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虫歯の症状を教えてください
2016年04月18日
「虫歯」」と一口に言っても、自覚症状のないものから、激しい痛みを伴うものまで、その段階や、虫歯ができる個所によって症状は異なります。虫歯の症状について、虫歯の進行度と合わせてご紹介していきましょう。
目次
虫歯の進行度と症状
まず、虫歯の進行具合は主に5段階によって区別されています。
CO(しーおー)
要観察歯と呼ばれる状態で、エナメル質に実質的な欠損がないが、白濁(石灰化、再石灰化を繰り返している状態)などが見られる場合です。COは今後経過を観察することで、それ以上虫歯が進行しない可能性も十分に期待できる状態です。
C1
虫歯がエナメル質に進行し、エナメル質の破壊が起こっている状態です。エナメル質に実質欠損が見られます。
C2
虫歯がエナメル質の内側の層、象牙質にまで進行している状態です。歯に穴が開く場合もありますが、内部で虫歯が進行している場合、一見、歯がしっかりあるように見えても中で虫歯が大きくなっていることがあります。強い光を当てて歯をすかしてみるようにすると、内部が茶色っぽく透ける場合は、内部で虫歯が進行している状態です。
C3
虫歯が歯の神経(歯髄腔)にまで達している状態です。こちらもC2と同じく、歯に大きく穴があいていてすぐに発見できることもありますが、内部で進行している場合だと、所見でははっきりとその症状を確認できません。
C4
虫歯によって歯冠(歯の根より上の部分)が倒壊している状態です。
進行度別にみる虫歯の自覚症状
CO
COではほとんど自覚症状はありません。しみたり痛みを感じることもほとんどないため、気がつかずに過ごすことが多いでしょう。所見としては、歯の表面に白い白濁が見えたり、奥歯の溝がやや黒っぽい色になっていることがあります。歯の溝が黒いと「虫歯だ!」と思ってしまいますが、成人の場合の歯の溝に現れる黒い虫歯は、COであることも多く、治療の必要がないこともあります。
C1
歯の一番外側の層、エナメル質は痛みを感じることがないため、基本的にC1であれば痛みはありません。ですが、エナメル質と象牙質の境目付近まで虫歯が進行していると、冷たいものがしみるなどの痛みを伴うことがあります。また、エナメル質が虫歯菌に溶かされ、実質欠損を伴うこともあるため、食べ物が詰まりやすい、歯と歯の間にフロスを通すと切れる、などといったことで虫歯に気がつくということもあります。
C2
象牙質にまで虫歯が進行すると、半数程度の方で痛みを感じます。物理的刺激による痛みが多く、冷たいものがしみる、食事の際に痛む(虫歯の部分に食べ物があたるため)などの症状が出てきます。象牙質にまで虫歯が進行しているということは、歯に穴があいていたり、歯になんだかの実質欠損がある場合がほとんどですが、古い被せものの下で虫歯が進行してる場合などは被せものの下に虫歯があるため、目視できず、また物理的刺激も遮断されているため、自覚症状がないこともあります。また、入口は小さく、中で大きく進行するケースの虫歯では、物理的刺激を受けにくいため、痛みなどの自覚症状が現れないこともあります。
C3
歯の神経にまで虫歯がたっしていると、痛みを感じます。初めは物理的刺激が大きいですが、進行してくると何もしなくても痛むこともあります。特に、初めは冷たい水を含むと痛みがあったが、そのうち温かいものでも痛むようになってきた。冷たい水を含んでいると痛みが落ち着くといった場合は、歯髄腔の内部で強い炎症が起きている可能性があります。
C4
歯冠崩壊まで来てしまうと、それまでにかなり痛みがあったはずですが、このころには痛みを感じなくなっていることがあります。しかし、歯の根は確実に腐食してしまっているため、根管治療が必要になります。また、歯の根の部分にまで虫歯が及んでいると、場合によっては歯を残すことができず抜歯になる場合もあります。
虫歯の症状チェック
進行度別に虫歯の症状をご説明しましたが、お分かりいただけましたか?
ここで、虫歯の症状について、まとめてみましょう。
- 冷たいものがしみる(痛い)
- 食事をすると歯が痛む
- 温かいものがしみる(痛い)
- 何もしなくても痛い
- 歯の溝が黒い
- 歯と歯の間にフロスが引っ掛かる
このような症状がある場合は、虫歯の可能性があります。
痛みを伴わないものでも、当てはまるものがあれば、一度歯科医院を受診し、チェックを受けていただくことをお勧めします。