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参考程度でもいいので、自分が歯周病かどうかを知る方法があったら知りたいです
2017年09月15日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「自分が歯周病かどうかを知る簡単な方法」です。
虫歯と歯周病を比較した時、大きな違いの1つとも言えるのが自覚症状です。
知ってのとおり虫歯は痛みという辛くて分かりやすい自覚症状がありますが、
歯周病にはそのような明確な自覚症状はありません。
そして、痛みがないことがプラスにもなりマイナスにもなるのです。
痛みで辛い思いをしなくてすむという点では、明確な自覚症状がないことはプラスでしょう。
しかしその反面、自覚症状がないことで気付きにくいというマイナスの部分もあるのです。
自分が歯周病であることに気付かなければ放置することになり、結果的に重症化してしまうからです。
ただし、歯周病も自覚症状が全くないというわけではありません。
そこで、ここでは自分が歯周病かどうかを知るための方法をお伝えします。
目次
1. 自分が歯周病かどうかを知るための自己診断
以下のいずれか1つでも該当する項目がある方は、歯周病にかかっている可能性があります。
歯肉が腫れている、変色している
初期段階の歯周病では歯肉が炎症を起こし、その影響で腫れたり変色したりします。
普段から歯肉をチェックしている方なら歯肉の異変に気付けます。
食事や歯磨きの時に歯肉から出血する
歯肉が炎症を起こしていると、ささいな刺激で出血しやすくなります。
このため、食事や歯磨きの時に歯肉から出血することがあるのです。
口臭がする
歯周病にかかっている時は、お口の中で歯周病菌が増殖しています。
さらに歯肉から出血や膿みが出ることがあるため、これらの影響で口臭がするようになるのです。
歯が長くなったように見える
歯周病が一定以上進行すると、歯槽骨が溶かされてそれにあわせて歯肉も退縮します。
その影響で歯肉全体が下がるため、歯の根元が露出して歯が長くなったように見えるのです。
冷たいものや熱いものがしみる
歯周病が進行すると歯肉が下がって歯の根元が露出しますが、歯の根元はエナメル質に覆われていません。
このため刺激に対して敏感になり、冷たいものや熱いものがしみるようになるのです。
歯が動く、グラつく
歯周病によって歯を支えている歯槽骨が溶かされることで、歯が動いたりグラついたりするようになります。
ここまでくると歯周病は相当進行しており、一刻も早い治療が必要です。
歯石が目立つ
歯石はプラークが石灰化したもので、プラークは時間がたつことで歯石に変化します。
つまり、歯石があるということはそれだけプラークが残っていたことになるため、
歯周病菌に感染している可能性があるのです。
…これらの項目に該当するかどうかで、自分が歯周病になっているかを知ることができます。
とは言えあくまでも簡単な自己診断ですから、確実なのは歯科医院で診てもらうことです。
2. 歯周病を予防するには
例え自己診断の結果問題ないとしても、
しっかりとした予防策を実践しなければいずれ歯周病になってしまうでしょう。
そこで、歯周病を予防するための効果的な方法をお伝えしておきます。
精密な歯磨きを心掛けよう
歯周病予防の基本となる歯磨きですが、予防効果をもたらすには精密さが必要です。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、少しでもプラークの除去率が高まる歯磨きを心掛けましょう。
また、予防歯科や定期検診を受診することでブラッシング指導も受けられます。
歯科医院で定期検診を受けよう
定期検診ではお口のクリーニングを行い、歯周病菌が潜むプラークや歯石を綺麗に除去できます。
さらにお口の状態を確認してもらえるため、歯周病にかかった場合も早期発見と早期治療ができるのです。
定期検診は1度受けるだけでは意味がないので、3ヶ月~6ヶ月に1度の頻度で受けましょう。
生活習慣を見直そう
歯周病は生活習慣病とも呼ばれており、日常生活の過ごし方次第で発症するリスクが高くも低くもなります。
基本的な見直しのポイントとしては、身体の免疫力低下の要因を避けることです。
ストレスなどで免疫力が低下すると、細菌への抵抗力が弱まって歯周病菌に感染してしまうからです。
家族や恋人同士で予防を徹底しよう
歯周病は細菌による感染症で、唾液を介して人から人にうつります。
このため家族や恋人同士で予防しなければ、一方が持つ歯周病菌をもらってしまうことがあるのです。
最も、歯周病が直接うつるわけではないですが、歯周病菌はうつってしまいます。
…もちろん100%予防とまでは断言できませんが、
これらのことを実践していれば大抵の歯周病は予防できます。
また定期検診を受けている以上、例え歯周病になっても重症化する前に発見と治療が可能です。
3. 歯周病にかかる年齢
若い方の中には、年齢を理由に自分は歯周病にはかからないと思っている方もいるでしょう。
しかしそれは間違いで、歯周病は年齢関係なく起こり得る病気です。
実際、小学校の歯科検診で歯肉炎と診断された経験のある方も多いのではないでしょうか。
実は歯肉炎というのは初期段階の歯周病とイコールであり、
その意味では小学生ですら歯周病にかかることもあるのです。
若ければ代謝も盛んなので歯が抜けるほど進行することはないですが、初期段階の歯周病ならかかり得ます。
このため、歯周病は誰にとっても無関係の病気ではないですし、
現に日本人の成人のおよそ7割が歯周病を患っているとまで言われているのです。
また、最近では歯周病の低年齢化も問題視されているため、もっと歯周病に危機感を持たなくてはなりません。
4. 歯周病の治療内容
自分が歯周病であると分かったとして、次に気になるのは治療内容でしょう。
歯周病の治療内容は一定ではなく、進行度に応じて全く異なります。
正確には歯周病の進行度は初期段階、中期段階、重度段階の3段階に分けられており、
進行度が高いほど治療期間も長くなり、また治療内容も大掛かりなものになってきます。
初期段階の治療
初期段階の歯周病であれば、患者さん自身のプラークコントロールと歯石の除去で治ります。
最も、歯石の除去は歯磨きでは不可能なので歯科医院で行う必要があります。
簡単な治療ですむものの、難しいのはそもそもこの段階で自分が歯周病であると気付くことです。
中期段階の治療
状態によっては初期段階と同じ治療で治りますが、治療期間は長くなります。
また、歯周ポケットの溝が深い場合はその部分の清掃が外側からできないため、
歯肉を切開するフラップ手術を行ってそこから歯周ポケット内の清掃を行います。
重度段階の治療
重度段階になると、ほぼ確実にフラップ手術が必要になるでしょう。
また状態によっては治療不可となり、その場合は抜歯するしかありません。
抜歯後は入れ歯やインプラントやブリッジによって対処します。
5. 歯周病の現状
歯周病は現状、虫歯以上に深刻な状況になっています。
日本人の成人の7割が歯周病と言われており、さらに歯周病の低年齢化も問題になっています。
さらに日本人が歯を失う理由として最も多いのが歯周病なのです。
また、現代社会でストレスや疲労をゼロにすることはまず不可能ですから、
その意味では毎日の生活の中にも歯周病にかかるリスクが潜んでいるのです。
ちなみに、歯周病に対して特に注意が必要なのが女性です。
歯周病菌の中には女性ホルモンをエネルギーとしているタイプのものもありますから、
妊娠などによって女性ホルモンが過剰な分泌を起こすと、歯周病菌の働きが活発になってしまうのです。
そして実際に妊娠中に歯周病になることで、早産や低体重児出産のリスクが高まってしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、自分が歯周病かどうかを知る簡単な方法についてまとめます。
自分が歯周病かどうかを知るための自己診断 :以下の項目に1つでも該当する方は要注意
歯周病を予防するには :以下の4つのことを心掛ける
歯周病にかかる年齢 ;年齢問わず歯周病にはかかる。初期段階の歯周病なら小学生でもかかる
歯周病の治療内容 :進行度によって異なる
歯周病の現状 :日本人の成人の7割が歯周病だと言われており、歯を失う要因としても最も高い
これらのことから、自分が歯周病かどうかを知る簡単な方法が分かります。
今回お伝えした自己診断はあくまで参考程度とし、確実なのは歯科医院の検診を受けることです。
自覚症状の少ない歯周病に気付くのは難しく、初期段階の歯周病の場合はなおさらです。
このためこうした診断だけに頼るのではなく、実際に歯科医に診てもらうのが確実です。