BLOG
虫歯は放置するとどうなるの?
2016年03月14日
目次
虫歯は痛みが出たら手遅れです
人の歯の表面には痛みを感じる神経が通っていません。
歯は中央部に神経があります。
つまり、ここまで虫歯が進行しなければ進行しなければ痛みを感じることができません。
目視で歯が黒くなっていたり少し穴が空いていたとしても痛みが無ければ気にならないかもしれません。
そこで、治療をせずに放っておくと虫歯がだんだん進行し、神経に到達し痛みを発生させます。
もし、虫歯が痛みを感じない程度の進行であれば虫歯の部分を削り取り、歯科補綴物を詰めれば虫歯を治療することができます。
ですが、痛みを感じてしまったならば、神経を取らなければならないことが多いので、治療期間も治療費もかかってしまいます。
虫歯は治療しなければ絶対に治りません。
人は自然治癒能力を持っています。
もし怪我をしたならば時間と共に治りますし、もし骨折をしたならばしっかり固定すると治ります。
口の中も同じで、歯茎に傷を付けたりしても自然に治ります。
歯周病もしっかりとした治療と歯磨きなどによるメインテナンスを行えば治ります。
ですが、虫歯はそうはいきません。
もし虫歯に侵され歯を失ってしまったら自然に治ることは絶対にありません。
残念ながら人間は乳歯と永久歯の2本しか歯がありません。
また、乳歯は永久歯に生え変わりますが、永久歯は人生で1本だけです。つまり歯を失ったら最後なのです。
虫歯を放置すると最終的にはどうなる?
1) 虫歯初期段階
虫歯の初期段階では痛みを感じません。
なので自分では目に見えるところや歯ブラシ、デンタルフロスなどの引っ掛かりによって発見することしかできません。
この時に歯科医院の定期検診などで初期の虫歯を発見することが大半です。
虫歯になりやすい場所は、①歯の溝 ②歯と歯の間 ③歯と歯茎の間 です。
歯の溝は比較的自分でも見えやすいので発見することができますが、そのほかはプロの目でなければ発見することが難しいと思います。
2) 中程度の虫歯
いよいよ虫歯が神経まで到達すると痛みを感じます。
この時点では大きな穴が空いていたり歯から組織液が染み出たりします。
また、なにより痛みを感じるので自分自身でも虫歯があると認識することができます。
この時に治療を行うと神経を取り除くことをしなければなりません。
3) 重度の虫歯
痛みをこらえながら治療を行わないと、虫歯はもっと進行します。
重度の虫歯になると、歯のほとんどが溶けてなくなってしまい、歯の根っこだけになります。
また、神経も完全になくなるので痛みは感じなくなるでしょう。
ここまで来ると、まず食べ物を噛むことができないので食事を摂ることが難しくなります。
また、歯の根っこだけになってしまったならばもう歯を抜くとこしか治療方法が残っていません。
つまり、一生に1本しかない永久歯を失うことになります。
なお放置すると
1) 周りの歯への影響
虫歯は感染病です。
つまり、1本の虫歯があるだけで隣り合っている歯や周りの歯にも虫歯が進行することが考えられます。
虫歯になる要因はたくさんありますが、人それぞれ虫歯になりやすいか、なりにくいかという体質があります。
つまり、虫歯になりやすい人は1本の虫歯だからといって油断していると次々と虫歯になる可能性が出てきます。
2) 歯周病の併発
虫歯になっている人の多くは歯周病も併発しています。
歯周病と虫歯は原因菌が異なるのですが、虫歯になりやすい口腔内環境は歯周病になりやすい口腔内環境であるともいえます。
歯を失う原因は虫歯だけでなく歯周病も大きく関わってきます。
3) 咬み合わせへの影響
もし虫歯になって歯を失うと、咬み合わせに影響が出てきます。
実は、歯は少しずつ動くのです。
つまり、歯を失うと、空いた空間の方向に周りの歯が動き始め、もともと良い咬み合わせだったものが悪い咬み合わせへと変化してきます。
また、もともと失う前に咬み合っていた反対の顎の歯も、咬み合うことができないので少しずつ抜けてきます。
そして、最悪の場合、抜け落ちてしまうことも考えられます。
1つの虫歯、一つの欠損から咬み合わせの崩壊が始まるのです。
最終的には…
歯をすべて失うと現在の歯科医療ですと、総入れ歯がインプラント治療による機能回復があります。
総入れ歯は若年者には受け入れられることが少ないことと、天然の歯より機能が劣るとされています。
またインプラント治療は、機能こそ天然の歯に近づけることができますが、外科的手術が伴うことと、自費診療になるので高額な治療費に加えて長い治療期間が必要になります。
虫歯を放置したことにより、すべての歯を失う可能性も出てきます。
必要なのは定期検診とセルフケア
自分自身で初期の段階ですべての虫歯を発見することは難しいと考えます。
そこで必要になってくるのは歯科医院で定期検診を受けることで虫歯や歯周病になることを未然に防ぐこと、つまり予防歯科が大切になります。
また、日々の正しい方法で行う歯磨きなどによるセルフケアも重要になってきます。