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虫歯のない人が歯周病になることはあるのでしょうか?
2016年09月25日
虫歯と歯周病、これらは起こる症状自体は全く異なるものの、予防方法としては基本的に同じです。
このため、虫歯予防の対策がそのまま歯周病予防としても活きているわけです。
では、こうした予防によって虫歯のない人は、イコール歯周病にもなっていないと言えるのでしょうか。
ここでは、虫歯のない人が歯周病になるということはあり得るのかを考えていきます。
目次
1. 虫歯がなくても歯周病になる
結論から言うと、虫歯がなくても歯周病になります。
そもそもこれらは全く違う病気であり、症状が起こる箇所も異なるのです。
同じ口内の病気ではあるものの、虫歯は歯、歯周病は歯茎に起こる病気です。
このため、例え歯が健康でも歯茎に問題が起こることもありますし、
逆に歯茎が健康でも歯に問題が起こることもあるのです。
このため、虫歯がないからと言って歯周病にもなっていないとは言い切れないのです。
2. 虫歯の要因
虫歯の場合は原因となるのはミュータンス菌で、これは一般的に虫歯菌とも言われています。
この菌が酸を出し、歯を溶かしていくのです。
ちなみに、甘い物を食べると虫歯になりやすいと言われていますが、
これはミュータンス菌の特徴が関係しています。
ミュータンス菌は糖を好み、糖を吸収することで酸を出します。そして、その酸が虫歯を生んでいるのです。
つまり、糖を含んだ甘い物を食べることで、ミュータンス菌はより活発に酸を出すわけです。
酸を出す量が多ければ多いほど虫歯になるリスクは高まるわけで、
これが「甘い物を食べる=虫歯になりやすい」の根拠でもあります。
3. 歯周病の要因
一方、歯周病は一つではなく複数の菌によって引き起こされます。
歯周病菌は元々プラークや歯石に含まれているため、
プラークや歯石があることが歯周病を引き起こすことに繋がります。
最も、プラークや歯石によって異常を招くというのは虫歯においても同じことが言えます。
どちらもプラークや歯石がきっかけとなるため、それを除去する必要があるという点で予防方法は同じです。
ただし、歯周病は歯ではなく歯茎に問題を起こします。
歯茎に炎症を起こさせ、歯を支える骨を徐々に溶かしていってしまうのです。
文字どおり歯周病は歯の周り、すなわち歯茎の病気なのです。
4. なぜ歯磨きしていても歯周病になるのか
虫歯のない人はしっかり歯磨きをしていることが予想されます。
そんな中、虫歯がなくても歯周病になるという人がいるという点を考えると、
なぜ歯磨きしているのにも関わらず歯周病になってしまうかが疑問だと思います。
これは、そもそも歯磨きしていれば歯周病にならないという発想が間違っているのです。
上記で説明したように、歯周病の要因になるのはプラークや歯石に含まれる細菌です。
そして、プラークは食べカスとは全くの別物で、歯の表面に付着しているヌルヌルした物質です。
つまり、食べカスを除去しただけではプラークを除去したことにならないのです。
いくら歯磨きしていても、このプラークを除去しない限りは歯周病になるリスクを背負うことになるのです。
5. 歯石の除去
プラークは時間が経つと石灰化し、歯石となって歯と歯の間に残ります。
プラークは歯磨きで除去できるものの、歯石になってしまうとそれは不可能です。
また、歯石はプラークとは比較にならないくらいの細菌を含んでおり、
歯周病を予防するには歯石も完全に除去しなければなりません。
ブラッシングで歯石は除去できない以上、
一旦歯石になってしまうと例え毎日丁寧に歯磨きしたとしても、歯周病予防としては不充分になります。
そんな厄介な歯石を除去するには、歯科医院で口内をクリーニングしてもらうしかないのです。
つまり、自身の歯磨きだけでは歯周病を予防することは難しいというわけです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、虫歯のない人が歯周病になることはあるのかについてまとめます。
- 虫歯がなくても歯周病になる :虫歯は歯、歯周病は歯茎の病気。それぞれ別物として考えるべき
- 虫歯の要因 :虫歯菌が酸を出して歯を溶かす。糖を吸収することで、よりたくさんの酸を出す
- 歯周病の要因 :プラークなどに含まれる歯周病菌が原因。歯茎に炎症を起こさせ、歯の根の骨を溶かす
- なぜ歯磨きしても歯周病になるのか :食べカスは除去したものの、プラークは除去しきれていないため
- 歯石の除去 :歯石になると歯磨きでは除去できない。歯科医院でクリーニングを行うしかない
これら5つのことから、虫歯のない人が歯周病になることはあるのかが分かります。
どちらもプラークや歯石内の細菌が引き起こす病気ですが、元となる細菌の種類は異なります。
このため、虫歯のない人が歯周病になりことはありますし、その逆もまたあるのです。
また、歯石になると歯磨きで除去できないという点から、
どちらも完全に予防するには歯科医院に通うことが欠かせないことが分かります。
特に自覚症状のない歯周病に関しては、歯科医院で定期検診を行わなければ早期発見も難しいでしょう。