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セラミックは普通の銀歯と比べてどんなメリットがあるのですか?
2016年07月11日
目次
銀歯は一般歯科での治療です。
一般歯科とは健康保険適応範囲内の歯科治療のことを言います。治療費のほとんどを健康保険で国が負担しているので比較的安価に、また全国どこの歯科医院で治療を受けても同じ治療費になります。しかし、国が負担してくれる変わりに、使用する材料や機材も限られてしまいます。一般歯科では主に金属を使用します。前歯等審美的に金属を使用できない部位には歯科用プラスチックを使用しますが、奥歯等審美性をあまり重視しない部位にはいわゆる銀歯と言う物を用います。主に使用される金属は銀合金と12%金銀パラジウム合金と言う物を使用します。どちらも銀色の金属で、そのどちらかを使用して銀歯を製作します。しかし、銀合金は粗悪であり、柔らかい性質を持っているの であまり詰め物や被せ物に使用することはありません。銀合金は一般的にはコアと言う土台を製作するのに使用されます。銀歯の多くは12%金銀パラジウム合金を使用します。日本の歯科治療で最も使用されている金属の1つですが、歯よりも少し硬く、金属アレルギーの原因になりうる金属も配合されているので、すべての方に使用することができません。
セラミックとは?
セラミックとは簡単に言いますと金属を使用していない材料のことを言います。一般歯科にはセラミックで歯を作ることもできますが部位が限られており、また使用できる材料も決して高品質ではありません。ですので、高品質のセラミックで歯を製作するには自費診療となります。自費診療とは、国の健康保険を使用することができないので、すべての治療費を自分で負担します。
現在、自費診療で使用されているセラミック材料は主に1)ポーセレン(陶材)、2)ジルコニア、3)二ケイ酸リチウムガラス、4)ハイブリッドレジンです。
1)ポーセレン(陶材)
昔から現在まで一番使用頻度の高い材料です。限りなく天然の歯に色調や質感が似ており、また硬さも天然の歯とほぼ同等です。しかし、ポーセレン単体でしようすると強度が弱いため、割れたり欠けたりする可能性があるので、金属でできたフレームの上に焼き付けて裏打ちを作ることで強度を上げるか、噛み合わせのあまり関係のない部分の詰め物に使用します。生体親和性に優れているので、体に優しい材料の一つです。
2)ジルコニア
酸化ジルコニウムを歯科用に改良したものです。透明感は天然の歯より劣りますが、綺麗に研磨すると真珠のような輝きを放ち、また色調も白い色をしています。何より、歯科用の材料の中でもトップクラスの強度を有しています。用途も様々で、被せ物から詰め物、フレームまで使用することができます。しかし、歯よりもとても硬いので、噛み合う歯や隣り合う歯に多少なりともダメージを与える可能性もあります。また、硬すぎるために硬い物を噛んだときに割れたり欠けたりしてしまうこともあります。ですが、歯科の材料の中でもトップクラスの生体親和性を有しているので、体に優しい材料とも言えます。
3)二ケイ酸リチウムガラス
ガラス製の材料を高温で溶かして歯の形をした鋳型に流し込み、被せ物や詰め物を製作する材料です。ガラス製なので適度の透明感があり、また多種多様な色の材料が開発されています。しかし、ガラス製なのでこちらも割れたり欠けたりする可能性があります。また、強度的にもジルコニアに遠く及ばず、単体で使用するには部位や本数が制限されます。ですが、二ケイ酸リチウムガラスも優れた生体親和性を持っています。
4)ハイブリッドレジン
歯科用プラスチックの長所とセラミックの長所を掛け合わせた材料です。一般的に、歯科用プラスチックであるレジンは操作性、研磨性に優れているのですが、審美性、耐摩耗性、強度、また生体親和性は少し劣るとされています。そこで、強度と耐摩耗性を向上させるために歯科用プラスチックにセラミックの粉末を混ぜ合わせることでその欠点を補った材料です。そうすることで、元々あったメリットの操作性と研磨性に強度と耐摩耗性が加わったのですが、審美性、生体親和性はあまり向上されておらず、長所混ぜ合わせましたが、短所も混ぜあってしまった材料です。しかし、一般歯科で使用されている歯科用プラスチックとは比べ物にならないくらい良い性質でもあります。
銀歯と比べたセラミックのメリット
銀歯は銀色の金属を使用するため、どうしても口の中で金属色が目立ちます。一方セラミックは天然の歯に近い白色をしているので、審美的にとても優れていると言うメリットがあります。使用する材料の中には、天然の歯に限りなく近い色調、質感があるものがあり、ぱっと見ではわからないほど審美性が優れているものもあります。また、セラミックは金属を使用していないので、金属アレルギーの心配もありません。一般歯科で使用されている12%金銀パラジウム合金には、金属アレルギーを引き起こす可能性のある金属が含まれており、海外では歯科での使用を禁止している国もあります。また、虫歯の原因菌のたまり場である歯垢(プラーク)の付着も少ないとされているので、生 体親和性に優れた材料とも言えるでしょう。
他には、金属は時間が経つと腐食していき、歯茎にその成分が染み出て黒ずみを作ることもあります。よって、セラミックは銀歯と比べて、生体親和性、審美性に優れていると言えます。
セラミックのデメリット
まず、材料的に非常に硬く脆い物が多いので金属と違い、割れたり欠けたりする可能性があります。また、その割れたり欠けてしまたりする性質があるために、使用できない部位も存在します。また、多くのセラミック材料は一般歯科では治療することができないので自費診療となり治療費が高額になってしまう可能性もあります。