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歯磨きしても数時間後には口がネバネバします。
2017年11月27日
歯磨き後すぐに、口臭やネバつきが発生しない方法を教えてください
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「歯磨き後に起こる口臭やお口のネバつき対策」です。
本来なら、歯磨きをした後はお口の中が爽やかで快適な気分になります。
しかしそうではなく、歯磨きしてわずかな時間でお口の中がネバつく…そんな悩みを抱える人も多いですね。
また、ネバつきだけでなく口臭を感じる人もいますし、
そういった場合はいくら歯磨きしてもエチケット効果が得られず、常に自分の口臭が気になってしまうでしょう。
ではどうすればこの問題を解決できるのでしょうか。
このケースに限らず、問題を解決するために必要なのは問題が起こった理由…つまり原因を知ることです。
そこで、ここでは歯磨き後のお口の中のネバつき、口臭をテーマにした説明をしていきます。
目次
考えられる4つの可能性
歯磨きしてもすぐにお口の中がネバついて口臭も感じる…そのケースにおいて考えられる原因は4つです。
歯磨きの仕方が悪い
歯磨きにおいて必要なのは頻度や回数ではなく精度です。
このため、いくら歯磨きしても適当に磨いていてはお口の中は綺麗になりません。
もしかすると歯磨きの仕方が悪く、充分綺麗になっていないためにネバつきが起こるのかもしれません。
ちなみにプラークの除去率を数値で示すと、歯ブラシだけの歯磨きではプラークの除去率は6割程度です。
つまり4割の磨き残しがあるわけで、そのせいでネバつきや口臭が起きている可能性があるのです。
この場合の解決方法は2つです。1つはデンタルフロスを使用してプラークの除去率をより高めることです。
実際、デンタルフロスを使用すればプラークの除去率が2割高まるとされていますし、
歯間ブラシの使用でも同様の効果があります。
もう1つの方法は、歯科医院で検診を受けて正しい歯磨きの方法の指導を受けることです。
歯周病
可能性としてはこれが最も高いでしょう。
歯磨きしてもお口の中がネバつく、口臭を感じる…いずれも歯周病の症状に該当しています。
歯周病になると歯周ポケットという溝に細菌が溜まるため、簡単な歯磨きではそれらを除去できません。
そうするとやがて歯周ポケットの中で細菌が増殖してしまい、口臭を引き起こしてしまうのです。
また、歯周病によって起こる歯肉からの出血や膿みも口臭を招くため、
健康な状態に比べると歯磨きをした後でもネバつきや口臭が残ってしまうのです。
歯周病が悪化すると歯がグラつくようになり、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
さらに今回のテーマでもあるお口の中のネバつきや口臭はより酷くなっていきます。
このため、歯周病の可能性を疑える場合は早く歯科医院に行って治療してもらいましょう。
ドライマウス
ドライマウスを日本語で言うと口腔乾燥症になり、文字どおり唾液が減少してお口の中が渇く病気です。
そもそもなぜドライマウスになるかと言うと、「使用している薬による副作用」、
「ストレスが原因による唾液の減少」などが考えられますし、「糖尿病」が関係している可能性もあります。
ドライマウスになってしまうと普段以上にお口の中が渇きますし、口臭も感じるようになるため、
「歯磨きしてもお口がネバついて口臭がする」という今回のテーマにズバリ当てはまるのです。
このような口腔内環境になることで虫歯にもかかりやすくなり、それがドライマウスの怖いところでもあります。
対処としては歯科医院で治療することです。
ちなみに、中にはドライマウスの専門外来を設けている病院もあるので調べてみてください。
またストレスが原因になっている以上、ストレスの解消策も考えなければなりません。
唾液の質の問題
唾液の質は人それぞれ異なります。
唾液がサラサラしてなおかつ分泌量の高い人は、お口のネバつきや口臭は感じにくいでしょう。
逆に、唾液がネバネバしていて分泌量の低い人は、お口のネバつきや口臭を感じやすいのです。
この違いは、唾液には細菌を洗浄する効果があることが関係してきます。
唾液がサラサラして量も多ければ、お口の中全体に唾液が行き届きますし、
そうなれば細菌が溜まりにくいので口臭も起こりにくいのです。
一方、ネバネバした唾液だと細菌を洗い流しにくくなり、
さらに量も少なければ箇所によっては唾液が行き届かずに乾燥した状態になります。
このため、結果としてお口の中がネバネバして口臭も感じてしまうのです。
一時的口臭と病的口臭
口臭に関して言えば、一時的口臭と病的口臭の2つの類の口臭があります。
一時的口臭とは細菌の働きによって起こるもので、病気が原因で起こっているわけではありません。
そして病気的口臭は文字どおり、歯周病などの病気が原因で起こっている口臭です。
後者の場合は原因が病気にあるという点で、治療を受けることが何よりの解決方法になります。
一方前者の場合は唾液がポイントになっており、唾液の分泌量を高めることで解決できるケースもあります。
ではなぜ唾液の分泌量を高めることで口臭が改善されるのでしょうか。
その理由となるのが、唾液の分泌量が低いと口臭が起こりやすいという事実です。
一時的口臭の場合、口臭を起こす原因となるのは嫌気性菌と呼ばれる細菌で、
この細菌は酸欠状態の環境を好む特徴があります。
さて唾液には酸素が含まれていますから、唾液の分泌量が少ないことでお口の中の酸素も少なくなり、
同時にお口の中は渇いた状態になります。そしてこの状態は嫌気性菌が好む環境そのものでもありますから、
そうなると嫌気性菌の働きが活発になり、プラークを分解して口臭を引き起こしてしまうのです。
唾液の分泌量を高める方法
一時的口臭によって歯磨き後もお口の中がネバついて口臭を感じる場合、
唾液の分泌量を高めることで改善が見込めます。
そして、唾液の分泌量を高めるためには以下のような方法があります。
リラックスする
緊張するとお口の中が渇くことが分かるとおり、緊張時は唾液の分泌量が低下しています。
もっと詳しく言えば、緊張で交換神経が優位になることによって唾液の分泌量が低下するのです。
一方、副交感神経が優位になれば唾液の分泌量が高まるため、お口の中が渇くことはありません。
ではどうすれば副交感神経が優位になるのか?…それはストレスを解消してリラックスすることです。
ガムを噛む
そもそも唾液は噛むことによって分泌が促されます。
そこで噛む機会を増やすため、ガムを噛むようにしてください。
そうすれば、食事の時以外にもガムを噛むことでお口の中で唾液が充実した状態になります。
ただしガムを噛むと虫歯のリスクが高まるため、それを防ぐ意味でキシリトール配合のガムがおすすめです。
マメに水分を補給する
水分を摂取する量が少ないと、当然身体にある水分の量は激減してしまいます。
そして、身体にある水分の量が不足することで身体は唾液の分泌を抑えようとするのです。
このメカニズムを防ぐには、水分の量を不足させないことが大切です。
このため、マメに水分を補給する習慣を身につけましょう。ちなみに、水分補給は水を飲むのがベストです。
鼻呼吸を意識する
呼吸には口呼吸と鼻呼吸がありますが、口呼吸は直接お口の中に乾燥した空気を取り込むことになります。
そして、乾燥した空気が取り込まれることでお口の中の唾液が蒸発します。
そうなると、唾液が少なくなってお口の中が渇いてしまうのです。
このため呼吸は鼻呼吸を意識すべきですし、口呼吸は噛み合わせが悪くなる原因にもなってしまいます。
ただし、口呼吸から鼻呼吸に変えるのは状態次第では容易なことではありません。
例えば歯並びの悪さが原因で口呼吸になっている場合、改善するには矯正治療が必要です。
…こうした方法で唾液の分泌量を高めれば、一時的口臭はある程度の改善が見込めます。
最も、歯磨き後の口臭やネバつきの原因が病的口臭か一時的口臭か、それを見分けるのは難しいでしょう。
このため、今回のテーマのような悩みがある人はまず歯科医院に行き、
検査を受けて症状が起こっている原因を知ることです。原因を知ることで、初めて効果的な対策がとれます。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、歯磨き後に起こる口臭やお口のネバつき対策についてまとめます。
考えられる4つの可能性
・歯磨き後の口臭、ネバつきには以下の原因が考えられる
・歯磨きの仕方が悪い :綺麗に磨き切れていないため、プラークが残って口臭やネバつきを感じる
・歯周病 :可能性としてはこれが最も高い。歯周病が原因なら歯科医院で治療しなければならない
・ドライマウス :使用している薬、ストレスなどが原因で起こる病気。歯科医院での治療が必要
・唾液の質の問題 :量が少なくネバついた唾液だと、歯磨き粉も口臭やネバつきを感じる
一時的口臭と病的口臭
一時的口臭の場合、嫌気性菌によって口臭が起きている
唾液の分泌量を高める方法
・唾液の分泌量を高めることは、一時的口臭の予防に効果的
・リラックスする :ストレス解消してリラックスすれば、副交感神経が優位になって唾液の分泌量が高まる
・ガムを噛む :噛むことは唾液の分泌を促す。虫歯予防のためキシリトール配合のガムがおすすめ
・マメに水分を補給する :水分の摂取量が少ないと、身体が唾液の分泌を抑えてしまう
・鼻呼吸を意識する :口呼吸はお口の中が渇くだけでなく、噛み合わせも悪くさせてしまう
これらのことから、歯磨き後に起こる口臭やお口のネバつき対策が分かります。
この症状に対して考えられる原因は「歯磨きの仕方が悪い」、「歯周病」、「ドライマウス」、
「唾液の質に問題がある」の4つが挙がります。
それぞれ対処方法が全く異なるものの、対処しなければ改善されないという点では同じです。
つまり、何もせずに放置してしまえば今の問題が解決することはありません。
そのためにも歯科医院に行って相談し、検査を受けて症状が起こっている原因を正確に知りましょう。