存在する細菌)のバランスや、歯磨きの方法、生活習慣、歯科医院での予防プログラムの実施有無によっても大きく差が出ます。
- たばこを吸っている
- 糖尿病がある
- 夜歯磨きをしていない
- 間食が多い
- 歯並び、かみ合わせが悪い
- 歯医者に行ったことがない
- 虫歯になったことがない
- 歯科には歯が痛いときにしか行かない
このようなものに当てはまる人は、20代でもすでに重度の歯周病になっていたり、10代のうちに歯周病が始まるということも十分考えられます。
ちなみに、虫歯になりやすい年齢は20代前半ごろまでで、それ以降は徐々に虫歯にはなりにくくなってきます。
それと入れ替わるように歯周病菌が優勢となり、20代後半からは歯周病を発症する人が増えてきます。
また、「虫歯になったことがない」人に歯周病のリスクが大きい理由としては、歯にトラブルが起こらないため、歯科医院に行かないということが挙げられます。
虫歯菌が口腔内に存在しない人は、たとえ歯磨きをほとんどしていなくても虫歯にはなりません。
しかし、虫歯菌がいないからと言って、歯周病菌もいないとは限りません。
きちんとした歯磨きをする習慣がないまま、歯科医院にも行かずにいると、虫歯は1本もないのに、気がついたときには歯周病で歯を失うことになるということもあります。
歯周病は静かに、痛みなく進行していく病気であるため、歯科に行く習慣がないと、どうしても発見が遅れてしまう傾向にあります。
歯周病の人が多い年齢
歯周病の人が多い年齢=55歳~64歳ごろ
歯周病に罹患している人は年齢とともに増えていく傾向があります。
25歳~34歳:20%前後
35歳~44歳:25%前後
45歳~54歳:40%前後
55歳~65歳:50%前後
65歳~ :35%前後
65歳以上では歯周病罹患率は下がりますが、理由として、歯を失ってしまっている人が多いからということが挙げられます。
歯周病は歯がなければ発症しません。
また、歯肉炎も含めると全体の80%程度の人がなんだかの歯周疾患に罹患しているという調査結果もあります。
こどもでも歯周病になる?
こどもでも歯周病には「なる」
こどもが「歯周病」になることは稀です。
ですが、歯周病にならないというわけではありません。
こどものばあいは、歯周病ではなく、その全段階の「歯肉炎」になることがあります。
歯肉炎は、歯茎が腫れたり、赤くなる、歯磨きのときに出血があるなどの歯茎上の症状のみのことです。
こどもは唾液の量が多く、免疫力が強いため、歯肉炎が歯周病にまで進行することは稀です。
しかし、全身疾患などで免疫力が著しく低下している場合や、口腔内が著しく清掃不良な状態にある場合には、歯周病にまで進行し、歯槽骨の破壊、成長の阻害を起こすこともあります。
地な気に、2005年に行われた厚生労働省の歯科疾患実態調査では、5歳~20歳までの子供の2人に1人は歯肉炎を発症しているという調査結果が出ています。
歯周病は世界一罹患者の多い病気
歯周病はギネス認定の世界一罹患者の多い病気
歯周病はあのギネスブックにも登録される世界で一番罹患者の多い病気です。
それくらい誰でも、いつでも罹患する可能性が高いということです。
歯周病は歯の周りにある歯肉や歯根膜、歯槽骨などが歯周病菌に破壊されることによって発症します。
歯肉、歯根膜には多くのコラーゲン組織が含まれています。
コラーゲンは加齢とともに減少していきます。
また、歯槽骨は「骨」です。加齢とともに、骨密度が下がり、骨粗しょう症のリスクが上がることは皆様ご存じだとは思いますが、歯槽骨も同じように、加齢とともに密度が下がり、ミネラル分が減っていきます。
そのため、どうしても加齢とともに、歯周病にはなりやすくなってくるのです。
歯周病は誰でもなる可能性のある病気です
歯周病と年齢の関係についてお分かりいただけましたか?
- 歯周病が始まる年齢=20代
- 歯周病の人が多い年齢=55歳~64歳
- こどもでも歯周病には「なる」
- 歯周病は疑念素認定の世界一罹患者の多い病気
歯周病は、年齢との関係もありますが、こどもからご高齢の方まで、誰でも発症する可能性のある病気です。
そして、歯周病は一度罹患すると、完治させることが難しい病気です。そのため、歯周病は予防と早期発見、早期治療が重要です。
年齢に関わらず、定期的に歯科医院を受診し、歯周病を未然に防ぎましょう。