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歯周病になりやすい人となりにくい人の違いって何ですか?
2017年07月01日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「歯周病になりやすい人となりにくい人の違い」です。
近年、歯周病は日本人にとって深刻な問題になっており、成人の7割以上が歯周病とも言われています。
また子供においてもそれは例外ではなく、歯周病の低年齢化も問題になっているのです。
とは言え、歯周病になるリスクは誰もが同じというわけではありません。
つまり、歯周病になりやすい人もいればなりにくい人もいるのです。
さて、そうなると問題は何によってその差が生まれるかということです。
これはその人の体質やライフスタイルが関係しており、
ここでは歯周病になりやすい人となりにくい人の違いについて説明していきます。
目次
1. 歯磨きの仕方の違い
歯周病予防の基本は毎日の歯磨きである…これは言うまでもないでしょう。
実際に誰もが毎日歯磨きをしていると思いますが、歯磨きの仕方は人それぞれ異なります。
そしてこの歯磨きの仕方の違いが、歯周病になりやすい、なりにくいを分ける境界線になるのです。
1-1. デンタルフロスや歯間ブラシの使用
歯磨き時にブラッシングだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用する人は歯周病になりにくくなります。
その理由は簡単で、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することでプラークの除去率が高まるからです。
ブラッシングだけの場合はプラークの除去率は6割程度と言われており、4割の磨き残しが出ることになります。
一方、デンタルフロスや歯間ブラシを使用すればプラークの除去率はさらに2割高まりますし、
単にプラークの除去率が高まるだけでなく、ブラッシングでは除去しきれないプラークも除去できるのです。
特に歯間ブラシは歯と歯肉の隙間を綺麗にできるため、歯周病予防に大変効果的です。
1-2. ブラッシングの精度
歯ブラシを使用してのブラッシング、これはただ歯を磨けばいいというわけではありません。
より多くのプラークを除去するためには精度の高いブラッシングが必要になりますし、
ブラッシングの精度は人それぞれ異なります。
そして、ブラッシングの精度が高いのは、予防歯科や歯科医院で定期検診を受けた経験のある人です。
これらの場ではブラッシング指導を受けることができるため、
それを実践している人はブラッシングの精度が高く、歯周病になりにくくなるのです。
…デンタルフロスや歯間のブラシの使用の有無、さらにはブラッシングの精度の高さ、
これらの部分によって歯磨きの効果に差が生じます。ブラッシングだけの歯磨きでさらに精度も低ければ、
いくら歯磨きしてもその効果は充分に発揮されず、歯周病になりやすくなってしまうでしょう。
2. ライフスタイルの違い
歯周病は生活習慣病でもあり、その名のとおり普段の日常生活の過ごし方が歯周病に影響をもたらします。
つまり日常生活の中には歯周病になるリスクを高めてしまう行為があり、
それをするかしないかで歯周病になりやすい、なりにくいといった違いを生むのです。
2-1. 喫煙
喫煙している人は、それだけで歯周病になるリスクを大幅に高めてしまいます。
タールが付着することでプラークや歯石がつきやすくなりますし、
ニコチンの影響で免疫機能が狂わされ、身体の抵抗力が落ちて細菌に感染しやすくなるのです。
また、喫煙する人は歯周病になりやすいだけでなく、歯周病が重症化しやすく傾向もあります。
ちなみに数値で示すと、1日10本以上の喫煙で歯周病になるリスクは約5倍、
喫煙を10年以上続けることで約4倍リスクが高まるというデータがあります。
2-1. 喫煙
喫煙している人は、それだけで歯周病になるリスクを大幅に高めてしまいます。
タールが付着することでプラークや歯石がつきやすくなりますし、
ニコチンの影響で免疫機能が狂わされ、身体の抵抗力が落ちて細菌に感染しやすくなるのです。
また、喫煙する人は歯周病になりやすいだけでなく、歯周病が重症化しやすく傾向もあります。
ちなみに数値で示すと、1日10本以上の喫煙で歯周病になるリスクは約5倍、
喫煙を10年以上続けることで約4倍リスクが高まるというデータがあります。
2-2. 疲労やストレス
疲労もストレスも社会人である以上、ゼロにすることはできません。
しかし、これらが極度に高まることで歯周病になるリスクが高まってしまうのです。
最も、疲労やストレスがなぜ歯周病に関係するのか疑問だという人も多いでしょう。
これは身体の免疫力が関係してきます。疲労もストレスも身体の免疫力を低下させる要因であり、
免疫力が低下することで人間の身体は細菌に感染しやすくなってしまいます。
歯周病も歯周病菌という細菌に感染することで起こる病気ですから、
身体の免疫力の低下は歯周病菌に感染しやすくなる…つまり歯周病になりやすくなってしまうのです。
2-3. 運動不足
運動不足は糖尿病の要因になりますが、糖尿病になることで歯周病になるリスクが高まります。
つまり運動不足が引き金となって糖尿病を招き、糖尿病を招くことで歯周病も招いてしまうのです。
また、適度な運動は身体の免疫力を高める要因にもなります。
上記で説明したとおり、身体の免疫力が高まれば歯周病になりにくくなりますから、
適度に運動することは歯周病を予防することにもなるのです。
注意点は激しい運動ではなく、ウォーキングなどの適度な運動がベストだということです。
2-4. 食生活
歯周病の要因となるプラークは糖分を吸収することで増殖するため、
甘いものばかり食べていると虫歯だけでなく歯周病にもなりやすくなります。
また、糖尿病になることで歯周病を招きやすいことから、糖尿病になりやすい食生活も禁物です。
これは高脂肪のものや高カロリーのもの、塩分や糖類が多く含まれるものが該当します。
さらに偏食も身体の免疫力を低下させてしまいます。
栄養バランスのとれた食生活が身体を健康にさせ、歯周病にもなりにくい身体を作るのです。
…いずれも普段の日常生活に関わることであり、
毎日どうやって過ごしているかでも歯周病になりやすい、なりにくいという差を生むことになるのです。
3. 女性
「男性よりも女性の方が歯周病になりやすい」…そう聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
これはデタラメではなく事実であり、理由としては女性ホルモンが関係してきます。
と言うのも、女性ホルモンにはある特定の歯周病菌の増殖を促す特徴があるのです。
このため、女性ホルモンの分泌が高まったりホルモンバランスが変化したりすることで、
歯周病になりやすくなってしまうのです。
しかし、女性ホルモンの分泌は常にこうした動きを見せているわけではありません。
女性ホルモンの分泌が高まる、ホルモンバランスが変化する、
こうした時期は1生に3度訪れるとされており、その時期に歯周病になりやすくなるのです。
では、この1生に3度というのは具体的にどのタイミングで訪れるのでしょうか。
3-1. 思春期
女性ホルモンが作られはじめる時期であり、この頃は月経のたびに歯肉が腫れやすくなります。
さらに学生であることを考えると、勉強や友人関係や進路など何かと悩みの多い時期であり、
そのせいでストレスが溜まって身体の免疫力が低下するため、それもまた歯周病の要因になるのです。
3-2. 妊娠
妊娠すると女性ホルモンが過剰に分泌されるため、歯周病になりやすくなります。
さらに悪阻によってお口の中が不衛生になりやすく、悪阻の不快感で歯磨きにも消極的になってしまいます。
このため、妊娠すると単に歯周病になるリスクが高まるだけでなく、予防も充分にできなくなってしまうのです。
3-3. 更年期
閉経によって女性ホルモンの分泌が低下するものの、ホルモンバランスは崩れます。
さらに更年期以降になるとドライマウスになる人が多く、唾液の分泌量が低下してしまいます。
唾液の分泌量が低下するとお口の中の洗浄効果が不充分になり、歯周病菌も増殖しやすくなるのです。
…思春期、妊娠、更年期、これらの時期には女性ホルモンのバランスに変化が起こり、
その影響で歯周病になりやすくなるのです。
4. 歯並びの問題
歯並びが悪い人はそのことを気にしますが、気にする理由の主は見た目の問題についてでしょう。
確かに歯並びが悪ければ見た目に影響しますが、実は歯並びの悪さは歯周病になるリスクも高めます。
理由は簡単で、歯並びが悪いことで歯が磨きにくくなるからです。
本来磨けるはずの箇所が磨きにくくなることがありますし、
歯並びの状態によっては歯間ブラシやデンタルフロスも効果的に使用できなくなります。
磨き残しが増えることでプラークや歯石が溜まり、歯周病になりやすくなるのです。
最も、歯並びの悪さを改善するには矯正治療をするしかないですし、矯正治療の費用は高額です。
このため、とてもお手軽な治療とは言えないものの、
見た目の良さだけでなく歯の健康を守るためと考えれば、治療を検討する価値はあるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
いかがでしたか?
最後に、歯周病になりやすい人となりにくい人の違いについてまとめます。
1. 歯磨きの仕方の違い :どんな歯磨きの仕方をしているかで、歯周病のなりやすさに違いが出る
- デンタルフロスや歯間ブラシの使用 :プラークの除去率が高まり、特に歯間ブラシは歯周病予防に効果的
- ブラッシングの精度 :定期検診などでブラッシング指導を受けている人はブラッシングの精度が高い
2. ライフスタイルの違い :歯周病は生活習慣病。日常生活の中に歯周病の要因が潜んでいる
- 喫煙 :歯周病になるリスクが約5倍高まり、歯周病になった時も重症化しやすい
- 疲労やストレス :身体の免疫力が低下して、歯周病菌に感染しやすくなる
- 運動不足 :運動不足は糖尿病を招き、糖尿病は歯周病を招く
- 食生活 :プラークを増殖させる糖類、糖尿病を招く高脂肪のものなどが結果的に歯周病を引き起こす
3. 女性 :女性は1生に3度、ホルモンバランスに変化が起こることで歯周病になりやすい時期がある
- 思春期 :月経のたびに歯肉が腫れる上、ストレスで身体の免疫力が低下しやすい時期でもある
- 妊娠 :女性ホルモンが過剰に分泌する上、悪阻によってお口の中が不衛生になりやすい
- 更年期 :ホルモンバランスが崩れ、唾液の分泌量も低下するので細菌が洗浄されにくくなる
4 歯並びの問題 :歯並びが悪いと歯磨きしづらくなり、磨き残しが増えて歯周病になりやすい
これらのことから、歯周病になりやすい人となりにくい人の違いが分かります。
歯磨きの仕方に問題があれば予防が不充分になりますし、
生活習慣病でもある歯周病は日常生活の過ごし方次第でも感染のリスクが高まります。
さらに女性は女性ホルモンの影響で男性に比べて歯周病になりやすく、
歯並びが悪い人も同様に歯周病になりやすい傾向があるのです。