恋人とのキスで歯周病は感染する？

歯周病は唾液を介して人にうつると言われており、そのために母子感染を注意する声があります。
しかし、「唾液を介してうつる」という事実に注目すると、
母子だけでなく恋人同士でもうつるのではないかと考える人も多いと思います。
なぜなら、恋人同士ならキスをするでしょうし、キスは唾液を交える行為だからです。
そこで、恋人とのキスで実際に歯周病に感染することはあるのかについて説明していきます。

１.　キスで感染する可能性は？

先に実際の可能性を説明しておくと、キスで歯周病に感染する確率はゼロではありません。
ただし、直接歯周病がうつることはあり得ません。これは母子感染にも同じことが言えますが、
うつるのは歯周病菌であって歯周病そのものではないからです。

正確には、プラーク内の歯周病菌がキスした際、唾液を介して恋人の口内にうつるという流れになります。
歯周病がそのままうつるわけではないものの、歯周病を引き起こす細菌をうつしてしまうのは事実です。
言うまでもなく、それが原因で恋人が歯周病になってしまう可能性も充分にあるのです。

２.　うつった時に気付く？

上記で説明したとおり、恋人とのキスで歯周病菌はうつりますし、
その歯周病菌が元で恋人が歯周病を引き起こしてしまう可能性は確かにあります。
ただし、例えうつったとしてもその時に気付くことはできません。

と言うのも、歯周病の初期段階では自覚症状がなく、風邪がうつった時のような身体の違和感もないのです。
つまり、あなたに恋人がいて普段キスすることがあるとすれば、
あなたの口内にいつの間にか歯周病菌が巣食い、今まさに歯周病を引き起こしている可能性もあるのです。

３.　キス以外でもうつる？

今回は恋人とのキスをテーマにしているものの、歯周病がうつることに注意するなら、
「キスでうつる」ではなく「唾液を交える行為でうつる」と認識すべきです。
例えば、恋人同士の行為で挙げるならＳＥＸだって唾液を交える行為に該当するのです。

また、恋人同士に限らず友人や家族との食器の共用にも同じことが言えるでしょう。
これらはいずれもキス同様に唾液を交える行為であるため、やはり歯周病がうつる要因になるのです。
ちなみに、歯周病に限らず虫歯においても全く同じことが言えます。

４.　予防するには？

キスを含めて唾液を交える行為全てをしなければ、歯周病をうつすこともうつされることもありません。
しかし、それは現実的に考えて不可能です。キスもＳＥＸもしない恋人達はまずいないですし、
食器の共用をしない家族だってまずいません。さらに家族に小さな子供がいるとすれば尚更です。

このため、唾液を交えないようにするのではなく、交えてもうつらない状態を作ることが大切です。
つまり、口腔内のケアをしっかりと行うということです。毎日のブラッシングはもちろん、
歯科医院で定期的に検診を行い、口腔内のクリーニングなど徹底的な歯周病予防をしてください。

５.　虫歯もうつる？

上記で少し触れましたが、実は虫歯も歯周病同様に恋人とのキスでうつります。
また、虫歯も唾液を介してうつるため、やはり唾液を交える行為全般でうつってしまうのです。
虫歯は何もある日突然歯に穴が空くわけではなく、虫歯菌に感染することで引き起こされる病気です。

その点では歯周病と全く同じであり、唾液を介して相手に虫歯菌がうつってしまうのです。
相手に歯が存在する限り虫歯菌はうつってしまうため、
その意味では例え赤ちゃんでも歯がある限りはうつる可能性があるのです。

まとめ

いかがでしたか？
最後に、恋人とのキスで歯周病は感染するのかについてまとめます。

1. キスで感染する可能性は？　：唾液を介して歯周病、正確には歯周病菌がうつる可能性がある
2. うつった時に気付く？　：例えうつっても、初期段階の歯周病は自覚症状がないので気付きにくい
3. キス以外でもうつる？　：キスに限らず唾液を交える行為でうつる。このため、食器の共用なども該当する
4. 予防するには？　：唾液を交える行為全てを禁ずるのは不可能。それよりも口腔内の徹底ケアを考える
5. 虫歯もうつる？　：虫歯も歯周病と全く同じで、唾液を介して虫歯菌がうつる

これら５つのことから、恋人とのキスで歯周病は感染するのかが分かります。
中にはキスで歯周病はうつらないと言う人もいますが、それは表現の違いが招いていることです。
仮にあなたが歯周病だとして、その歯周病がキスによって恋人にうつることは確かにありません。
しかし、歯周病を引き起こしている要因、つまり歯周病菌はキスでうつってしまうのです。

つまり、正確な表現をするなら「キスで歯周病がうつる」ではなく「キスで歯周病の要因がうつる」です。
最も、うつった歯周病菌が実際に歯周病を引き起こすこともあるため、
その意味では、結果的にキスによって恋人に歯周病を引き起こさせてしまう可能性はあるのです。
このため、自身だけでなく家族や恋人と一緒に歯周病予防を行うのが理想です。