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インプラント治療の代表的な流れを教えて下さい
2016年12月05日
インプラント治療は何度も通院する必要がありますし、治療も複数段階に分かれています。
特に、同じ義歯でもある入れ歯治療と比較すると治療内容も大掛かりなものになります。
「大掛かりだということは分かっているけど正確な治療内容や流れは分からない」、
おそらくこれが多くの人がインプラント治療に抱いているイメージだと思います。
そこで、ここではインプラント治療の代表的な流れを分かりやすく説明していきます。
目次
カウンセリングと精密検査
まず、患者さんの歯が実際にどういう状態になっているかを知るための検査をします。
これは単に健康かどうかを調べるのではなく、レントゲンやCTで口腔環境や骨格も確認します。
また、費用や治療期間なども含めた具体的な治療計画の説明もここで行います。
リラックスや不安解消の意味でカウンセリングも行うため、
治療における不明点や疑問点があればここで担当の歯科医に相談もできます。
ちなみに顎の骨の量が足りないなど、検査結果に問題があればそれを改善するための治療が先に必要です。
一次手術
インプラント治療では基本的に2度の手術が必要ですが、ここでまず一度目の手術(一次手術)を行います。
一次手術の目的は人工の歯の根、つまりインプラント体を顎の骨に埋め込むことです。
歯茎を切開して顎の骨に穴を空け、そこでインプラント体を埋め込みます。
最も気になるのは手術の痛みですが、麻酔で対応できるので痛みはほとんどありません。
実際に痛みは感じなかったという声がほとんどですし、感じるのは痛みよりも恐怖や緊張だと思います。
手術の時間は1時間~3時間ほどで終わりますし、入院も必要ありません。
定着期間
定着期間は、一次手術で埋め込んだインプラント体が骨と完全に結合するための間となる期間です。
定着期間は個人差がありますが、一般的には3ヶ月~半年ほどになります。
インプラント治療は治療期間の長いのが特徴ですが、その理由はこの定着期間があるからです。
また、今回はあくまで一般的なインプラント治療の流れを説明していますが、
最近では定着期間の前後にある一次手術と二次手術、これらを1回で終わらす一回法も行われています。
ちなみに、一次手術前に骨移植などを行った場合は定着期間が少し長くなります。
二次手術
二次手術は一次手術ほど大掛かりなものではなく、手術も早ければ30分ほどで終わります。
二次手術で行うのはアバットメントの装着です。
アバットメントは人工の歯とインプラント体を結合させるためのもので、いわばジョイント代わりです。
手術内容はまず歯茎を切開し、埋め込んだインプラント体の頭を露出させてアバットメントを取りつけます。
最後は切開した歯茎を縫い合わせて手術完了ですが、二次手術でも麻酔が使用可能です。
後は人工の歯を装着するだけですが、これは二次手術後に1週間~1ヶ月半ほど期間を空けて行います。
メンテナンス
治療そのものは終わっても、その後はメンテナンスのための通院が必要です。
ペースとしては半年に1回の割合が理想で、定期検診も兼ねて口腔内のクリーニングも行います。
インプラントがどれだけ長持ちするか、それはその後のケアが全てといっても過言ではありません。
特にインプラントの天敵となる歯周病は徹底予防が必要です。
歯周病は顎の骨を溶かしてしまうため、悪化することでインプラントが抜け落ちてしまうのです。
さらに歯周病は自覚症状がなく気付きにくいので、メンテナンスを疎かにするのは原因です。
一回法について
上記でも少し触れましたが、ここで一回法のインプラント治療についても説明しておきます。
一回法はその名のとおり、本来二度行う手術を一度ですませる治療方法です。
手術でインプラント体を埋め込んだ際、あらかじめその一部を顎骨の外に出しておきます。
定着期間は必要ですが、インプラント体を顎骨の外に出しておくことで再び歯茎を切開しなくてすむのです。
つまり、定着期間後にすんなりアバットメントを装着できるため、
患者さんの精神的負担や体力的負担が少ないのが二回法の特徴でありメリットでもあります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、インプラント治療の代表的な流れについてまとめます。
- カウンセリングと精密検査 :レントゲンやCTを用いた本格的な精密検査で治療可否の判断をする
- 一次手術 :顎の骨に穴を空けてインプラント体を埋め込む。手術は1時間~3時間ほどで終わる
- 定着期間 :埋め込んだインプラント体が骨と完全に結合するために期間を空ける
- 二次手術 :再び歯茎を切開してインプラント体とアバットメントを結合させ、最後に人工の歯を取りつける
- メンテナンス :治療後もメンテナンスのための通院が必要
- 一回法について :一度の手術だけで治療する方法。患者さんの精神的負担などが少ないのがメリット
これら6つのことから、インプラント治療の代表的な流れが分かります。
手術を行うことから、インプラント治療がいかに大掛かりなものかが想像できると思います。
このため、実際にインプラント治療を希望する際には、信頼できる歯科医院で治療を受けることが大切です。
また、インプラント治療は治療内容や費用など、患者さんには分かりにくい点もいくつかあるため、
自身で情報収集するだけでなく実際に歯科医院に問い合わせしてみるのもいいでしょう。