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噛み合わせが悪い場合は、どんな方法で治すのでしょうか?
2018年02月09日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「噛み合わせの悪さの治療方法」です。
噛み合わせの悪さは決して無視できない問題で、放置すると様々な問題が起こります。
例えば、噛み合わせが悪いことで歯並びも悪ければ歯磨きがしづらくなり、虫歯に掛かりやすくなります。
さらに噛み合わせが悪いと噛む筋肉に影響し、その結果頭痛や肩こりを引き起こすことがあります。
このため、噛み合わせが悪い人は虫歯や歯周病同様、改善するための治療をしなければなりません。
とは言え、噛み合わせの悪さに対する治療方法を知らない人は多いでしょうし、
治療方法を知らなければ治療を受けることに不安を感じてしまうでしょう。
そこで、ここでは噛み合わせの悪さを改善する治療方法について説明していきます。
目次
噛み合わせが悪い原因と治療方法
噛み合わせを改善する治療方法は、噛み合わせが悪くなっている原因によって決まります。
そこで、噛み合わせが悪くなる原因を3つのパターンに分けて考えてみます。
原因1. 歯並びが悪い
まず、噛み合わせが悪い原因として真っ先に考えられるのは歯並びの悪さです。
歯並びが凸凹した状態だと均等に噛むことができないため、噛み合わせが悪くなります。
この場合、矯正治療を行って歯並びを改善することが噛み合わせの改善につながります。
原因2. 詰め物や被せ物の高さが合っていない
虫歯治療などで処置した詰め物や被せ物が高い、もしくは低いと噛み合わせが悪くなります。
この場合、天然の歯を触ることなく詰め物や被せ物の高さを調整して噛み合わせを改善します。
ただし詰め物や被せ物が低い場合は再製作が必要となるため、少々時間が掛かります。
原因3. 歯ぎしりや舌癖
歯ぎしりは摩擦で歯を擦り減らし、舌癖は舌で歯を押すことで歯が動いて噛み合わせが悪くなります。
最も、舌癖は自分の意思で行っているため、意識すれば止めることができるでしょう。
問題は就寝中に無意識に行う歯ぎしりで、この場合は専用のマウスピースを着用して対処します。
…噛み合わせが悪くなっている原因は様々ですが、一般的にはこのような「歯並びの悪さ」、
「詰め物や被せ物の高さのズレ」、「歯ぎしりや舌癖」の可能性が高いでしょう。
噛み合わせが悪いとどうなるか
そもそも、噛み合わせが悪いのはそんなに深刻な問題なのかと疑問に思う人も少なくありません。
確かに、噛み合わせが悪いというのは虫歯や歯周病のような病気ではありません。
しかし、噛み合わせの悪さを放置すると以下のような問題が起こります。
•頭痛や肩こりを引き起こす
噛む筋肉の中には広頸筋と側頭筋があり、
これらはそれぞれ首から肩、顎の関節から頭の横につながっている筋肉です。
噛み合わせが悪いとこれらの筋肉が影響を受け、肩こりや頭痛を引き起こしてしまいます。
•歯ぎしりをしやすくなる
噛み合わせが悪くなる原因の1つでもある歯ぎしりですが、噛み合わせが悪いことで起こる問題でもあります。
歯ぎしりをするようになると摩擦で歯にダメージを与え、表面のエナメル質を傷つけてしまいます。
そうなると知覚過敏になってしまい、触れることや温度差を感じることでしみるようになってしまいます。
•虫歯になりやすい
歯並びの悪さが原因で噛み合わせが悪い場合に起こる問題です。
歯並びが悪ければ歯磨きがしづらくなり、どうしても磨き残しが増えてしまいます。
磨き残しが増えればプラークが溜まり、虫歯になるリスクが高まってしまいます。
•見た目に影響する
歯並びの悪さで噛み合わせが悪ければ、歯並びが悪い点で見た目が悪くなります。
また、受け口や出っ歯などによって噛み合わせが悪い場合も見た目に影響しますし、
噛み合わせが悪いと顎の形が変形するため、顔の輪郭も歪んで見えてしまいます。
•顎関節症になりやすい
噛み合わせが悪いと顎の関節に過剰な負担を掛けてしまうため、顎関節症になりやすくなります。
最も、噛み合わせが良い人でも顎関節症になることはありますが、
噛み合わせが悪い人の場合はそのリスクが高まる上、顎関節症になった時に重症化しやすい傾向があります。
…このように噛み合わせが悪いと「見た目」、「全身の健康」など、
口の中以外の箇所にまで悪影響を及ぼしてしまうため、治療による改善をおすすめします。
噛み合わせの状態を自己診断する方法
噛み合わせが良いか悪いかは、なかなか自分で判断するのが難しいと思います。
そこで、自分の噛み合わせがどんな状態なのかを自己診断する方法をお伝えします。
確実なのは歯科医院で診察を受けることですが、噛み合わせの状態を知る目安として参考にしてください。
•左右の歯の噛み合わせに注目
上下の前歯の中心に注目し、ここが一致していない場合は上下の歯の噛み合わせが悪い状態です。
また、上下の顎の骨が左右のどちらかにズレてしまっている可能性もあります。
子供の頃に顎の骨のズレがない人でも、
左右の歯の噛み合わせが悪ければ徐々に上下の顎の骨がズレていってしまいます。
•前後のバランスに注目
前歯と奥歯のそれぞれの噛み合わせで、上の歯が下の歯より2ミリ程度外側に並んでいるのが正常です。
逆に明らかにバランスが悪いのは、出っ歯や受け口の状態になっている場合で、
上下どちらかの顎の骨が生まれつき小さい、もしくは大きく成長しすぎていることが原因と考えられます。
前後のバランスが悪いと発音がしづらいですし、噛んだ時も食べ物を潰しにくくなってしまいます。
•上下の前歯の噛み合わせの深さに注目
正常なのは、前歯の噛み合わせの深さが2ミリ程度の状態です。
これより浅いと食べ物を噛み切れないですし、逆に深すぎるのも問題です。
噛み合わせが深すぎると上の前歯に下の前歯が噛みこむ形になるため、出っ歯になりやすくなります。
また、上下の歯が噛み合っていない場合やスペースが空いている場合も噛み合わせが悪い状態です。
•横顔を見た時の口元に注目
注目すべて点は2つで、「自然な状態にした時に口を閉じているか」と「鼻呼吸ができているか」です。
まず口を閉じられないのは噛み合わせが悪い可能性が高く、口元が出ている状態も同じことが言えます。
次に鼻呼吸ですが、口呼吸をしてしまうと悪い菌が直接入り込んでしまいます。
さらに口の中も渇きやすくなり、虫歯や歯周病になるリスクが高くなってしまうのです。
•正面から顔を見た時の唇に注目
まず、左右の目から唇の両端までの距離に注目してください。
次に、笑った状態での唇の両端の高さに注目してください。
どちらも距離や高さがズレている場合、左右の噛み合わせが悪い可能性が高いです。
これについては確認がしやすいため、鏡の前でぜひチェックしてみましょう。
•歯並びに注目
噛み合わせが悪い原因として最も可能性の高いのが歯並びの悪さです。
明らかに歯並びが悪いのは凸凹している歯並びですが、
それ以外にも歯と歯の間に隙間が空いている、もしくは歯が重なっているのも歯並びが悪い状態です。
正常なのは、歯が重ならずに綺麗に一列に並んでいる状態です。
…文章からイメージしづらいチェック項目については、一度自分の指を使ってシミュレーションしてみましょう。
自己診断の結果不安に感じることがあれば、歯科医院に行って診察を受けると確実です。
噛み合わせが悪くならないための注意点
噛み合わせの悪さを治療することは大切ですが、
それだけでなく噛み合わせが悪くならないように予防することも大切です。
特に子供の場合、将来噛み合わせが悪くならないための注意点がいくつかあります。
•指しゃぶり、爪を噛む
指を吸った時の力は大きく、これが継続的に掛かるようになると舌側から前歯を押し続ける状態になります。
そうなると出っ歯になりやすいですし、爪を噛むことでも歯や歯肉に過剰な負担を掛けてしまいます。
•頬杖、うつ伏せ
頬杖やうつ伏せによって頭の重さが顎の関節に掛かり、その影響で顎の発育に支障が出てしまいます。
顎の発育に支障が出ると噛み合わせが悪くなり、顔の輪郭も歪んでしまいます。
•歯を食いしばる
歯ぎしりと同じ問題が起こります。歯を食いしばることで歯が擦り減り、
顎の関節に負担を掛けて歯並びが悪くなります。そして、歯並びが悪くなることで噛み合わせも悪くなります。
…いずれも子供が無意識にする行為ですし、一見それは問題のある行為には見えません。
しかしこれらの行為は歯並び、及び噛み合わせを悪くする原因になるのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、噛み合わせの悪さの治療方法についてまとめます。
1. 噛み合わせが悪い原因と治療方法 :原因によって治療方法が異なる
•歯並びが悪い :矯正治療を行い、歯並びを改善することで噛み合わせも良くなる
•詰め物や被せ物の高さが合っていない :詰め物や被せ物の高さを調整する(低い場合は再製作する)
•歯ぎしりや舌癖 :無意識に行う歯ぎしりに対しては、専用のマウスピースを着用する
2. 噛み合わせが悪いとどうなるか :以下のような問題が起こる
•頭痛や肩こりを引き起こす :噛む筋肉である広頸筋や側頭筋が影響を受けるため
•歯ぎしりをしやすくなる :歯ぎしりは摩擦によって歯にダメージを与え、知覚過敏を起こしてしまう
•虫歯になりやすい :歯並びが悪い場合は歯磨きがしづらく、その分虫歯になるリスクが高まる
•見た目に影響する :受け口や出っ歯、顎の形の変形や顔の輪郭の歪み
•顎関節症になりやすい :顎の関節に過剰な負担を掛け、顎関節症になりやすくなる
3. 噛み合わせの状態を自己診断する方法 :以下の方法で自己診断できる
•左右の歯の噛み合わせに注目 :上下の前歯の中心が一致していないと噛み合わせが悪い
•前後のバランスに注目 :前歯と奥歯の噛み合わせで上の歯が下の歯より2ミリ程度外側に並ぶのが正常
•上下の前歯の噛み合わせの深さに注目 :前歯の噛み合わせの深さが2ミリ程度だと正常
•横顔を見た時の口元に注目 :口が閉じられないと噛み合わせが悪い可能性が高い
•正面から顔を見た時の唇に注目 :左右の目から唇の両端までの距離が同じだと正常
•歯並びに注目 :歯と歯の間に隙間が空いている、もしくは歯が重なっているのは歯並びが悪い
4. 噛み合わせが悪くならないための注意点 :子供の噛み合わせが悪くならないよう以下の点に注意
•指しゃぶり、爪を噛む :出っ歯になりやすく、爪を噛むことで歯や歯肉に負担を掛ける
•頬杖、うつ伏せ :頭の重さが顎の関節に掛かり、顎の発育に支障が出て噛み合わせが悪くなる
•歯を食いしばる :歯ぎしり同様、摩擦によって歯が擦り減って歯並びと噛み合わせが悪くなる
これらのことから、噛み合わせの悪さの治療方法についてまとめます。
噛み合わせが悪いことは病気ではありません。
そして、病気ではないからこそ改善するのは不可能だと思ってしまうかもしれません。
しかし、原因さえ分かれば噛み合わせの悪さを改善することができます。
このため、噛み合わせの悪さを自覚している人は諦めずに歯科医院に行って相談してみてください。