BLOG
噛み合わせが悪いのが気になります。矯正治療を受ければ治りますか?
2018年04月07日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「噛み合わせの悪さの治療方法」です。
噛み合わせが悪ければ見た目も悪くなり、それだけでなく身体の健康にも悪影響があります。
確かに噛み合わせが悪いのは病気ではないですが、
このような問題が起こることを考えると治療した方が良いというのは言うまでもありません。
では、噛み合わせの悪さはどうやって治せば良いのでしょうか。
病気ではないため当然薬では治せないですし、だからと言って時間が解決してくれる問題でもありません。
そこでここでは噛み合わせの悪さを治す方法をテーマにして、1つの例として矯正治療を挙げてみます。
さらに噛み合わせの悪さによって起こる問題についても説明していきます。
目次
噛み合わせの悪さを放置するとどうなるか
噛み合わせが悪いということは、噛んだ時のバランスが悪いということです。
それはささいなことに思えるかもしれませんが、
このバランスの悪さが全身のバランスを崩す原因となり、病気や体調不良などを引き起こします。
1-1. 肩こりや頭痛
肩こりや頭痛は疲労によって起こるイメージがありますが、
時には噛み合わせの悪さが原因で起こることもあります。
噛む時には首から肩に掛けてつながる広頸筋と、顎骨から頭の横に掛けてつながる側頭筋を使用します。
噛み合わせが悪いことでこれらの筋肉のバランスが悪くなり、
広頸筋のバランスが悪くなることで肩こり、側頭筋のバランスが悪くなることで頭痛を引き起こします。
しかも噛み合わせの悪さが原因である以上、いくら睡眠や休養をとっても慢性的に起こるのです。
1-2. 顎関節症
顎関節症は噛み合わせが良い人でも起こりますが、噛み合わせが悪いとそのリスクが高まる上、
重症化しやすくなります。これは、噛み合わせが悪いことで顎関節に掛かる負担が大きくなるためです。
顎関節症の症状としては以下のようなものが挙げられます。
・顎関節、もしくはその周辺に違和感や痛みが起こる
・食べ物を噛んだ時に違和感や痛みが起こる
・食事中に顎がだるくなる
・噛みしめた時に顎関節が痛くなる
・口の開閉時に顎関節で音がする(カクン、コキンというような音)
・口が開けにくくなり、顎も外れることがある
1-3. 虫歯や歯周病
噛み合わせが悪い原因の1つとして、歯並びの悪さが考えられます。
そして歯並びが悪く凸凹していると歯磨きがしづらくなり、磨き残しが増えてしまいます。
磨き残しが増えればプラークが溜まり、虫歯になるリスクが高くなるのです。
また噛み合わせが悪いと歯に掛かる負担が大きくなり、それが歯を支える歯肉や歯槽骨にも影響します。
歯と歯肉の境目が広がる、歯を支える歯槽骨が溶かされるなどの症状が起こって歯周病になるリスクが高まり、
さらに歯周病も悪化…つまり進行しやすくなってしまうのです。
1-4. 見た目の悪さ
噛み合わせが悪いと上下の歯のバランスが崩れますし、特に歯並びも悪ければ見た目が悪くなります。
また、噛み合わせの悪さは顎を変形させてしまい、顎の変形は顔の輪郭の歪みにつながります。
そして顔の輪郭が歪んでいれば、当然顔の見た目も悪くなってしまうのです。
このような見た目の悪さはコンプレックスの原因にもなり、それは心の病気を引き起こしてしまいます。
口元が気になることで人と会話するのが怖くなり、
その気持ちが仕事にもプライベートにも影響してしまうのです。
噛み合わせの悪さは矯正治療で治るのか
噛み合わせの悪さが矯正治療で治るかどうか…それは噛み合わせが悪い原因にもよります。
歯並びの悪さが原因であるなら、確かに矯正治療をすれば噛み合わせも良くなるでしょう。
しかし、噛み合わせが悪い原因がそれ以外にあるなら矯正治療をしても治りません。
例えば、被せ物の高さが合わないことで噛み合わせが悪くなっているケースもあります。
この場合は、被せ物の高さを調整することが治療方法になります。
ちなみに、入れ歯やインプラントの高さが合っていない場合にも同様のことが言えます。
被せ物の調整は精密な作業ですから、
腕の良い歯科医の在籍する信頼できる歯科医院選びがポイントになるでしょう。
また、日常生活のささいなクセが原因で噛み合わせが悪くなることもあります。
例えば歯ぎしりや食いしばり…これらは歯に負担を掛けて噛み合わせを悪くさせてしまいます。
食いしばりはともかく歯ぎしりは睡眠中に無意識に行う行為のため、
専用のマウスピースを装着して歯に負担を掛けさせないことが治療方法になります。
つまりまとめると、噛み合わせの悪さを治すには矯正治療が効果的ですが、
あくまでそれは「歯並びの悪さ」が原因で噛み合わせが悪くなっているケースです。
他の原因で噛み合わせが悪くなることもあり、原因に合った治療方法を考えなければなりません。
保険診療が噛み合わせの悪さを招くこともある
例えば奥歯を入れ歯にする場合、選択肢として保険の入れ歯と自費の入れ歯の二択があります。
この場合一般的には保険の入れ歯を選択する人が多く、それは費用の安さが理由です。
しかし、この選択が噛み合わせを悪くさせてしまうことがあります。
この例について説明すると、奥歯は歯の中で最も強い力の掛かる部位になります。
このためレジンを使用した保険の入れ歯では、噛んだ時の圧力によって入れ歯が沈み込んでしまいます。
さらに擦り減りも起こりやすいため、時間の経過とともに噛み合わせが悪くなっていくのです。
一方、自費の入れ歯を選択していればセラミックや強化プラスチックを人工の歯の素材にできます。
これも素材は耐久性が高いため、奥歯で噛んだ時の圧力で入れ歯が沈み込むことも起こりにくいのです。
もちろん保険診療がダメというわけではないですし、安全性において問題もありません。
しかし入れ歯などの治療内容によっては、
材質にこだわることで噛み合わせの悪さを予防できるケースもあるのです。
ちなみにこの例に関して言えば、自費の治療ならインプラントにする選択肢もあります。
インプラントなら人工の歯だけでなく歯の根まで再現できるため、
天然の歯と同じ安定性と耐久性を再現することが可能です。
このように、自費の治療を選択することで噛み合わせが悪くなる原因を回避できる例もあるのです。
子供の歯と噛み合わせ
子供の場合は、日常生活の過ごし方が将来の噛み合わせの悪さの原因になることがあります。
歯並びの悪さが原因で噛み合わせが悪ければ、矯正治療をすれば噛み合わせは治ります。
しかし、そもそもの歯並びの悪さの原因が日常生活の過ごし方にあるケースもあるのです。
4-1. クセ
指をしゃぶる、舌で歯を押す…こうしたクセを持つ子供をよく見かけると思いますが、
指しゃぶりは出っ歯になる原因になりますし、奥歯の噛み合わせも悪くなります。
また舌で歯を押し出すクセが続くと歯が動いてしまい、歯並びが悪くなってしまいます。
4-2. 頬杖
頬杖をつけば、頭の重さを顎で支える状態になります。
頭は身体の中でも重いため、顎で支えることは大きな負担になります。
その結果、歯並びが悪くなってしまうことがあります。
4-3. 乳歯の虫歯
乳歯が虫歯になってなおかつ神経の治療をした場合、
乳歯が早く抜けたり乳歯の根が正常に溶けなかったりすることがあります。
そうなると永久歯が正常な位置に生えてこなくなり、最終的な歯並びが悪くなってしまいます。
4-4. 食生活
やわらかいものばかり食べていると噛む回数が少なくなるため、顎の発達が遅れてしまいます。
顎の発達が遅れることで歯並びが悪くなり、上下の歯の位置も正常ではなくなってしまいます。
上下の歯の位置が正常ではない…それはつまり噛み合わせが悪いことになるのです。
4-5. 口が開いた状態が続く
例えばテレビに集中している時など、子供は口を開けたままにしていることがあります。
このように、口が開いたままの状態が続くと口元の筋肉や骨格が成長しづらくなり、
その結果噛み合わせが悪くなってしまうのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、噛み合わせの悪さの治療方法についてまとめます。
1. 噛み合わせの悪さを放置するとどうなるか :全身のバランスが崩れ、以下のような症状をもたらす
・肩こりや頭痛 :噛む筋肉である広頸筋と側頭筋のバランスが悪くなり、肩こりや頭痛の原因になる
・顎関節症 :噛み合わせが良い人でも起こるが、悪い人は発症するリスクと悪化するリスクが高くなる
・虫歯や歯周病 :歯並びの悪さで噛み合わせが悪ければ歯磨きがしづらく、虫歯や歯周病になりやすい
・見た目の悪さ :歯並びの悪さ、顎の変形、顔の輪郭の歪み、いずれも顔の見た目に影響してしまう
2. 噛み合わせの悪さは矯正治療で治るのか :原因が歯並びの悪さにあるなら矯正治療で治る
3. 保険診療が噛み合わせの悪さを招くこともある :奥歯の入れ歯が例。時には素材にこだわるのも大切
4. 子供の歯と噛み合わせ :日常生活の過ごし方で歯並びや噛み合わせが悪くなることがある
・クセ :指しゃぶり、舌で歯を押すなどのクセは噛み合わせや歯並びを悪くさせる原因になる
・頬杖 :頭の重さが顎への負担となり、噛み合わせや歯並びが悪くなる原因になる
・乳歯の虫歯 :神経の治療をすると乳歯は早く抜けるなどの問題が起こり、将来の歯並びに影響する
・食生活 :やわらかいものばかり食べると顎の発達が遅れ、上下の歯の噛み合わせが悪くなる
・口が開いた状態が続く :口元の筋肉や骨格が成長しづらくなり、噛み合わせが悪くなる
これらのことから、噛み合わせの悪さの治療方法についてまとめます。
噛み合わせの悪さを矯正治療で治すというのはあくまで一例にしか過ぎません。
問題は何が原因で噛み合わせが悪くなったのかということです。
仮に被せ物の高さが原因なら矯正治療は必要なく、被せ物の高さの調整で改善できる問題です。
一方で、歯並びの悪さが原因なら矯正治療を行うことが噛み合わせの悪さを治すことになります。
どうして噛み合わせが悪いのか?…まずはその原因を知ることが治療方法を考える第一歩になります。