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歯が痛い時にやってはいけないことがあれば教えてください
2017年10月29日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「歯が痛い時にやってはいけないこと」です。
虫歯であれ何であれ、歯の痛みというのは急に訪れます。
夜中急に歯が痛んで眠れなかった…そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
さて、歯が痛い時には歯科医院に行くのがもちろん鉄則ですが、
時間や状況的にすぐに歯科医院に行けないケースもあると思います。
そんな時に絶対にやってはいけないこと…今回はそれをお伝えします。
目次
患部を刺激する
これは人間のクセともいうべき行為ですが、
どこか痛んだ時にはついその患部に触れるなどの刺激を与えてしまいがちですね。
歯の痛みにおいてそれは原因で、患部を刺激することで余計に痛みが増してしまうのです。
やってしまいがちなのが、「舌で触れる」や「指さきでガリガリする」などの行為です。
そもそも刺激すること自体で痛みが増しますし、
指で触ることで細菌がついたり傷をつけてしまったりすることがあるのです。
血行が良くなる行為
「血行が良くなる」という表現は一見健康的に思えますが、歯が痛む時には痛みが増す要因になります。
これは血行が良くなることで血流が神経を圧迫させてしまうからです。
そして神経の圧迫によってより痛みが増してしまうのです。
ここで問題なのが、どんな行為をすることで血行が良くなるのかということです。
実はそれはいくつもあり、いずれも日常生活で普通に行っていることばかりなので注意が必要です。
ちなみに、以下の行為で血行が良くなります。
アルコールの摂取
入浴
運動
これらの行為はいずれも血行を良くしてしまうため、歯が痛む時にはやってはいけません。
ただし、そこまでシビアに考えなくて良いのも事実です。例えば入浴…いくら痛みが増すとは言え、
季節によっては入浴しないのは抵抗があるでしょう。
この場合、熱いお湯につかる長い入浴を避ければ良いわけで、ぬるめのシャワー程度なら問題ありません。
また、運動がダメだからと言って歩いてはいけないというわけではありません。
NGとなるのは汗をかくほどの激しい運動で、さすがに歩く分には問題ないのです。
直接患部を冷やす
歯が痛む時の応急処置として「患部を冷やす」は正解です。
しかし冷やすにしても氷を口に含むなど、直接患部を冷やすというのはやってはいけない行為です。
これは、直接冷やすのは刺激を与えるのとイコールになってしまうからです。
歯が痛む時には刺激に対しても痛むことが多く、温度においてもそれは例外ではありません。
知覚過敏がまさにそのパターンで、熱さや冷たさというのは刺激となってしみや痛みを招いてしまうのです。
このため、冷やすにしても解熱シートや氷を包んだタオルで頬側から冷やすのが正解です。
また、同じような注意と挙げるとうがいです。
歯が痛む時にはうがいをすることで痛みがやわらぎますが、
この場合も冷たい水でうがいをすると刺激となって痛むので、ぬるま湯でうがいしましょう。
応急処置で終わらす
後に説明しますが、急な歯の痛みには効果的な応急処置の方法がいくつかあります。
しかし応急処置の効果はあくまでも一時的に痛みを抑えるだけで、治療の効果は全くありません。
このため、痛みがおさまっても必ず歯科医院に行って治療を受けてください。
応急処置だけで終わらせてしまっては、起こっている症状が悪化してしまいますし、
痛みの原因によっては再び痛みが起こるのはもちろん、その痛みもより酷いものになってしまうでしょう。
歯が痛い時の応急処置
歯が痛い時にやってはいけないことを説明してきましたが、では実際にはどうするのが正しいのでしょうか。
今度は歯が痛い時に効果的な応急処置の方法をお伝えします。
痛み止めを飲む
ドラッグストアで市販されているものでも構わないので、痛み止めを飲むことで歯の痛みがおさまります。
ただし、痛み止めに即効性はないので痛みがおさまるまでにある程度時間が掛かりますし、
神経まで進行した虫歯のような激痛とも呼べる痛みの場合は効果が低いこともあります。
頬側から冷やす
ポイントは「頬側から」という点です。上記で説明したように、患部を直接冷やすのは刺激が強いですし、
あたためてしまうと血行が良くなって痛みが増してしまいます。
解熱シートや氷をくるんだ冷たいタオルで頬側から冷やすようにしましょう。
正露丸を詰める
正露丸は歯の痛みにも効果がありますが、この場合「飲む」ではなく「詰める」が正解です。
最も、使用方法の欄をしっかりと確認すればその旨がきちんと説明されています。
患部に押し付けるように詰めることで、歯の痛みをおさえることができます。
ぬるま湯でうがいをする
歯の痛みの原因が虫歯だとして、患部に食べカスが詰まっていることで痛みが起こっていることもあります。
この場合は食べカスを取ることで痛みがおさまりますが、ゴシゴシと歯磨きするのは刺激が強すぎます。
ぬるま湯で何度もうがいをし、詰まっている食べカスを取るのがベストです。
救急歯科医療機関を利用する
小さなお子様がいる方は、子供の体調不良で夜間に救急医療機関に駆け込んだ経験もあると思います。
実は歯科においても救急歯科医療機関があり、夜間でも時間によっては治療を受けられます。
「歯科 救急 夜間 〇〇(地名)」でネット検索すれば、該当する歯科医院がすぐ見つかります。
痛みの原因の主は虫歯
断定はできませんが、歯が痛む原因として最も可能性が高いのは虫歯です。
最も、自覚症状からそれが分かっているという方も多い、
それでも治療が嫌という理由で歯の痛みを放置する方もいます。
でも歯の痛みを我慢するのは辛いですし、何よりそれは虫歯を放置することを意味します。
また、虫歯が進行して歯の神経が死んでしまうと痛みを感じなくなるため、
我慢していた方にとってはそれをプラスの出来事に捉えてしまうかもしれません。
しかし、虫歯の放置はただ痛むだけでなくもっと大きな問題を引き起こしてしまいます。
6-1. 虫歯の放置で起こる問題
虫歯の痛みを我慢し続ける…すなわち虫歯を放置することで次のような問題が起こります。
痛みが増す
虫歯で最初に痛むのは、タイミングとして象牙質まで虫歯が進行した時です。
ここで放置すると歯の神経まで虫歯が進行し、痛みは激痛に変化してしまいます。
つまり、歯の痛みを放置することでその痛みがさらに増す可能性があるのです。
歯の神経が死ぬ
歯の痛みが激痛の場合、歯の神経まで虫歯が進行している可能性が高いです。
この場合、さらに放置してしまうと歯の神経が死んでしまいます。
神経が死んだ歯は変色して見た目も悪くなり、栄養が届かなくなることで非常に脆くなってしまいます。
歯を失う
虫歯を放置して末期段階まで進行すれば、歯は原型を留めていないくらいボロボロの状態になります。
また、そこまで進行すると治療しても歯を残せないケースが多く、その場合抜歯するしかありません。
つまり歯の痛みを放置すれば最終的に歯を失う結果になってしまうのです。
命にかかわる病気を招く
これが虫歯の放置で最も恐ろしい問題です。虫歯は歯や神経を破壊した後も原因菌が生き続け、
その菌はやがて血液に侵入して血管を通じて全身に回ります。
そうなると脳や心臓に菌が回る可能性もあり、その場合脳梗塞や心筋梗塞が起こる要因となります。
…歯の痛みの原因が虫歯だったとして、その虫歯が自然に治ることはありません。
例えどれだけ丁寧に歯磨きしたとしても、進行した虫歯は治療しない限り治らないのです。
つまり治療しなければ虫歯の原因菌は生き続けることになり、こうした様々な問題を引き起こします。
最も、歯の痛みの原因が虫歯でない可能性だってありますし、
原因は歯科医院で診察を受けない限り特定できません。
虫歯を進行させないためにも、もしくは歯の原因の痛みを知るためにも痛む時は放置してはいけません。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯が痛い時にやってはいけないことについてまとめます。
患部を刺激する :舌で触れたり指で触ったりしてしまうと、細菌や傷などがついて余計に痛む
血行が良くなる行為 :神経を圧迫させて痛みが増す。アルコールの摂取や入浴や運動が該当する
直接患部の冷やす :冷やすのは良いが、直接冷やしてしまうと刺激となって余計に痛む
応急処置で終わらす :応急処置に治療効果はなく、歯科医院で治療しない限り症状は悪化する
歯が痛い時の応急処置 :以下の方法で痛みを抑えることができる
痛み止めを飲む :市販のものでも大丈夫。効果が出るまで時間が掛かるので即効性はない
頬側から冷やす :解熱シートや氷をタオルにくるむなどして頬側から冷やす
正露丸を詰める :「飲む」ではなく「詰める」。患部に押し込むように詰めると痛みがおさまる
ぬるま湯でうがいをする :食べカスなどが詰まって患部を刺激している場合に効果的
救急歯科医療機関を利用する :夜間でも緊急で治療を受けられる歯科医院がある
痛みの原因の主は虫歯 :断定はできないが、歯が痛い時の原因は虫歯であることが多い
虫歯の放置で起こる問題 :痛みを我慢…すなわち虫歯を放置すると以下のような問題が起こる
痛みが増す :虫歯の痛みは放置することでやがて激痛に変化する
歯の神経が死ぬ :歯の神経が死ぬと歯が変色してしまい、さらにその歯は脆くなる
歯を失う :虫歯を放置すれば最終的に歯はボロボロになり、抜歯するしか対処できなくなる
命にかかわる病気を招く :虫歯の原因菌が全身に回ることで、脳梗塞や心筋梗塞を招く
これらのことから、歯が痛い時にやってはいけないことが分かります。
今回のお話の中で知っておいてほしい点は3つです。
1つはテーマどおり、歯が痛い時にはどんなことをしたらダメなのかを知っておいてください。
2つ目に、では歯が痛い時にどうすればいいか?…いわゆる応急処置の方法を知っておいてください。
そして最後3つ目は、例え痛みが治まっても治療しなければ何も解決しないことを知っておいてください。