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噛み合わせが悪いと、どのような悪影響があるのですか?
2016年07月04日
目次
噛み合わせってなに?
成人ですと、ほとんどの方が上顎と下顎を合わせて28~32本の永久歯が生えています。先天性欠如といって初めから永久歯が生えていない人もいますし、親知らずが4本とも生えてこない人もいますが、ほとんど28~32本生えると言われています。
まず、上下の顎に14本ずつ、合わせて28本生えているとします。歯は不規則に並んでいるわけではなく、前歯6本、臼歯8本が規則正しく並んでいます。そして食べ物などを噛むときは上と下の歯が当たっています。これを噛み合わせと呼びます。
悪い噛み合わせとは?
噛み合わせが悪いはどのよう判断されるのでしょうか?
1)歯並び
まず、考えられることは歯並びです。俗にいうガチャガチャな歯並びや、前歯が受け口みたいに反対咬合になっている人は不正咬合となります。人の歯は、綺麗なアーチを描いていることが理想とされています。しかし、身長や体格、顎の大きさによって歯が並ぶスペースが歯茎に無く、不規則に並んで生えてしまうことがあります。このガチャガチャな歯並びも、歯の生え方によって大きく異なります。斜めに生えてきたり捻じれて生えてきたり、歯並びから逸脱して生えたりと様々です。結果、上と下の歯が噛み合わず、噛み合わせが悪くなります。
2)歯の欠損
もともと歯がなかったり虫歯になったりして歯が生えていない場所があると、上と下の歯が噛み合わず、噛み合わせが悪い状態になります。歯がない状態が長く続くと、もともと噛み合うはずだった反対の歯が少しずつ抜けてきます。また、歯がない部分の両側の歯が、空いたスペースを埋めるように少しずつ倒れてきます。すると、周りの歯も噛みにくくなり、噛み合わせが悪くなってきます。
3)咬合性外傷
噛み合わせが悪いがために、舌や頬を噛んでしまい、常に口の中に傷がある状態を咬合性外傷といいます。これは、歯並びが大きく関与するのですが、不正補綴物といって作った被せものなどの噛み合わせが悪いがために起こることもあります。傷のほかには、噛み合わせが高いことによって歯や歯茎に負担がかかり、歯を悪くしたり歯周病を引き起こすことも考えられます。
4)顎関節異常
噛み合わせが悪い、つまり上と下の歯がしっかり噛んでいないと噛みやすいところを探して顎の位置を少しずつずらしてしまいます。結果として、顎関節に異常をきたし、顎の痛みや違和感、口を開けた時に雑音やパキンといった音を出します。こうなると、顔を見ただけでも顎が曲がっているのが分かる人もいます。また、歯が無い期間が長かったり、加齢で歯がすり減ってしまい噛み合わせの高さが低くなってしまった人も同様の症状が出ることがあります。理想の噛み合わせの位置・高さを維持しなければ顎関節がダメージを受けてしまいます。
自分の噛み合わせを確かめるには?
1)自分で確認する
まずは、自分自身で歯並びなどを確認してください。歯並びがガチャガチャだったり、斜めに生えている歯、捻じれている歯、歯並びから逸脱している歯があれば、噛み合わせが悪い可能性があります。また、よく舌や頬を噛んでしまう人も噛み合わせが悪いことが考えられます。ほかには、口や顎が曲がっている人も噛み合わせによって歪みが生じているのかもしれません。
2)歯科医院で検査する
歯科には噛み合わせの学会があり、そこが認定した歯科医師に噛み合わせ認定医というライセンスを発行しています。その歯科医師は噛み合わせを見る能力があるとも言えます。まずは、歯並びや顎関節の状態を見て、歯がしっかりと理想の位置に噛み合っているか、顎の位置はここで正しいかなどを判断することができます。
噛み合わせをよくするには?
残念ながら、噛み合わせを自分自身で良くすることはできません。つまり歯科医院で治療を受ける必要があります。では、歯科医院ではどのような治療をするのでしょうか?
1)咬合を調整する
まずは、本来噛み合って欲しくない場所や理想の噛み合わせを邪魔している部分を削り取って噛み合わせをよくする方法があります。軽度の不正咬合の場合に限りますが、ある程度短期間で、また痛みもなく治療を終えることができます。
2)歯科補綴による調整・不良補綴物の再製
以前治療を受け、被せものなどの歯科補綴物によって噛み合わせが悪くなってしまっていることも考えられます。その場合は、理想の噛み合わせになるように再度歯科補綴物を作り直す必要があります。また、噛み合わせが悪い部分で調整量が多い歯は歯科補綴物を装着することも考えられます。
3)歯科矯正をする。
重度の不正咬合や顎関節以上の場合、ほとんどの歯を調整しなければならないことがあります。そうなると、すべての歯を動かして理想の噛み合わせにするために歯科矯正を行うこともあります。歯科矯正は歯や顎の位置を大きく変化させることができるのですが、治療が長期間になることが多いです。