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持病がある場合、インプラント治療を受けられないことはありますか?
2016年10月24日
インプラント治療は、誰にでも受けられる治療と言うわけではありません。
そして、治療可否の判断基準となる一つが患者さんの健康状態です。
つまり、患者さんに持病がある場合はそれが原因でインプラント治療を受けられないこともあるのです。
ここでは、インプラント治療できなく可能性がある持病について説明していきます。
目次
1. 糖尿病
絶対にインプラント治療できないと言うわけではないですが、おすすめできないこともあります。
そして、そしてポイントとなるのは血糖値がコントロールできているかどうかです。
血糖値が高くなると感染症に掛かりやすいため、出血を伴うインプラント治療はリスクが高くなります。
さらに、血糖値が高いと傷の治りも遅くなるため、手術が必要なインプラント治療はおすすめできないのです。
また、逆に血糖値が下がりすぎても低血糖症状を起こしてしまいます。
こうした事態を想定し、血糖値をコントロールできない場合は治療を受けられないことがあります。
2. 肝疾患
インプラント治療では手術を行いますし、その際は当然出血が起こります。
重度の肝疾患のある人は、こうした手術の時に出血が止まらなくことがあるのです。
また、手術前に使用する薬剤が肝臓で代謝されないかもしれないという問題もあるのです。
ただし、前述したようにこれは重度の肝疾患であることを前提にした問題です。
このため、症状が軽ければインプラント治療できることもありますし、
その点は実際に歯科医と相談、検査した上で治療の可否を判断することになります。
3. 腎疾患
腎疾患のある人は免疫力が低下しやすく、傷の治りが遅いという特徴を持っています。
インプラント治療は手術を行うため、これらの点が問題になってくるのです。
また、重度の肝疾患だと血液透析を受けている人がいます。
そして、血液透析を受けることで骨が脆くなっていますし、細菌が遠隔臓器に飛ぶこともあるのです。
どちらもインプラントの手術に危険を招く要因であり、そのためにインプラント治療が受けられないのです。
最も、腎疾患も肝疾患同様、症状が軽ければ問題なくインプラント治療を受けられることもあります。
4. 心臓病
心不全を伴うような重い心臓病の人は、インプラント治療は避けるべきでしょう。
まず、心臓病の治療のためにペースメーカーなどの人工物を身体に入れている場合、
口腔内の細菌が人工物に付着することで感染症心内膜炎を引き起こすことがあります。
また、心筋梗塞を引き起こしたことがある場合は、それがいつ起きたかも治療可否に関わってきます。
そもそも、心臓病の人はインプラント治療中に発作が起こる可能性があり、
そのリスクがある以上、インプラント治療はおすすめできないのです。
5. 高血圧症
高血圧の人がインプラント治療をできない理由は、
治療中に脳梗塞や脳出血といった合併症を引き起こす可能性があるからです。
ただし、主治医の指示したとおりの通院や薬を服用していればインプラント治療を受けられることもあります。
この場合、通院している病院の主治医と歯科医が連携し、
実際にインプラント治療をすることに問題ないかを相談して決めることになります。
また、インプラント治療では手術を伴うため、
恐怖や緊張によって治療時には普段以上に血圧が上昇することも想定しなければなりません。
6. 骨粗しょう症
インプラント治療は、顎の骨に穴をあける手術を行います。
これはインプラントの構造が関係しており、人工の歯の根を埋め込むために穴をあける必要があるのです。
このため、骨に問題がある人は手術ができません。つまり、インプラント治療自体ができないことになるのです。
そして、それに該当するのが骨粗しょう症の人です。
骨粗しょう症になると骨密度が低下するため、手術失敗のリスクが高まるのです。
また、服用している薬によっては手術によって骨が壊死する危険性もあります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、持病によってインプラント治療を受けられないことがあるかについてまとめます。
- 糖尿病 :血糖値をコントロールできるかどうかが、治療できるかできないかの判断ポイントになる
- 肝疾患 :出血が止まらなくなる可能性があるため。重度でなければ治療が受けられることもある
- 腎疾患 :傷の治りが遅いため。重度でなければ治療が受けられることもある
- 心臓病 :治療中に発作が起こる可能性を考えると、インプラント治療はおすすめできない
- 高血圧症 :治療中に脳梗塞や脳出血などの合併症を引き起こす可能性がある
- 骨粗しょう症 :骨密度が低下していることで手術できないことがある
これら6つのことから、持病によってインプラント治療を受けられないことがあるかが分かります。
持病で治療を受けられない理由は、何よりも患者さんの安全を最優先しているからです。
このため、持病がある人は必ず正直に申告してください。
また、インプラント治療可否の明確な基準はありません。
このため、持病がある人でも症状次第では治療を受けられることもあり、まずは相談することが大切です。