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歯磨きのとき、歯磨き粉を使うのは本当に良いことなのでしょうか?
2017年01月23日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「歯磨き粉を使って歯磨きするのは良いことなのか」です。
歯磨き粉を使って歯磨きする人が多いでしょうが、
中には「歯磨き粉を使わずに歯磨きをするように」と歯科医に指導されたという意見も聞きます。
そうなると、歯磨き粉を使って歯磨きするのは良くないのでは?と疑ってしまいますね。
そこで、歯磨きの時に歯磨き粉を使うことのメリットとデメリットを挙げてみます。
目次
メリット1. フッ素の効果が得られる
最近の歯磨き粉はほとんどのものにフッ素が含まれており、
これが虫歯の減少に繋がっていると言われています。
実際、子供の歯科検診ではフッ素を塗布しますし、フッ素が虫歯予防に効果的なのは事実です。
フッ素は歯質を強くして虫歯に強い歯を作ることができますし、
完全に初期段階の虫歯ならフッ素の力だけで治すことも可能です。
フッ素配合の歯磨き粉を使えば、こうした効果を得られるのです。
メリット2. 口臭対策になる
現実的な話をすると口の中にはプラークが付着しており、それが口臭を招きます。
食べカスなどが残っているとそれを細菌が分解し、硫黄化合物を発生させて口臭を引き起こすのです。
さて、歯磨き粉の中にはハーブが配合されているものがありますが、これはそんな口臭対策が目的です。
つまり、歯磨き粉を使う目的は虫歯予防のためだけでなく、口臭予防のためでもあるのです。
口臭の有無はコンプレックスに関わる問題ですし、社会人においてはエチケットにすらなっています。
口臭の問題を解消できるという点でも、歯磨き粉を使うメリットがあるのです。
メリット3. 歯周病対策になる
歯磨き粉は歯に対してだけでなく、歯肉に対してもプラス効果をもたらします。
最近ではビタミンCを配合して健康な歯肉を実現できる歯磨き粉もありますし、
歯肉の腫れや出血を抑えてくれる成分や殺菌作用のある成分を含んだ歯磨き粉も存在します。
また、歯周病が進行すると歯肉が退縮して歯の根元が露出してしまいます。
この歯の根元はエナメル質に守られておらず、刺激に敏感で歯磨きでも痛みを感じることがあるのです。
その際にも知覚過敏用の歯磨き粉を使用すれば刺激による痛みを抑えることができるのです。
デメリット1. 綺麗に磨いたつもりになる
歯磨き粉を使って歯磨きすれば、短時間で泡立って息も爽やかに感じます。
このため、雑に磨いても綺麗に磨いたつもりになってしまうのです。
本来プラークを全て除去しようとすれば、歯磨き粉の使用の有無に関わらず時間が掛かります。
しかし、歯磨き粉を使用することでちょっと磨いただけでも綺麗になった錯覚を受けてしまうのです。
このように、歯磨き粉を使用しているという安心の気持ちが逆にデメリットを生むのです。
また、綺麗になるからと歯磨き粉をつけすぎると、口の中がすぐ泡だらけになってむしろ磨きにくくなります。
デメリット2. 使わなくても綺麗にできる
歯磨きをする目的は、プラークや食べカスを除去して口の中を綺麗にすることです。
そして、プラークも食べカスも歯磨き粉を使わなければ除去できないなんてことはありません。
歯磨き粉の使用の有無関わらず、丁寧にブラッシングすることで確実に除去できるのです。
つまり、磨き方次第では歯磨き粉を使わなくても口の中を綺麗にできるわけで、
だったら使わなくてもいいという考え方もできるのです。
現実的な話をすれば、歯磨き粉を使わなければその分出費を抑えることもできるのです。
デメリット3. 思ったほどの効果は得られない
市販の歯磨き粉のパッケージは、どれも効果について過大に表現してあります。
例えば、ホワイトニング歯磨き粉といっても歯科医院のホワイトニングとは全く別物ですし、
歯が白くなると書いてあるからといって本当に白くなったという声も聞きません。
効果に適した成分が含まれているのは事実でしょうが、だからといって表現してあるほどの効果はないのです。
その結果、使用する側としてはどの歯磨き粉を選べばいいのか分からずに迷ってしまいます。
そもそも歯磨き粉の種類も膨大ですし、どれがいいか分からず選ぶのが面倒という人もいるのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯磨き粉を使って歯磨きするのは良いことなのかについてまとめます。
- メリット1. フッ素の効果が得られる :歯磨き粉に含まれるフッ素は虫歯になりにくい環境を作る
- メリット2. 口臭対策になる :ハーブ配合の歯磨き粉など、口臭対策に効果的な歯磨き粉もある
- メリット3. 歯周病対策になる :ビタミンC配合など、歯肉の健康に効果的な歯磨き粉もある
- デメリット1. 綺麗に磨いたつもりになる :泡立ちと爽やかさで、雑に磨いても綺麗に磨いたと錯覚する
- デメリット2. 使わなくても綺麗にできる :歯磨き粉を使用しなくても磨き方次第で充分綺麗にできる
- デメリット3. 思ったほどの効果は得られない :歯磨き粉のパッケージに書いてあるほどの効果はない
これら6つのことから、歯磨き粉を使って歯磨きするのは良いことなのかが分かります。
実は歯磨き粉の使用の必要性は歯科医でも意見が分かれます。
ただし、少なくとも使ってダメということもなければ使わないのはダメということもありません。
このため、どちらがいいか自身で判断しやすいよう今回はメリットとデメリットを説明しました。
使用しなくても口の中は綺麗にできますが、使用すれば補助効果が高まるのは事実です。
その点では歯磨き粉の使用をおすすめしますが、どちらにしても丁寧な歯磨きをしなければ無意味でしょう。