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痛まない虫歯は治療しなくてもいい?
2016年04月25日
痛みのない虫歯は治療しなくてもいいのか?
歯科検診を受けると、全く自覚症状がないのに虫歯を指摘されることがあります。痛みもなく、特に普段から不便も感じていない・・・そんな場合でも虫歯は治療しなくてはならないのでしょうか?痛みの自覚症状がない虫歯というのはどのようなものなのかも含めご説明してきましょう。
目次
虫歯は痛い?は本当か
虫歯と言えば「痛い」そんなイメージはありませんか?
確かに、虫歯は進行すれば痛みを伴います。
しかし、虫歯には「痛くない」虫歯もあるということをご存知ですか?
痛くない虫歯
多くの方が虫歯になり、歯科で治療を受けたことがあるでしょう。しかし、虫歯で歯が痛くなったことのある人というのは・・・どのくらいいるのでしょう?
実は、虫歯というのは、そう簡単に痛みを引き起こすものではありません。
虫歯が痛くない場合4つ
虫歯がエナメル質内にとどまっている場合
歯の一番外側の層、エナメル質は痛みを感じることがありません。そのため、虫歯がまだ小さくエナメル質内にとどまっている場合には痛みを感じないこともあります。
虫歯の外部との接触部分が少ない場合
歯の一番外側の層であるエナメル質は非常にかたい組織構造をしているため、簡単には虫歯菌に溶かされることがありません。しかし、歯に入ったひびや、治療跡の隙間から、虫歯菌が歯の内部に侵入し繁殖している場合、歯の内部で虫歯が大きく進行していることがあります。しかし、この場合だと痛みを感じるはずの象牙質部分にまで虫歯が進行していても、外からの物理的刺激がほとんどないために、虫歯が神経に到達するまで、痛みを感じないことがあります。同じように、銀歯の下や古くなった被せものの下で虫歯が進行している場合も同じです。外部刺激がほとんどないため、気がつきませんが、銀歯をはずしてみたら中が真っ黒な虫歯になっていたということは歯科では良くあることです。
虫歯がゆっくりと進行している場合
虫歯には急速に進行する虫歯と、ゆっくりと徐々に進行していく虫歯があります。急速に進行する虫歯の場合は、虫歯が象牙質にまで達すると多くの場合痛みを感じます。しかし、ゆっくりと進行する虫歯の場合、徐々に進行してくる虫歯に抵抗するように、歯の内部では「第二象牙質」という、痛みを神経に伝える構造を持たない象牙質が徐々に形成されてきます。この第二象牙質があると、虫歯が深く進行してきても痛みを感じることがありません。また、歯髄腔と言って、歯の神経が通っている管も、ゆっくりと進行する虫歯の場合には徐々に歯髄腔が第二象牙質によって狭く、虫歯から逃げるような形で縮小していくため痛みを感じるのが遅くなります。
無髄歯の場合
すでに、神経が死んでしまっている歯、以前に神経を取る治療を行っている歯は、虫歯になっても痛みを感じることがありません。歯の神経というのは、気がつかない間にしんでしまっているということもあるので注意が必要です。特に、前歯は顔面をぶつけるような怪我をしたり、事故にあったりしたことがある場合には、その際の刺激で神経が死んでしまっていることがあります。
痛みのない虫歯は治療しなくてもいいのか?
痛みのない虫歯についてご説明させていただきましたが、お分かりいただけましたか?
ここまで読んでいただき「痛みのない虫歯は治療しなくてもいいのか?」という問いの答えは・・・もうお分かりですよね?
答えは「NO」です。
痛みのない虫歯でも、虫歯は大きく進行していることがあります。
痛みがない=治療しなくてもいい
ということにはつながりません。
- 虫歯がエナメル質内にとどまっている場合
- 虫歯の外部との接触部分が少ない場合
- 虫歯がゆっくりと進行している場合
- 無髄歯の場合
このような場合には虫歯であっても痛みが出ないことがあります。
1虫歯がエナメル質内にとどまっている場合、であれば、早急に治療が必要なく経過観察になることもありますが、そのほかの場合では、多くの場合早急に治療が必要になるでしょう。
虫歯の治療が必要か否かという点については、痛みなどの自覚症状だけでは判断が難しく、レントゲン検査や歯科医師による触診などの専門的な審査が必要です。
痛みのない虫歯を放置していると、場合によっては取り返しのつかないところまで進行してしまうことも考えられます。
虫歯があるという方は、早目に歯科医院を受診しご相談を受けていただくことをお勧めします。