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口臭が出やすい人の特徴を教えてください
2018年12月01日
江東区門前仲町の歯医者さん、原澤歯科です。
今回のテーマは「口臭がしやすい人の特徴」です。みなさん、これまで一度は人の口臭が気になった経験があると思います。
そんな口臭が気になった時のことを振り返ってみると、口臭がするのは大抵決まった人ではないでしょうか。と言うのも、ある人がいたとして、そのある人が日によって口臭の有無があるわけでなく、口臭がする人は常に口臭があり、口臭がしない人は常に口臭がしないパターンがほとんどだからです。
つまり口臭にランダム性はなく、口臭がする人というのはある程度決まっていることになります。さて、口臭がする人が決まっているということは当然そうなる理由があるわけで、ここでは口臭がしやすい人の特徴について説明していきます。
目次
口臭には種類がある
一言で口臭と言っても、口臭には次の2つの種類があります。
・一時的口臭
・病的口臭
…これらの言葉に聞き覚えのない人もいるでしょうが、それぞれ文字どおりの解釈で構いません。一時的口臭は文字どおり一時的に起こる口臭で、最も多いのは食べ物が原因で起こる口臭です。例えばニンニクを食べれば、いくら口臭がしない人でもその時だけは必ず口臭がするでしょう。
最も、この一時的口臭はさほど深刻ではなく、なぜならあくまで一時的なものだからです。ニンニクを食べても歯磨きをすれば口臭は解消されますし、ガムなどよっての解消すら可能ですからね。問題は病的口臭で、これも文字どおり病気が原因で口臭が起こっているケースです。
病気が原因で口臭が起こるということは、その病気が治らない限り口臭が続くことになり、常に口臭がする人の場合、状況的に考えてこの病的口臭である可能性が高いでしょう。また、一時的口臭もその原因によってはしっかりとしたケアが必要になるケースもあります。
口臭がしやすい人の特徴
口臭がしやすい人には次のような特徴があります。最も、「口臭がする」ではなく「口臭がしやすい」ですから、次の特徴に該当している人でもしっかりとケアができていれば口臭を防げます。
虫歯や歯周病がある人
虫歯になると歯に穴があくため、そこに食べカスが詰まってしまうことがあります。詰まった食べカスはなかなかとれなくなり、虫歯の穴に留まることで腐ります。そうなると、それが原因で口臭がするようになります。
また、歯周病の場合は発症しているだけで口臭がします。元々歯周病菌はきつい口臭の原因になりますし、歯周ポケットに溜まった細菌、歯肉から出た血液や膿み、歯石なども口臭の原因になります。
歯並びや噛み合わせが悪い人
歯並びや噛み合わせの悪さ自体で口臭がすることはありません。しかし歯並びや噛み合わせが悪いと食べカスが残りやすくなるため、それが口臭の原因となります。また、上記で「虫歯や歯周病がある人は口臭がしやすい」と説明しました。
歯並びや噛み合わせが悪いと、歯並びが凸凹していることで歯磨きがしづらくなります。このため歯磨きの精度が落ち、虫歯や歯周病になりやすくなります。虫歯や歯周病は口臭の原因になりますから、これらになりやすいことで口臭もしやすいということになります。
口呼吸の人
口呼吸の人は乾燥した空気を直接口の中に取り込むため、口の中が常に乾燥した状態になります。これは、乾燥した空気によって唾液が蒸発するためですが、唾液は細菌を洗い流す役割を担っているため、唾液が蒸発するとそれができなくなります。
そうすると口の中で細菌が繁殖するため口臭がしやすくなりますし、特に空気を嫌う嫌気性菌の繁殖が口臭の原因になります。また、唾液が少ないと虫歯や歯周病にもなりやすいため、それもまた口臭の原因となります。
唾液の量が少ない人
唾液の量が少ない原因は様々です。上記で説明したとおり口呼吸の人は唾液の量が少ないですし、口の中が乾燥状態になるという点では交感神経が優位な人もそれに該当します。また、食べる時によく噛まないと唾液の分泌量が低下します。
これらの理由で唾液の量が少ないと、口の中が乾燥するため細菌が繁殖してしまいます。細菌の繁殖はそれだけで口臭の原因になりますし、唾液の量が少なくて虫歯や歯周病になってしまえば、それらが原因による口臭がするようになります。
歯石がある人
歯石があればそれだけで口臭がしますし、歯石があるとそこに細菌が溜まりやすくなります。これは、歯石がザラザラした感覚のため細菌が付着しやすいのが理由ですが、細菌が溜まればそこにまた歯石ができ、そうやって歯石はどんどん積み重なっていきます。
そうなると当然口臭はより酷くなりますし、歯石の付着は歯周病になりやすくなるため、実際に歯周病になってしまえばそれもまた口臭の原因になります。しかも歯石は目に見えますから、歯に付着していることで不潔そうに見えてしまいます。
歯磨きを適当にすませている人
歯磨きをしても口臭がするのであれば、まず歯磨きの仕方を疑ってみるべきです。歯磨きをするとミント系の歯磨き粉の効果が口の中がスッとしますが、極端な話、たった10秒で歯磨きを終えたとしてもスッとした感覚は変わりません。
このため、この感覚によって口の中が綺麗になった錯覚がしてしまいます。しかし実際には適当な歯磨きしかしていないため、細菌は依然残ったままになるでしょう。そうするとスッとした感覚を失った後、再び細菌によって口臭がしてしまうのです。
胃や腸の不調や病気による口臭
口臭がするとなると、その原因は口の中にあると考える人がほとんどではないでしょうか。確かに可能性としてはそれが最も考えられますし、実際に口臭の原因は主に口の中にあります。しかしそれだけでなく、胃や腸の不調や病気によって口臭がするケースもあります。
胃炎による口臭
胃炎になると食べた物が消化されづらくなり、これは胃酸が出にくくなることが理由です。そして食べた物が未消化になった場合、胃の中で食べた物が停滞してしまいますから、本来なら腸で行われるはずの発酵が胃の中で行われてしまいます。
すると胃の中で発酵した際に発生した発酵臭が肺に入り込んでしまい、呼吸した時にその発酵臭が漏れて口臭となってしまいます。要するに消化不良が招く口臭なわけですが、ちなみに十二指腸潰瘍の場合も同じことが言えます。
胃がんによる口臭
胃がんによって起こる口臭には2つのパターンがあるとされています。1つ目に胃がんならでは…つまり胃がん特有の口臭ですが、これについては現状解明されておらず、がん細胞が増殖した時に発生する化学物質が原因と考えられていますが、あくまで一説でしかありません。
一方2つ目のパターンは既に解明されており、これはがんの壊死が口臭の原因になっています。がんが壊死すると臭いのきつい成分が発生するのですが、それが血液に取り込まれ、血管を通じて肺に回ることで呼吸時に口臭がするようになります。
逆流性食道炎による口臭
逆流性食道炎とは、胃液が食道に逆流する症状が起こる病気です。この症状から口臭を予想できるとおり、胃液は酸っぱい臭いがしますから、その胃液が逆流して喉の方まで上がってこれば、口から酸っぱい臭いがするようになります。
さらに、逆流性食道炎の場合は胃の臭いまで口から漏れてくるため、胃液の酸っぱい臭いに加えて胃の臭いも混ざります。このため、逆流性食道炎による口臭はきつい臭いがするとされています。
腸内環境悪化による口臭
腸内には善玉菌と悪玉菌がバランス良く存在していますが、食生活などから腸内環境が悪化するとこのバランスが乱れ、悪玉菌が増殖してしまいます。そして悪玉菌が発生することで、腐敗したガスが腸内に充満することになります。
この腐敗したガスからはやがて血液に取り込まれ、血管を通じて全身にまわります。それが肺に入り込んでしまうことで、呼吸時に腐敗したガスの臭い…つまり腐敗集がするのです。ちなみに腸内環境悪化についてもう一つ言えば、便秘になった場合も口臭がするようになります。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、口臭がしやすい人の特徴についてまとめます。
1. 口臭には種類がある :一時的口臭と病気口臭があり、問題なのは病気が原因となる病的口臭
2. 口臭がしやすい人の特徴 :次の特徴に該当する人は口臭がしやすい
・虫歯や歯周病がある人 :虫歯の穴に詰まった食べカス、さらには歯周病菌が繁殖するため
・歯並びや噛み合わせが悪い人 :食べカスが残りやすく、さらに虫歯や歯周病になりやすいため
・口呼吸の人 :唾液が蒸発して口の中で細菌が繁殖するため。特に嫌気性菌の繁殖は口臭の原因になる
・唾液の量が少ない人 :口の中で細菌が繁殖し、虫歯や歯周病になりやすいため
・歯石がある人 :歯石そのものが原因による口臭、さらに細菌の繁殖や歯周病になりやすいため
・歯磨きを適当にすませている人 :磨き残しが多く、歯磨きしても細菌が残っているため
3. 胃や腸の不調や病気による口臭 :胃や腸の不調、もしくは病気が原因で口臭がすることもある
・胃炎による口臭 :胃の中で食べた物が発酵することで、発酵臭が呼吸時に漏れるため
・胃がんによる口臭 :胃がん特有の口臭(一説)とがん細胞の壊死によってきつい臭いが発生するため
・逆流性食道炎による口臭 :逆流した胃液が喉の方まで上がってきて酸っぱい臭いがするため
・腸内環境悪化による口臭 :増殖した悪玉菌の発生によって腐敗臭がするため
これらのことから、口臭がしやすい人の特徴について分かります。口臭をケアするための商品は現在充実していますが、それらは一時的口臭にしか効果はありません。病的口臭は病気によって起こる口臭ですから、原因となる病気を治療しなければ口臭は続くのです。
また、口臭がする病気にもいくつかの種類があるため、単に口臭がするというだけで病気の種類を特定することはできません。このため、口臭がした時に必要なのはまず歯科医院や口臭外来に行き、その原因を特定することです。