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歯周病の予防方法をできるだけたくさん知りたいです
2017年04月17日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「歯周病の予防方法について」です。
歯周病は日本人が歯を失う要因のトップでもあり、将来のことを考えると予防を徹底しなければなりません。
こうしたお口の健康を守る方法と言えば歯磨きを真っ先に連想するでしょうが、
歯周病の予防方法を挙げるなら歯磨き以外の方法もたくさんあります。
そして、もちろん少しでも多くの予防方法を実践した方が歯周病の予防効果は高くなるのです。
ここでお伝えするのは歯磨きも含めた歯周病の予防方法の数々で、
具体的な方法となぜそれが歯周病の予防に繋がるのかもわかりやすく説明していきます。
歯周病で歯を失うことのないよう、ここでお伝えする全ての予防方法を知っておいてください。
目次
1. 歯磨きの効果を高める
歯周病予防の基本は歯磨きですが、単に歯を磨くだけでは充分な効果は得られません。
目に見えないプラークを除去するには精度の高い歯磨きをする必要があるのです。
以下の方法を実践すれば、そんな歯磨きの精度を確実に高めることができます。
1-1. デンタルフロスを使用する
一般的には、いくら丁寧に磨いても歯ブラシだけではプラークの除去率は6割程度とされており、
デンタルフロスを使用することでさらに2割、つまりプラーク除去率が8割になると言われています。
ちなみに、デンタルフロスは歯ブラシが届きにくい歯と歯の間の隙間を磨くためのものです。
また、今回は歯周病をテーマにしているものの、デンタルフロスの使用は虫歯予防にも最適です。
虫歯に至ってはその9割が歯と歯の間から発生すると言われているため、
デンタルフロスを使用して歯を綺麗にすることは歯周病だけでなく虫歯予防にもなるのです。
1-2. 正しい歯磨きの方法を覚える
歯科医院では定期検診を受けることができますが、そこでは正しい歯磨きの方法の指導を受けられます。
この指導を受けることで歯磨きの精度が高まり、プラークをより確実に除去できるようになります。
たかが歯磨きの仕方…などと思う人もいるかもしれませんが、歯磨きには正しい持ち方や磨き方があります。
それを実践しているとしていないとでは、毎日の歯磨きの効果に雲泥の差があるのです。
また、インターネットでも正しい歯磨きの方法が紹介されたページがありますが、
これに関しては実際に歯ブラシを持って覚えるのが一番なので、歯科医院で指導を受けてください。
1-3. プラークチェッカーを使用する
プラークチェッカーはプラークを着色させるため、これを使用することで磨き残しが確実に分かります。
使用方法は歯磨き後にプラークチェッカーをお口に含み、全体に行き渡らせてからうがいするだけです。
そうすると残ったプラークが着色されて、どこが磨ききれていないかが正確に分かるのです。
また、連続で何日も使用することで磨き残しのクセを知ることもできます。
毎日同じ箇所が染まっているようなら、そこは常に歯磨きが不充分ということになりますからね。
自分の歯磨きの弱点が分かればそこを磨く時に注意できるため、歯磨きの精度を高めることに繋がります。
2. 歯科医院で定期検診を受ける
結論から言えば、上記のしっかりした歯磨きと定期検診を受けていれば、歯周病はほぼ予防できます。
歯科医院はお口の病気を治すために行く人が多いですが、予防するために行ってもいいのです。
ちなみに、定期検診に行くことで具体的にどんなメリットがあるのかを以下で説明します。
2-1. お口の中をクリーニングしてもらえる
歯科医院の定期検診ではお口の中をクリーニングしてもらえます。
これによってプラークはもちろん、歯磨きでは対応できない歯石まで除去できます。
歯石はプラーク以上に細菌を含むため、歯石の除去は歯周病の予防には欠かせません。
また、現実的には全てのプラークを歯磨きで除去するのは難しいため、
クリーニングで残ったプラークを確実に除去できるメリットもあります。
定期的にお口の中を綺麗にできるため、それだけ歯周病になるリスクを減らせます。
2-2. 歯周病を早期発見できる
定期検診をお口の中をチェックすれば、もし歯周病になってもいち早く発見できます。
初期段階の歯周病は自覚症状がなく、自分が歯周病であることにすら気付かないのがほとんどです。
このため、多くの人が歯周病を進行させてしまい、それが歯を失うという結果に繋がっているのです。
しかし、定期検診を受けていれば進行する前に歯周病を発見して治療することができるのです。
初期段階の歯周病ならお口のクリーニングとプラークコントロールで治りますし、
深刻な状態になる前に確実に対処できます。
2-3. 正しい歯磨きの方法の指導を受けられる
上記の歯磨きの説明と重複しますが、歯科医院の定期検診では正しい歯磨きの方法の指導を受けられます。
これによって毎日の歯磨きの精度が向上し、プラークの除去率をより高めることができるのです。
歯磨きすればお口を綺麗にできると思うでしょうが、本当に綺麗にできるかどうかは磨き方次第です。
このため、歯磨きの効果を確かなものにするためには、正しい歯磨きの方法を覚える必要があるのです。
また、歯並びの状態によっては歯磨きしにくい箇所もあるでしょう。
正しい歯磨きの方法を覚えれば、そういった磨きにくい箇所に対処するためのアドバイスももらえます。
3. 生活習慣を見直して改善する
歯周病になるリスクは普段の生活習慣によって大きく変わります。
何しろ歯周病は細菌に感染することで起こる病気ですから、
身体の免疫力の強さによってなりやすくもなりにくくもなるのです。
例えば疲労やストレス、これらはいずれも身体の免疫力を低下させる要因です。
さらに喫煙も歯周病になるリスクを数倍高めると言われており、これらを改善することが大切です。
免疫力が高まれば病気にも掛かりにくくなり、同時に歯周病にも掛かりにくくなるのです。
4. 歯並びを改善する
歯並びの改善には矯正治療が必要ですし、正直言ってお手軽な治療ではありません。
しかし、歯並びの悪さが歯周病を招くリスクを高めることは事実です。
その理由は簡単で、歯並びが悪いことで歯を磨きにくくなるからです。
また、歯並びの悪さによっては歯科医もお口のチェックがしにくく、
その結果初期段階の歯周病を見逃してしまうこともあり得ます。
矯正治療は年齢が高くなってから行うと骨に負担を掛けるため、10代や20代で行うのをおすすめします。
5. 食事に注意する
食事の摂り方によっては歯周病になるリスクを高めます。
歯周病予防の食生活の基本はよく噛むことで、これは唾液の分泌を促すためです。
噛めば噛むほど唾液は出ますし、唾液はお口の中を洗浄する役割を果たしているのです。
このため唾液の量が多いほど歯周病菌の付着を予防できますし、虫歯菌も同様に予防できます。
またプラークの発生を抑える意味で、甘いものを食べ過ぎないようにすることも大切です。
栄養バランスのとれた食事を心掛け、さらによく噛んで食べるようにしましょう。
6. 鼻呼吸を意識する
呼吸のスタイルには口呼吸と鼻呼吸がありますが、口呼吸はお口を乾燥させて最近の繁殖を招きます。
当然歯周病菌も繁殖しやすくなるため、できるだけお口を閉じて鼻呼吸を意識してください。
特に就寝時は細菌が繁殖しやすく、口呼吸で眠ってしまうとそれだけで歯周病になるリスクを高めます。
ちなみに寝ている時の呼吸スタイルは簡単に変えることはできないでしょうが、
最近では鼻呼吸を促すような専用グッズも多数販売されています。
他にもマスクを着用するなど、口呼吸を改善するための工夫はいくつも存在します。
7. 家族全員で歯周病を予防する
ここまで歯周病の予防方法をいくつも挙げてきましたが、
これらの予防方法を自分だけでなく、家族全員で実践することも歯周病予防にとって大切です。
と言うのも、歯周病菌は唾液を介して人にうつってしまうからです。
このため、いくら自分が歯周病を徹底予防していても恋人や家族が歯周病になってしまったら、
キスや食器の共用や歯ブラシの毛先が触れ合うことで歯周病菌をもらってしまう可能性があります。
その意味でも歯周病予防は家族全員、もしくは恋人と一緒に実践する必要があるのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯周病の予防方法についてまとめます。
- 歯磨きの効果を高める
デンタルフロスを使用する :歯と歯の隙間の汚れを除去でき、使用することで歯磨きの効果が2割高まる
正しい歯磨きの方法を覚える :歯磨きの精度が高まるため、プラークをより除去できやすくなる
プラークチェッカーを使用する :磨き残しが見て分かるようになり、自分の歯磨きの弱点も把握できる - 歯科医院で定期検診を受ける
お口の中をクリーニングしてもらえる :プラークはもちろん、歯磨きで対応できない歯石も除去できる
歯周病を早期発見できる ;仮に歯周病になっても早期発見できるため、重症化することがなくなる
正しい歯磨き方法の指導を受けられる :ブラッシング効果を高めることに繋がる - 生活習慣を見直して改善する :疲労やストレスの蓄積を防げば免疫力が高まって歯周病を予防しやすい
- 歯並びを改善する :歯並びが悪いと歯磨きがしにくく精度が落ちる。改善には矯正治療が必要
- 食事に注意する :唾液は細菌を洗浄してくれるため、よく噛んで唾液の分泌を促す
- 鼻呼吸を意識する :口呼吸は細菌が繁殖しやすい。マスクをつけて鼻呼吸を促すなどの工夫も可能
- 家族全員で歯周病を予防する :歯周病菌は唾液を介して人にうつるため、家族全員での予防が必要
これら7つのことから、歯周病の予防方法が分かります。
ズラリと予防方法を挙げましたが、全てを実践するのは現実的に考えて難しいでしょう。
そこで、これだけはするべきという予防方法を厳選してみます。
それは「歯磨きの精度を高める」と「歯科医院で定期検診を受ける」です。
この2つを徹底すればまず歯周病にはならないですし、
例えなったとしても定期検診を受けている以上、重症化する前に発見して治療することが可能です。