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ドラッグストアなどで売っているホワイトニングと歯科医院で行うホワイトニングの差は?
2017年02月13日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「ドラッグストアで市販されているホワイトニングと歯科医院のホワイトニングの違い」です。
ホワイトニングに興味がある人の中には、
ドラッグストアでそれに関する商品を見たことがあるという人も多いでしょう。
また、歯科医院でもホワイトニングを受けることができますが、
ドラッグストアで市販されているホワイトニングと比べると料金に雲泥の差があります。
当然高額な歯科医院でのホワイトニングの方が効果は高いことが予想できますが、
そもそもこれらにはどれくらいの差があるのかについて説明します。
目次
1. ドラッグストアのホワイトニング
歯を白くできるという意味でホワイトニングという表現が使われていますが、
ドラッグストアで売っているホワイトニングは歯科医院のそれとは全くの別物です。
市販のタイプのものはコーヒーやタバコのヤニによる着色を落とすものであって、
歯そのものを根本から白くできるというわけではないのです。
では、分かりやすくカーテンに例えてお話してみましょう。
カーテンに何かの汚れが付着した場合、市販のものはその汚れを落とす効果は確かにあります。
しかし、カーテン自体が変色した場合は、市販のものではカーテン自体の色を戻す効果は得られないのです。
つまりドラッグストアのものはホワイトニング効果と言うよりは、クリーニング効果と表現した方が的確です。
2. 歯科医院のホワイトニング
さて、歯科医院のホワイトニングは皆さんが想像しているホワイトニングそのものです。
多くの人が求めるホワイトニングとは歯の表面の着色を落とすというものではなく、
歯そのものを白くすることにあります。そして、歯科医院のホワイトニングはまさにその効果があるのです。
変色した歯を白くするなら、市販のものと比べるまでもなく歯科医院のホワイトニング一択になります。
最も、ホワイトニングの仕組みを説明すると実際に「歯が白くなる」というわけではなく、
正確にはエナメル質の特性を利用して「歯を白く見せる」と言った方が的確です。
とは言え、その効果によって見た目は白くなりますし、
表面の着色を落とすクリーニングだけの市販のホワイトニングに比べて効果は断然高いです。
3. 差が生まれる理由
ドラッグストアなどで売っているホワイトニングと歯科医院のホワイトニングは別物と説明しましたが、
ではなぜ2つのホワイトニングにはここまでの差が生まれるのでしょうか?
その理由は使用されている成分にあります。ホワイトニングをするためには当然薬剤を使用するわけですが、
高い効果のある薬剤は資格を持つ歯科医院でしか扱えないという問題があるのです。
歯科医院のホワイトニングでは過酸化水素や過酸化尿素が薬剤に含まれていますが、
過酸化水素は危険物に分類されている物質なので、ドラッグストアなどで市販することはできません。
現時点のお話になりますが、日本では過酸化水素入りの歯磨き粉の販売は薬事法で禁止されているのです。
市販のホワイトニングの成分は研磨剤などが主であり、歯の表面の着色や汚れ程度にしか効果がないのです。
4. 歯科医院のホワイトニングの仕組み
さてここで、歯科医院で行う本来のホワイトニングについて仕組みを説明しておきます。
歯の表面にはエナメル質がありますが、例えるならこれは透明ガラスと同じです。
そしてエナメル質の奥には象牙質があり、これが変色していることで歯自体が変色して見えるのです。
いくらエナメル質の奥にあるとは言え、エナメル質が透明ガラスのせいで変色が透けて見えてしまうのです。
と言うことはエナメル質が透明ガラスでなくなれば、その奥にある変色した象牙質が見えずにすむわけです。
この原理を利用したのがホワイトニングで、
薬剤によってエナメル質を透明ガラスから曇りガラスに変化させるのです。
そうすることでマスキング効果が得られ、変色した象牙質が見えなくなることで歯が白く見えるのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、ドラッグストアで市販されているホワイトニングと歯科医院のホワイトニングの違いについてまとめます。
- ドラッグストアのホワイトニング :歯の表面の着色を落とすだけなので、歯自体を白くするわけではない
- 歯科医院のホワイトニング :歯自体が白く見える。これが多くの人が抱くイメージどおりのホワイトニング
- 差が生まれる理由 :使用する薬剤が異なる。法律上、歯科医院が扱う薬剤は一般では扱えない
- 歯科医院のホワイトニングの仕組み :エナメル質を構造変化させ、歯を白く見せている
これら4つのことから、
ドラッグストアで市販されているホワイトニングと歯科医院のホワイトニングの違いが分かります。
ここまでの説明で分かるとおり、2つのホワイトニングは同じホワイニングの名を冠していても意味が違います。
このため、差があるというよりは全くの別物だと捉えて考えた方がいいでしょう。
市販のホワイトニングはあくまでクリーニング効果であり、治療のホワイトニングとは違うのです。