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歯周病は自覚症状がないと言いますが、初期の段階で気付くことは不可能なのですか?
2016年09月12日
歯周病には、虫歯のような分かりやすい自覚症状がありません。
最も、歯が抜け落ちるほど重度になれば歯がグラつくなどの自覚症状があるものの、
初期段階では痛みも違和感もないのです。
とは言え、治療において早期発見が重要なのは言うまでもありません。
では、自覚症状のない初期段階で歯周病に気付くことは本当に不可能なのでしょうか。
目次
1. 歯周病の初期段階の症状
歯周病になると歯と歯茎の間に隙間ができ、これは歯周ポケットと呼ばれています。
ちなみに、初期段階の歯周ポケットの深さはおよそ3ミリ程度ですが、歯がグラつくほどではありません。
また、歯茎が腫れてブラッシングなどで出血しやすくなります。
これらにおいて痛みなどの自覚症状は一切なく、敢えて言うなら歯茎が腫れていることでしょう。
しかし、現実的に考えて自身の歯茎を日頃からチェックする人はそうはいません。
このため、この時点で歯周病であることに気付くのは困難です。
2. 初期段階で気付く人
自覚症状だけを頼りにしていては、初期段階の歯周病に気付くことはまず不可能です。
しかし、中にはこの時点で歯周病に気付き、早期治療ができたという人もたくさんいるのです。
ではなぜ、その人達は初期段階で気付くことができたのでしょうか。
歯周病を初期で気付ける人は、主に二つのことを意識しているのです。
一つは、日頃から自己診断で歯周病チェックをしており、
口臭や寝起きの口内のネバつきなど、歯周病の可能性があるささいな違和感を見逃しません。
もう一つは、歯科医院で定期検診を受ける習慣が身についており、
定期的に歯科医にチェックしてもらうことで容易に早期発見しているのです。
3. 予防するのも難しい
初期段階の歯周病に気付くのが難しい以上、予防するのも当然難しくなります。
歯周病を予防するには徹底的なプラークコントロールが必要ですが、
そもそも歯周病になっていることに気付きにくいため、本当に予防できているかも分からないのです。
また、現実的に言ってしまえば全てのプラークを完全に除去することは難しいですし、
特に歯石になってしまうとブラッシングでは除去できません。
つまり、自身の力だけでは初期段階の歯周病に気付きにくいだけでなく、予防することすら困難なのです。
4. 歯科医院の定期検診
歯周病の予防と早期発見、これらにこだわるなら歯科医院の定期検診は欠かせません。
歯科医院でなら歯石の除去を含めた口内のクリーニングを行うことができますし、
仮に歯周病になっていたとしても歯科医がそれに気付きます。
また、歯科医院の定期検診は何も歯周病予防と早期発見のためだけにあるわけではありません。
虫歯などの他の症状もチェックしてもらうことができますし、言わば口内全体の健康チェックが可能です。
自身ではなかなか気付きにくい初期段階の歯周病も、
歯科医院に通う習慣をつけている人なら簡単に早期発見できるのです。
5. 歯周病の怖さ
中には、自覚症状のない点をプラスに考える人もいると思います。
そういう人達は「虫歯と違って痛くないから歯周病は怖くない」、そんなふうに考えてしまいます。
しかし、歯周病を甘く見てはいけません。歯周病は進行すると歯を失う危険性が出てくるのです。
放置しておけばやがて歯がグラつくようになり、最終的には歯が抜けてしまいます。
重度の歯周病になってしまうと歯科医院でも簡単には治療ができず、
場合によっては抜歯が必要になることもあるのです。
6. 簡単な自己診断
自覚症状がないことで初期段階の歯周病に気付きにくいため、
簡単にできる自己診断を紹介しておきます。
以下の症状に心当たりがある場合、歯周病の可能性があるので要注意です。
- 歯茎が赤く腫れている
- 歯と歯の隙間が大きくなっている
- 口内がネバついている感じがする
- 口臭が気になる
- 歯が長くって歯茎が下がっている感じがする
最も、これはあくまで簡単な自己診断のため、歯科医院でチェックしてもらうのが確実です。
いかがでしたか?
最後に、初期段階の歯周病に気付くことは不可能なのかについてまとめます。
- 歯周病の初期段階の症状 :歯と歯茎の間の隙間が広がり、ブラッシングなどで出血するようになる
- 初期段階で気付く人 :自己診断、歯科医院で定期検診を受けることが習慣になっている
- 予防するのも難しい :口内のプラークや歯石を完全に除去するのは、自身の力だけでは困難
- 歯科医院の定期検診 :初期段階の歯周病には気付くには、歯科医院での定期検診が欠かせない
- 歯周病の怖さ :痛みがないから平気と甘くみてはいけない。最終的に歯が抜け落ちてしまう
- 簡単な自己診断 :歯茎の腫れや口臭などが気になる人は、歯周病の可能性がある
これら6つのことから、初期段階の歯周病に気付くことは不可能なのかが分かります。
分かりやすい自覚症状がない以上、初期段階の歯周病に気付くことは困難です。
しかし、歯科医院で定期検診を受けていれば話は別で、
初期段階で気付けることはもちろん、この上ない効果的な予防にもなるのです。