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歯磨きすると歯から血が出てくるのはなぜ?
2016年03月07日
目次
歯ではなく歯茎からの出血では?
人の歯自体には神経は通っていますが血管は通っていないので血は出ません。
よって考えられるのは歯茎から血が出ることです。
歯茎からの出血はいろいろな原因が考えられます。
ではどのような原因があるでしょうか?
考えられる原因
1) 歯周病
まず考えられる原因としては歯周病があげられます。
歯周病とは歯周病の原因菌に感染することにより発症する歯茎の病気です。
症状としては歯茎の腫れや出血、そして痛みを訴えます。
本来健康な歯茎は引き締まったピンク色をしています。
しかし、歯周病になると鬱血したように赤黒くなり、触ってみるとブヨブヨしていることが多いです。
また、少しの刺激で出血が起こります。
またその時痛みを伴うこともあります。
歯茎からの出血のほとんどは歯周病が原因と考えられます。
2) 歯磨きの仕方
そのほかには、歯磨きそのものの仕方にあると考えられます。
つまり、歯磨きの方法が正しくないからです。
例えば、使用する歯ブラシですがあまりにも毛先が硬いものは直接歯茎に当たると傷を付けてしまうことがあります。
また、併用して使う歯磨き粉も、塩やスクラブ入りのものがあります。
この粒子の大きい粉末によって歯茎を傷付けてしまうことも考えられます。
なにより、正しい歯磨きの方法を行わなければ磨きの残しがあるだけでなく、歯茎に刺激を与えたり傷を付けてしまったりします。
歯ブラシを動かす方向や強さなど、正しいやり方でなければ綺麗に歯磨きをすることはできません。
歯茎はなにか病気になったり刺激を受けたり傷を付けない限り出血は起きないと考えられています。
対応策
1) 歯周病
まずは歯科医院に行き、歯周病かどうかの検査を行ってください。
視診や触診だけでなく、口腔内の細菌検査による詳しい検査を行うことで原因を究明することができます。
その後、歯周病の治療を行います。
行う治療内容は、歯科衛生士による歯石取りなどの口腔内のクリーニングに加えて、歯内療法という薬を投与して歯周病を治癒させる方法を取ります。
歯周病が完治すると歯茎からの出血はほとんど治まるでしょう。
2) 歯磨きの方法
大抵の人は正しい歯磨きの方法を知らないと思いますし、実際に正しい歯磨きを実践できていないと思います。
つまり、正しい歯磨きを誰かに教わり、トレーニングを行わなければなりません。
そこで、歯科医院では歯科衛生士によるブラッシング指導というものを行っています。
ブラッシング指導では、正しい歯ブラシの動かし方や強さ、磨き残しの多い場所や自分が苦手な場所なども教えてくれます。
また、自分に合った歯ブラシの硬さや種類などに加え、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助用品も教えてくれます。
定期的に歯科医院に行き、歯科衛生士によるプロのクリーニングも必要ですが、毎日歯磨きを行うのは自分自身なので、毎日正しいセルフケアを行うことで虫歯や歯周病になるリスクを下げることができます。
歯茎からの出血は全身のサインにも
歯周病や歯磨きの方法以外にもごくまれに違う原因で出血が考えられることがあります。つまり、歯茎は全身の健康のサインにもなるのです。
1) 白血病
白血病とは血液の癌のことです。歯茎には腫れが見られず、綺麗に歯磨きをしているのにもかかわらず歯茎から出血が見られます。その他には、鼻血が出たりアザが良くできる、高熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどの症状も出ます。
血小板減少性紫斑病
血液の成分の一つである血小板が減少することによる為に発症する病気です。歯茎や鼻からの出血が見られ、手足にあざができやすいなどの症状が出ます。
再生不良性貧血
骨髄の血液を作る能力が落ちる為に引き起こされる病気です。歯茎だけでなく、口の中の粘膜から出血することがあります。また、場合によっては口の粘膜が壊死してしまうこともあります。
血友病
血液を凝固させる成分が生まれつき欠損または低下する病気です。歯茎と鼻からの出血が症状としてよく見られます。
ネフローゼ症候群
幼児に起こることが多い病気です。症状は、まぶたや脚のむくみ、傷の治りが遅いなどがあり、歯茎や鼻からの出血がみられることもあります。
病気以外に考えられること
1) ビタミンの欠乏
ビタミンC,D,Kが欠乏すると出血しやすくなります。ですが現在、先進国ではあまり見られません。
2) 抗凝固剤の服用によるもの
血液の流れをよくする作用のある薬(ワーファリンやアスピリン)を服用している場合も血が止まりにくくなり、歯茎からの出血が止まりにくくなります。
とにかく出血があるようなら歯科医院へ
歯茎からの出血の原因の大半は歯周病か歯磨きの方法にあります。
歯周病は不治の病ではなくしっかりと治療を受ければ治癒することができます。
また、歯磨きも正しい方法を会得できたなら出血が見られないだけでなく、虫歯や歯周病の予防にもなります。
歯茎から出血が見られる人はまず歯科医院を受診してください。