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虫歯の治療は痛いですか?
2016年04月11日
虫歯の治療に「痛い」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
ですが、近年では「無痛治療」の研究も進み、虫歯の治療はほとんど痛みを感じずに受けていただける時代になっています。
虫歯の治療に際して「痛み」はなぜ発生してしまうのか?
また、「無痛治療」を謳う医院では、どのようなことに注意し治療を行っているのかご紹介していきましょう。
目次
虫歯治療、痛みの原因3つ
麻酔注射の痛み
麻酔注射での痛みにはいくつか種類があり
- 歯茎に針が刺さる痛み
- 麻酔液が圧入される痛み
- 麻酔液と体内の温度差による痛み
があります。
虫歯の治療で最も痛みを感じる方が多いのがこの麻酔注射による痛みではないでしょうか?
歯を削る痛み
歯を削る際に、エナメル質内でとどまっている虫歯であればほとんど痛みを感じることはありませんが、エナメル質と象牙質の境目付近にまで虫歯が及んでいる場合は、歯を削る物理的刺激によって痛みを感じます。これは、麻酔をしていればほとんど感じることはありませんが、麻酔不足や麻酔がしっかりと効く前に削り始めてしまうと起こることがあります。また、神経にまで及んでしまっている虫歯では、炎症が激しい時期には麻酔が十分に効かないこともあるため、痛みを感じます。
治療後の痛み
治療後に麻酔が切れてから痛みを感じることがあります。これは、大きな虫歯を削った際に起こることが多いのですが、歯を削った部分が過敏になっており、治療後に痛みを感じることがあります。大抵は数日で収まりますが、長引くようだと神経を取る処置が必要になることもあります。治療後の痛みは鎮痛剤の服用などで抑えることが可能です。
虫歯治療は無痛の時代に~無痛治療のポイント
無痛治療を謳う医院では、次のような取り組みを行っています。
表面麻酔
表面麻酔を使用し、麻酔の注射針が歯茎に刺さる痛みを軽減します。表面麻酔には、ジェルタイプ、クリームタイプ、シールタイプなど様々なものが存在します。特に痛みを感じやすい前歯付近には有効な方法です。
極細針の使用
出来る限り細い注射針を使用し、痛みを軽減します。手動では30G(0.3mm)が最も細いものになりますが、電動麻酔注射器を使用の場合にはさらに細い33G(0.2mm)を使用することも可能になります。
電動麻酔注射器の使用
電動麻酔注射器は、細い注射針を使用できるという点と、人の手ではコントロールが困難な、弱い力で、少しずつ麻酔液を歯茎内に注入させることができます。これによって、麻酔液が歯茎に圧入される際の痛みが大幅に軽減されます。
麻酔液はウォーマーで人肌に
麻酔液は通常室温や冷暗所で保管されているため、体温よりもずいぶん温度が低くなります。この温度差が刺激となり、痛みの原因となります。そのため、無痛治療を行う医院では、麻酔液を専用のウォーマーで、体温程度まで温めてから使用します。
時間を掛けた麻酔注射
電動麻酔注射器が使用できない部位では手動で従来の方法を使って麻酔注射を行います。その際には、時間をかけ、丁寧にゆっくりと麻酔液を注入するようにします。これを急いでしまうと、骨膜に麻酔液が入る際にかかる圧力で、強い痛みを生じることになります。
正確な事前診断
正確な事前診断により、麻酔が必要か、どの程度の麻酔が必要かを見極めることが大切です。これがしっかりと出来ていないと、麻酔不足や、麻酔が必要なケースであるのに麻酔を使用しないで治療を開始してしまうなどという可能性がなくなります。
虫歯治療は痛くない!
虫歯治療の痛みについてお分かりいただけましたか?
虫歯治療の痛みは
- 麻酔注射の痛み
- 歯を削る痛み
- 治療後の痛み
このどれかであることがほとんどです。
そして、現在は無痛治療も浸透してきています。無痛治療のために取り組まれていることとして
- 表面麻酔
- 極細針の使用
- 電動麻酔注射器の使用
- 麻酔液はウォーマーで人肌に
- 時間を掛けた麻酔注射
- 正確な事前診断
などが行われています。
虫歯の治療は、丁寧に、正確な診断のもとに麻酔を使用できれば、ほとんど痛みがない、無痛であるといっても過言ではないでしょう。
どうしても痛い虫歯治療~例外
基本的に、正確な診断のもとに麻酔を使用し治療を行えば、虫歯治療はほとんど痛みの内治療です。しかし、例外としてどうしても痛みが出てしまう場合があります。
それは
「麻酔が効かない(効きにくい)」
場合です。
どのような場合に麻酔が効かない、効きにくいかというと、簡単に言うと「歯が非常に痛いとき」です。特に、痛み止めを飲んでも収まらないような歯の痛みがあるときには麻酔の成分が効きにくく、どうしても治療時に痛みを生じてしまいます。しかし、治療をしないことには虫歯による痛みがどれないため、麻酔が不十分な状態でも処置を行う場合があります。
歯が非常に痛いときというのは、大抵の場合、歯の神経の管部分(歯髄腔)に血液が充満し充血している状態です。麻酔液は、血流に乗って歯の中に到達し、効果を発揮するものなので、歯髄腔が充血している状態では血流が悪くなり、なかなか歯に麻酔が効かない状態になっています。そのような場合、歯を削ったのちに、歯髄腔に直接麻酔を打つことがありますが、この際の麻酔注射は多くの場合痛みを伴います。