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インプラントなら歯も歯の根も人工物なので歯周病にはならないですか?
2017年08月18日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「インプラントは歯周病になるのか」です。
インプラントとは、失った歯を取り戻せると言われるほどの画期的な治療方法です。
顎の骨に人工の歯の根を埋め込むことで天然の歯に等しい安定性を実現させ、
そこに人工の歯を装着することで感覚だけでなく見た目の美しさも天然の歯に近くなります。
つまり、インプラントの場合は歯も歯の根も人工物になるのです。
そして人工物である以上、インプラントした歯が虫歯になることはありません。
では歯周病はどうなのでしょうか。
ここでは、インプラントが歯周病になる可能性について説明していきます。
目次
インプラント周囲炎
結論から言うと、インプラントが歯周病になることはあります。
考えてみれば歯周病は歯肉の病気ですから、歯や歯の根が人工物であったとしても関係なく起こるのです。
最も、インプラントの場合は歯周病ではなく、正確には「インプラント周囲炎」と呼びます。
インプラント周囲炎の要因
インプラント周囲炎の要因は歯周病と同じです。つまりプラークの中にある歯周病菌に感染することで起こり、
毎日のケアが不充分でお口の中にプラークが蓄積されてしまうことがその要因です。
また、インプラント周囲炎を予防するにはメンテナンスが重要です。
メンテナンスを怠り噛み合わせの調整が合っていないなどの状態になると、
インプラント周囲炎が起こりやすくなるのです。
さらに歯周病同様、喫煙や糖尿病などもインプラント周囲炎になるリスクを高めます。
インプラント周囲炎の症状
これも歯周病と同じで、歯肉の腫れや出血、膿みが出るなどの症状が起こります。
また、歯周病の場合は進行すると最終的に歯が抜け落ちてしまいますが、その点もまた同じです。
顎の骨が溶かされることでインプラントが不安定になり、最終的にはインプラント脱落を招いてしまうのです。
また、脱落しないにしても炎症の度合いによってはインプラントの摘出が必要になりますし、
インプラントにとって歯周病…つまりインプラント周囲炎は天敵とも言える病気です。
そのためにも、メンテナンスの通院は絶対に欠かさないようにしてください。
インプラント周囲炎の問題点
インプラント周囲炎は通常の歯周病以上に深刻な病気です。
と言うのも、インプラントは人工物ですから天然の歯の周辺組織に比べて栄養血管が少ないのです。
このため栄養の効果を得られず、炎症に対する抵抗力が従来よりも低いという問題があります。
その影響で、実際にインプラント周囲炎が起こった場合は歯周病以上に進行が速いのです。
顎の骨の破壊が急速に進み、なおかつ歯周病同様に自覚症状が少ないため、
結果的に気付いた時には重症化しているケースが非常に多いのです。
また、インプラント周囲炎はインプラントだけでなく、他の健康な歯にも悪影響を及ぼします。
例えば、インプラント周囲炎が進行してインプラントがグラつくようになった場合、
全体の噛み合わせのバランスが崩れて他の歯にダメージを与えてしまうことになるのです。
…このようにインプラントでも歯周病になることがあり、それをインプラント周囲炎と呼びます。
インプラント脱落を招く危険な病気ですから、メンテナンスを怠らずに徹底予防してください。
インプラント周囲炎の治療方法
初期段階のインプラント周囲炎のことをインプラント周囲粘膜炎と呼びますが、
この状態ならプラークコントロールを適切に行うことで治ります。
ただし進行して歯周組織に炎症が広がり、さらにインプラントに汚れが付着すると簡単な治療では治せません。
その場合はインプラントの表面をクリーニングするための施術が必要になりますし、
さらに進行して顎の骨が溶かされた場合は外科的処置も必要です。
歯肉を切開してインプラントをクリーニングする、歯周ポケットを切除するなどの治療をしなければなりません。
また、もっと深刻な状態になると骨や歯肉を増やすための全く別の治療が必要になることもあります。
と言うのも、インプラントは顎の骨に埋め込むことで安定させているため、
それが溶かされてしまうことはインプラントにとって致命傷になるからです。
インプラント周囲炎の予防方法
インプラント周囲炎の予防方法は歯周病とほぼ同じです。
以下で予防方法について詳しく説明するため、それを実践することでインプラント周囲炎を予防できます。
プラークコントロール
プラークコントロールとは自分で効率よくプラークを除去することで、メインは毎日の歯磨きです。
最も、何も考えずに作業するかのような歯磨きをしていては効果がありません。
プラークコントロールという名前どおり、プラークをより多く除去できる歯磨きをしなければなりません。
言わば精度の高い歯磨きが必要で、そのための方法は主に4つです。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用する
プラークの除去率を数値として挙げると、ブラッシングだけの場合はおよそ6割になります。
そして、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することでそれが8割まで高まるのです。
もちろん両方使用すればさらに除去率は高まりますが、実際にはどちらか一方の使用でも充分です。
プラークチェッカーを使用する
プラークチェッカーを使用すれば、プラークを染め出して色をつけることができます。
それによってプラークが目に見えるようになるため、磨き残しをなくすことができるのです。
また、連続して使用することで磨き残しのパターンが分かり、自分の歯磨きの弱点を知ることができます。
正しい歯磨き方法を身につける
歯科医院でブラッシング指導を受けることで、正しい歯磨き方法を覚えられます。
磨き方はもちろん歯ブラシの持ち方まで指導を受けることができますし、
自己流の歯磨きに比べて確実に精度が高まります。
歯磨きに必要なのは精密さと知る
これは技術や方法というよりは、考え方や意識の持ち方の問題です。
効果的な歯磨きをする上では、頻度よりも精密さが重要です。
1日1回でいいので、時間を掛けて丁寧に歯磨きできる機会を作ってください。
メンテナンスの通院をする
患者さんの心理として、治療を終えた後の歯科医院通いはどうしても面倒になります。
一応治療は終わったからもう大丈夫…そう考えてその後の通院を疎かにする人は少なくないでしょう。
しかし、インプラントにおいてその考え方は厳禁です。
インプラントでは治療後もメンテナンスのための通院が定期的に必要です。
そして、メンテナンスの通院にはインプラント周囲炎を予防するという目的もあるのです。
噛み合わせの調整、お口の状態の確認…これらによって予防、さらには症状の早期発見が可能です。
生活習慣を見直す
インプラント周囲炎の要因は歯周病菌に感染することです。
歯周病菌は細菌ですから、インプラント周囲炎というのは細菌に感染することで起こるわけです。
そして、細菌に感染するリスクというのは身体の免疫力によって大きく変わります。
そこで、生活習慣を見直して身体の免疫力を低下させる行為を改善しましょう。
例えばストレス、睡眠不足、疲労、これらはいずれも身体の免疫力低下を招きます。
また、栄養バランスのとれた食事を心掛け、身体の免疫力を高める努力もしてください。
身体の免疫力が高まれば、それだけ歯周病菌にも感染しにくくなるのです。
それと、喫煙は絶対にやめましょう。タバコを吸うことでインプラント周囲炎になるリスクが高くなり、
さらに重症化しやすくなってしまうからです。これはインプラント周囲炎に限らず、歯周病にも言えることです。
信頼できる歯科医院で治療を受ける
インプラント周囲炎を予防するためには、そもそもインプラント治療する時点でも歯科医院選びも大切です。
例えば、衛生管理が不充分な歯科医院で治療を受けてしまえば、
インプラントに汚れが付着して手術した時点でインプラント周囲炎を招く可能性もあります。
また、メンテナンスにしても噛み合わせや歯肉の異変を見逃してしまえば、
インプラント周囲炎の早期発見の機会を失うことになるのです。
このため、信頼できる歯科医院で治療を受けることもインプラント周囲炎の予防方法の1つです。
…
プラークコントロール、メンテナンス、生活習慣の見直し、信頼できる歯科医院選び、
インプラント周囲炎予防のためにはこれら4つの実践が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、インプラントは歯周病になるのかについてまとめます。
インプラント周囲炎 :インプラントが歯周病になることはあり、正確にはインプラント周囲炎と呼ぶ
インプラント周囲炎の要因 :歯周病同様、プラーク内に存在する歯周病菌に感染することで起こる
インプラント周囲炎の症状 :歯肉の腫れや出血。進行すると顎の骨が溶けてインプラントが脱落する
インプラント周囲炎の問題 :人工物なので栄養血管が少なく、一度症状が起こると進行が早い
インプラント周囲炎の治療方法 :進行すると歯肉を切開してインプラントのクリーニングなどが必要
インプラント周囲炎の予防方法 :予防方法は以下の4つ
プラークコントロール :デンタルフロスなどを使用して精度の高い歯磨きを行う
メンテナンスの通院をする :噛み合わせの調整などによる予防、さらには症状の早期発見ができる
活習慣を見直す :身体の免疫力低下の要因を改善し、歯周病菌に感染するリスクを減らす
これらのことから、インプラントは歯周病になるのかが分かります。
インプラントが歯周病になることはあり、それをインプラント周囲炎と呼びます。
インプラントにとって歯周病は天敵であり、インプラント脱落を招く要因になるのです。
このため、プラークコントロールやメンテナンスを大切にして徹底予防してください。
また、インプラント周囲炎を予防するためには、
インプラント治療を受ける時点で歯科医院選びにこだわることも大切です。
毎日のケアが不充分でお口の中にプラークが蓄積されてしまうことがその要因です。
また、インプラント周囲炎を予防するにはメンテナンスが重要です。
インプラント周囲炎が起こりやすくなるのです。
さらに歯周病同様、喫煙や糖尿病などもインプラント周囲炎になるリスクを高めます。
これも歯周病と同じで、歯肉の腫れや出血、膿みが出るなどの症状が起こります。
また、歯周病の場合は進行すると最終的に歯が抜け落ちてしまいますが、その点もまた同じです。
顎の骨が溶かされることでインプラントが不安定になり、最終的にはインプラント脱落を招いてしまうのです。
また、脱落しないにしても炎症の度合いによってはインプラントの摘出が必要になりますし、
インプラントにとって歯周病…つまりインプラント周囲炎は天敵とも言える病気です。
そのためにも、メンテナンスの通院は絶対に欠かさないようにしてください。
インプラント周囲炎の問題点
インプラント周囲炎は通常の歯周病以上に深刻な病気です。
と言うのも、インプラントは人工物ですから天然の歯の周辺組織に比べて栄養血管が少ないのです。
このため栄養の効果を得られず、炎症に対する抵抗力が従来よりも低いという問題があります。
その影響で、実際にインプラント周囲炎が起こった場合は歯周病以上に進行が速いのです。
顎の骨の破壊が急速に進み、なおかつ歯周病同様に自覚症状が少ないため、
結果的に気付いた時には重症化しているケースが非常に多いのです。
また、インプラント周囲炎はインプラントだけでなく、他の健康な歯にも悪影響を及ぼします。
例えば、インプラント周囲炎が進行してインプラントがグラつくようになった場合、
全体の噛み合わせのバランスが崩れて他の歯にダメージを与えてしまうことになるのです。
…このようにインプラントでも歯周病になることがあり、それをインプラント周囲炎と呼びます。
インプラント脱落を招く危険な病気ですから、メンテナンスを怠らずに徹底予防してください。
インプラント周囲炎の治療方法
初期段階のインプラント周囲炎のことをインプラント周囲粘膜炎と呼びますが、
この状態ならプラークコントロールを適切に行うことで治ります。
ただし進行して歯周組織に炎症が広がり、さらにインプラントに汚れが付着すると簡単な治療では治せません。
その場合はインプラントの表面をクリーニングするための施術が必要になりますし、
さらに進行して顎の骨が溶かされた場合は外科的処置も必要です。
歯肉を切開してインプラントをクリーニングする、歯周ポケットを切除するなどの治療をしなければなりません。
また、もっと深刻な状態になると骨や歯肉を増やすための全く別の治療が必要になることもあります。
と言うのも、インプラントは顎の骨に埋め込むことで安定させているため、
それが溶かされてしまうことはインプラントにとって致命傷になるからです。
インプラント周囲炎の予防方法
インプラント周囲炎の予防方法は歯周病とほぼ同じです。
以下で予防方法について詳しく説明するため、それを実践することでインプラント周囲炎を予防できます。
プラークコントロール
プラークコントロールとは自分で効率よくプラークを除去することで、メインは毎日の歯磨きです。
最も、何も考えずに作業するかのような歯磨きをしていては効果がありません。
プラークコントロールという名前どおり、プラークをより多く除去できる歯磨きをしなければなりません。
言わば精度の高い歯磨きが必要で、そのための方法は主に4つです。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用する
プラークの除去率を数値として挙げると、ブラッシングだけの場合はおよそ6割になります。
そして、デンタルフロスや歯間ブラシを使用することでそれが8割まで高まるのです。
もちろん両方使用すればさらに除去率は高まりますが、実際にはどちらか一方の使用でも充分です。
プラークチェッカーを使用する
プラークチェッカーを使用すれば、プラークを染め出して色をつけることができます。
それによってプラークが目に見えるようになるため、磨き残しをなくすことができるのです。
また、連続して使用することで磨き残しのパターンが分かり、自分の歯磨きの弱点を知ることができます。
正しい歯磨き方法を身につける
歯科医院でブラッシング指導を受けることで、正しい歯磨き方法を覚えられます。
磨き方はもちろん歯ブラシの持ち方まで指導を受けることができますし、
自己流の歯磨きに比べて確実に精度が高まります。
歯磨きに必要なのは精密さと知る
これは技術や方法というよりは、考え方や意識の持ち方の問題です。
効果的な歯磨きをする上では、頻度よりも精密さが重要です。
1日1回でいいので、時間を掛けて丁寧に歯磨きできる機会を作ってください。
メンテナンスの通院をする
患者さんの心理として、治療を終えた後の歯科医院通いはどうしても面倒になります。
一応治療は終わったからもう大丈夫…そう考えてその後の通院を疎かにする人は少なくないでしょう。
しかし、インプラントにおいてその考え方は厳禁です。
インプラントでは治療後もメンテナンスのための通院が定期的に必要です。
そして、メンテナンスの通院にはインプラント周囲炎を予防するという目的もあるのです。
噛み合わせの調整、お口の状態の確認…これらによって予防、さらには症状の早期発見が可能です。
生活習慣を見直す
インプラント周囲炎の要因は歯周病菌に感染することです。
歯周病菌は細菌ですから、インプラント周囲炎というのは細菌に感染することで起こるわけです。
そして、細菌に感染するリスクというのは身体の免疫力によって大きく変わります。
そこで、生活習慣を見直して身体の免疫力を低下させる行為を改善しましょう。
例えばストレス、睡眠不足、疲労、これらはいずれも身体の免疫力低下を招きます。
また、栄養バランスのとれた食事を心掛け、身体の免疫力を高める努力もしてください。
身体の免疫力が高まれば、それだけ歯周病菌にも感染しにくくなるのです。
それと、喫煙は絶対にやめましょう。タバコを吸うことでインプラント周囲炎になるリスクが高くなり、
さらに重症化しやすくなってしまうからです。これはインプラント周囲炎に限らず、歯周病にも言えることです。
信頼できる歯科医院で治療を受ける
インプラント周囲炎を予防するためには、そもそもインプラント治療する時点でも歯科医院選びも大切です。
例えば、衛生管理が不充分な歯科医院で治療を受けてしまえば、
インプラントに汚れが付着して手術した時点でインプラント周囲炎を招く可能性もあります。
また、メンテナンスにしても噛み合わせや歯肉の異変を見逃してしまえば、
インプラント周囲炎の早期発見の機会を失うことになるのです。
このため、信頼できる歯科医院で治療を受けることもインプラント周囲炎の予防方法の1つです。
…
プラークコントロール、メンテナンス、生活習慣の見直し、信頼できる歯科医院選び、
インプラント周囲炎予防のためにはこれら4つの実践が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、インプラントは歯周病になるのかについてまとめます。
インプラント周囲炎 :インプラントが歯周病になることはあり、正確にはインプラント周囲炎と呼ぶ
インプラント周囲炎の治療方法 :進行すると歯肉を切開してインプラントのクリーニングなどが必要
インプラント周囲炎の予防方法 :予防方法は以下の4つ
これらのことから、インプラントは歯周病になるのかが分かります。
インプラントが歯周病になることはあり、それをインプラント周囲炎と呼びます。
インプラントにとって歯周病は天敵であり、インプラント脱落を招く要因になるのです。
このため、プラークコントロールやメンテナンスを大切にして徹底予防してください。
また、インプラント周囲炎を予防するためには、
インプラント治療を受ける時点で歯科医院選びにこだわることも大切です。