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歯周病で歯が抜けるって聞きましたが、若ければ抜ける心配はないですか?
2016年09月05日
歯周病は、進行すると最終的に歯が抜けてしまう怖い病気です。
最も、「歯が抜ける」というのは高齢の人に起こる症状とイメージする人が多いため、
いくら歯周病だろうと若ければ歯が抜けることはないと考えてしまいがちです。
しかし、実際にはそうではありません。いくら若くても、歯周病が進行すれば歯が抜け落ちてしまうのです。
目次
1. 高齢になると歯が抜ける理由
確かに、高齢になると歯が抜ける人が多いのは事実です。
これは歯に寿命があるためで、言ってみれば歯も臓器と同様に永遠ではなく、
使い続けることでダメージが蓄積され、どうしても少しずつ衰えていってしまうのです。
ただし、肝心の寿命は普段から歯を大切にすることで長くすることができます。
ここで重要なのが、ここまでの説明で「歯周病」というキーワードが一切登場していないことです。
つまり、歯周病で歯が抜けるのは加齢とは全く関係ないということになるのです。
2. 歯周病で歯が抜ける理由
本来、歯と歯茎の間には1ミリ程度の隙間があるのですが、歯周病になるとこの隙間が広がります。
そして、進行すると隙間はより広がり、最終的には6ミリ以上もの隙間ができてしまいます。
当然こうなると歯はグラつきだし、さらには歯の根の骨まで溶かしてしまうのが歯周病の特徴です。
要するに、歯周病で歯が抜けるのは歯周病が進行することで歯と歯茎の間に大きな隙間ができ、
やがて歯を支えている根っこの骨が溶けてしまうからなのです。
つまり、歯周病で歯が抜ける理由として「年齢」は無関係なのです。
3. 若くても歯周病になる
言うまでもなく、歯周病は若くてもなり得ます。
そもそも歯周病の原因は口内に付着したプラークや歯石であり、年齢は一切関係ありません。
このため、虫歯同様に子供ですらなるのです。
そして、歯周病が進行すると歯が抜け落ちてしまうことから、ある二つの事実が言えます。
一つは年齢関係なく歯周病になる可能性があること、
もう一つは、その歯周病が進行することで年齢関係なく歯を失う可能性があるということです。
4. 歯周病予防の難しさ
若くても歯を失う可能性があると分かった今、誰もが歯周病に注意すると思います。
しかし、実際には歯周病予防は難しく、日本人の成人の実に7割以上が歯周病であると言われているのです。
ではなぜ歯周病は予防しにくいのか、それは歯周病には自覚症状がないからです。
虫歯のような痛みやあからさまな変色がないため、自身が歯周病であることに気付きにくいのです。
歯がグラつくようになればさすがに気付くでしょうが、
その時には既に重度の歯周病になっているため、結局は抜歯が必要になる可能性が高いのです。
5. 最大の予防策は歯科医院の定期検診
自覚症状のない歯周病に対する最大の予防策は、歯科医院で定期検診を受けることです。
ブラッシングでは対応できない歯石を除去することもできますし、
もし歯周病になっていたとしても、初期段階で発見することができるからです。
また、ブラッシングの効果を高めるために、正しい歯磨きの方法を指導してもらうこともできるのです。
教わった方法での適切なブラッシングと歯科医院での定期検診、
これらを欠かさなければ、歯周病はもちろん虫歯の予防効果も高まります。
6. 歯周病に危機感を持つべき
歯周病が進行することで最終的に歯を抜け落ちてしまいますし、
進行の度合いによっては、治療する上で抜歯が必要になってしまうこともあります。
どちらも歯を失う結末になるため、歯周病の進行は本当に怖いのです。
しかし、実際には「痛くない」という理由で歯周病を軽視する人が多く、
それが「日本人が歯を失う要因のトップは歯周病」という現状を作ってしまっているのです。
いくら若くても、もっと歯周病に危機感を持って徹底予防を心掛けなければなりません。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、若ければ歯周病で歯が抜けることはないのかについてまとめます。
- 高齢になると歯が抜ける理由 :歯に寿命がくるからであり、歯周病とは関係ない
- 歯周病で歯が抜ける理由 :歯の根の骨が溶かされるからであり、年齢とは関係ない
- 若くても歯周病になる :プラークや歯石が原因で歯周病になる。年齢は全く関係ない
- 歯周病予防の難しさ :自覚症状がないため、歯周病になっていても気付きにくい
- 最大の予防策は歯科医院の定期検診 :歯周病の予防はもちろん、早期発見と早期治療も可能
- 歯周病に危機感を持つべき :現状、歯周病は日本人が歯を失う理由のトップになっている
これら6つのことから、若ければ歯周病で歯が抜けることはないのかが分かります。
歯周病で歯が抜けるのは高齢の人だけ、それは大きな間違いです。
若くても歯周病で歯が抜ける可能性はあり、そもそも若くても歯周病になり得るのです。
正直、予防するためだけに歯科医院に行くのは面倒に思うかもしれません。
しかし、歯を失うことに比べればそれがどれだけ楽で簡単なことか分かると思います。
大切な歯を守るためにも、誰もが歯周病にもっと危機感を抱いて予防するべきなのです。