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虫歯になってから噛み合わせに違和感があります。何が起こったのでしょうか?
2018年06月04日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「噛み合わせが悪くなる原因の一例」です。
噛み合わせに違和感があるとすれば、それは気のせいなどではありません。
実際に噛み合わせが悪くなっているため、歯科医院の診察を受けた上で対処が必要です。
さて、噛み合わせが悪くなる原因はいくつかあるため、
ある日突然噛み合わせに違和感が起こった人に対して「〇〇が原因」とは断言できません。
しかし、虫歯になってから噛み合わせに違和感が起こったのであれば、
それは虫歯やその治療に原因があるのかもしれません。
ここでは虫歯が原因で起こる噛み合わせの問題を中心に、噛み合わせについてのお話をしていきます。
目次
虫歯によって噛み合わせが悪くなる例
虫歯によって噛み合わせが悪くなることがあります。
正確には「虫歯の症状」、もしくは「虫歯治療」が原因として考えられます。
虫歯の症状が原因のケース
虫歯になると虫歯菌の出す酸によって歯が溶かされますが、進行すれば歯はどんどん溶かされていきます。
これによって歯の形状が変わってしまうと、噛み合わせが悪くなることがあります。
虫歯治療が原因のケース
被せ物で処置した際、被せ物の高さが合わないことで噛み合わせが悪くなります。
高い場合は削って対処できますが、低い場合は被せ物の再製作が必要です。
…虫歯が原因の場合、このような理由で噛み合わせが悪くなります。
では、虫歯をしっかり予防していれば噛み合わせは悪くならないのでしょうか。
…それは違います。と言うのも、噛み合わせが悪くなる原因は他にもあるからです。
そこで、噛み合わせが悪くなる原因としてその他に考えられるものを以下でお伝えしていきます。
噛み合わせが悪くなる原因
噛み合わせが悪くなる原因は様々です。
以下でズラリと挙げていきますが、歯の高さが少し変わるわけで噛み合わせは悪くなります。
歯周病
歯周病は初期段階では歯肉に炎症が起こるのみで、歯には影響ありません。
しかし進行すると歯を支える歯槽骨が溶かされ、歯がグラつくようになることで噛み合わせも悪くなります。
インプラント
理由としては「虫歯治療で処置した被せ物の高さが合わない」と全く同じです。
インプラントも被せ物を立てるため、その高さが合わないことで噛み合わせが悪くなります。
歯並びが悪い
歯並びが悪く凸凹していれば、当然噛み合わせも悪くなります。さらに歯は動くため、
歯並びが良い人でも舌癖などによって徐々に歯並びが悪くなり、噛み合わせが悪くなるケースもあります。
遺伝
噛み合わせの悪さは少なからず遺伝の影響もあります。生まれつき顎の関節が弱い、
または歯並びが悪いなど、遺伝によって噛み合わせが悪い人もいます。
食生活
やわらかいものばかり食べる習慣のある人は、顎の骨が弱くなります。
そうなると噛み合わせも悪くなり、特に子供の頃からこうした習慣がある人が該当します。
癖
子供の場合は指しゃぶり、大人の場合は食いしばりや歯ぎしりなど、
これらの癖がある人は顎の骨や歯に負担が掛かり、噛み合わせが悪くなります。
老化
老化によって歯肉が痩せていきますが、そうなると歯肉が弱くなって歯がグラつきます。
いわゆる歯周病と同じような状態になり、歯がグラつくことで噛み合わせも悪くなります。
歯の欠損
何らかの理由で歯を失った場合、そのままにしておくと隣接する歯が移動します。
これは抜けた場所を埋めようとするためで、歯が移動すると歯並びが悪くなって噛み合わせも悪くなります。
噛み合わせが悪いことで起こる問題
噛み合わせの悪さは病気ではありません。虫歯や歯周病のように治療が必須というわけではないため、
矯正治療を行うにしても絶対に必要な治療でないことから健康保険が適用されません。
このため、費用の高さから治療を断念する人が多いのが現状です。
また、それ以前に噛み合わせの悪さを大した問題ではないと軽視する人も少なくありません。
しかし、噛み合わせの悪さを放置することで以下のような問題が起こります。
虫歯や歯周病になりやすい
噛み合わせが悪いということは、歯並びが悪いことが考えられます。
歯並びが悪ければ歯磨きがしづらくなり、歯ブラシが届かない箇所にプラークが溜まります。
つまり磨き残しが多くなってしまい、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
顔の見た目が悪くなる
噛み合わせが悪いと、歯が正常な位置からズレてしまっています。
その影響で顎の形が変形してしまい、顎の形が変形することで顔の輪郭が歪みます。
そして顔の輪郭が歪むことで、顔自体の見た目が悪くなってしまうのです。
顎関節症になるリスクが高まる
誤解のないように言っておくと、顎関節症は噛み合わせが良くても起こります。
しかし、噛み合わせが悪い人は顎関節へ大きな負担を掛けるため、発症のリスクが高くなります。
さらに噛み合わせが悪い人は顎関節症になりやすいだけでなく、重症化しやすい傾向があります。
歯科治療の精度が落ちる
歯並びの悪さによって噛み合わせが悪い場合に起こる問題です。
歯並びが悪いことで、虫歯治療などの際に本来見える箇所が見えなくなります。
このため歯科治療における精度が落ち、治療で痛みを感じる場合などがあります。
肩こりや頭痛が起こる
身体には至るところに筋肉がありますが、噛む時に使用する筋肉もあります。
具体的には、首から肩にかけて繋がる広頸筋、顎関節から頭の横にかけて繋がる側頭筋です。
そして噛み合わせが悪い場合、これらの筋肉に悪影響を及ぼして肩こりや頭痛を引き起こしてしまいます。
…このように、噛み合わせの悪さによって起こる問題は口の中のことだけではありません。
見た目の審美性、さらに全身の健康にまで悪影響を及ぼしてしまいます。
つまり噛み合わせを改善することは、全身の健康にプラス効果をもたらすほどの意味があるのです。
顎関節症について
噛み合わせが悪い場合、最も注意しなければならないのが顎関節症です。
とは言え、顎関節症の症状をあまり知らないという人も多いと思います。
そこで、顎関節症がどんな症状をもたらすのかについて説明します。
顎が痛む
顎関節症になると顎が痛み、さらに周辺の頬やこめかみ付近が痛むようになります。
常に痛むわけではないものの食事で顎を動かす際などに痛むため、日常生活に支障をもたらしてしまいます。
ちなみに顎を動かしていないのに痛む場合は、顎関節症とは違った病気にかかっている可能性があります。
顎を動かすと音がする
関節雑音とも呼ばれるもので、「ミシミシ」や「カクカク」のような音がします。
最も、この症状だけしか起きない場合はそれほど深刻な状態になっていないものの、
顎を動かすたびに音がするため、耳障りに感じてストレスにもなってしまいます。
口を大きく開けられない
開口障害とも呼ばれるもので、正常な場合は指を縦にして3本入るくらい口は開きます。
しかし顎関節症になることで開口障害が起こると、指が2本以下しか入らないほど口が開かなくなります。
突然口が開かなくなることもある一方で、徐々に開かなくなっている場合もあります。
噛み合わせると違和感がある
顎関節症になると顎関節や筋肉に異常が起こり、顎の動きに変化が生じます。
このため、噛み合わせた時にいつもと違う違和感があります。
噛んだ時に何かおかしいと感じたら、それは気のせいではなく顎関節症の可能性があります。
口が閉じられない
これは非常に稀なケースとして捉えてください。
顎関節症になることで顎関節の構造に異常が起こると、歯並びが悪くなることがあります。
正確には歯列に隙間ができてしまい、その状態次第では完全に口を閉じることができなくなります。
…これら以外にも、腰痛や背中の痛み、耳鳴りや耳のいたみ、めまいなどの症状が起こります。
顎関節症になってしまうと、身体の至るところに痛みや異常を感じるようになってしまうのです。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、噛み合わせが悪くなる原因の一例についてまとめます。
1. 虫歯によって噛み合わせが悪くなる例 :「虫歯の症状」と「虫歯治療」が原因の根本となる
・虫歯の症状が原因のケース :歯が溶かされて形状が変わることで噛み合わせが悪くなる
・虫歯治療が原因のケース :被せ物の高さが合わないことで噛み合わせが悪くなる
2. 噛み合わせが悪くなる原因 :虫歯が原因なのはほんの一例。以下のことも原因になる
・歯周病 :歯がグラつくようになることで歯の位置が変わり、噛み合わせも悪くなる
・インプラント :虫歯治療同様、被せ物の高さが合わないことで噛み合わせが悪くなる
・歯並びが悪い :歯並びが悪く凸凹していれば、噛み合わせも悪くなる
・遺伝 :生まれつき顎の関節が弱い、歯並びが悪いなどで噛み合わせが悪くなる
・食生活 :やわらかいものばかり食べると顎の骨が弱くなり、噛み合わせも悪くなる
・癖 :子供の指しゃぶり、大人の食いしばりや歯ぎしりなどによって噛み合わせが悪くなる
・老化 :歯肉が痩せて弱くなると、歯がグラつくようにあって噛み合わせも悪くなる
・歯の欠損 :歯を失ったままにしておくと隣接する歯が移動し、歯並びが悪くなって噛み合わせも悪くなる
3. 噛み合わせが悪いことで起こる問題 :噛み合わせの悪さは病気ではないが、以下のような問題が起こる
・虫歯や歯周病になりやすい :歯並びが悪く、歯を磨きづらいため
・顔の見た目が悪くなる :顎の形が変形することで顔の輪郭が歪むため
・顎関節症になるリスクが高まる :噛み合わせが悪いことで顎関節に大きな負担を掛けるため
・歯科治療の精度が落ちる :歯並びが悪いと、本来見える箇所が見えなくなるため
・肩こりや頭痛が起こる :噛む筋肉の広頸筋や側頭筋に悪影響を及ぼすため
4. 顎関節症について :噛み合わせが悪いと起こりやすく、顎関節症になると以下のような症状が起こる
・顎が痛む :顎だけでなく、周辺の頬やこめかみ付近が痛むこともある
・顎を動かすと音がする :音だけなら軽症だが、顎を動かすたびに音がするのでストレスになる
・口を大きく開けられない :開口障害とも呼ばれ、正常な状態に比べて口を大きく開けられなくなる
・噛み合わせると違和感がある :顎関節や筋肉に異状が起こり、顎の動きに変化が生じるため
・口が閉じられない :ケースとしては稀だが、完全に口を閉じられなくなることがある
これらのことから、噛み合わせが悪くなる原因の一例について分かります。
このように噛み合わせの悪さは病気ではないものの、それが原因で病気が起こる可能性があります。
また肩こりや頭痛など、口の中だけでなく全身の健康にもマイナス影響をもたらします。
このため、噛み合わせが悪いことは決して軽視できる問題ではないのです。